soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

ビビッドカラー・ビューティフルカンバス / ゆや。


ゆうゆ aka 三月正、篠螺悠那のボカロCD。


テクノポップ、ロックをメインに聴きやすいポップなボカロソングが収録されています。ニコニコに公開されてるのは2曲だけ(たぶん)と新曲多めな内容になっています。


聴き所はCDに溢れるグッドメロディ。
明るいメロディから切ないメロディまで、すんなりと脳に入ってくるストレートな旋律がいっぱいです。
トラックのアレンジメントも良いのですが、それらもあくまで主メロディの良さを際立たせる曲構成になってます。
色々とやってるんだけど、ほとんど気にせずにミクのメロディに耳を傾けられる肩の張らないノリがウリ。
あとCD全体に勢い(≠激しい、ノリノリ)があるのがイイ!


ロック曲はいわゆるロキノン系っぽくて熱い。
けど個人的には明るいテクノポップ系こそゆうゆさんのメロディが直で響いてきて好きです。


あと、ブックレットの曲ごとに書いてあるミニキャラ絵がすごくかわいい。

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①テレビを切り替える音ともに本作の曲が流れるイントロ・スキット。途中でミクが一緒に鼻歌したり、電話に出たりと妙な生活感があって癖になる。この喋らせ方のニュアンスがまた上手い!「あぁ……うん」が好き。


②パンキッシュなハイスピード・テクノポップ。早口のAメロから転げ落ちるようにメロディを奏でるサビまでポップネスの雨あられ。キャッチーで一発で気に入る即効性の高い曲。ラスト1分半が間奏→Aメロで終了するのが面白い。


⑤激キャッチーなサビのテクノポップ。「ハロー・ハロー」のコーラスが素晴らしい。全体的に温かいポジティブな空気でウキウキしてきます。


⑥勢いのあるスキャットが印象的なハイテンション・トラック。とびっきり明るいAメロでそのまま行くかと思いきや、Bメロでちょっと切なくなって、サビはカッコイイ。色々な要素を一曲の中に詰め込んでて面白い。でもそんな難しいことをまったく考えさせないポップソングにまとまってます。


⑦ササクレさんによるゆうゆさん曲アレンジ。かわいらしさとオシャレさが同居したラウンジポップ。くるくると変化していく伴奏が楽しげ。サビがむちゃくちゃ耳に残る。その昔Liz vs OMTで競いあった二人が協力するとは感傷深いものがあります。今作で一番好きな曲のひとつ。


⑩和風なパワーポップ。ポップの王道なメロディでとても聴きやすい。力のあるロックサウンドと和の音色がうまく融合していて綺羅びやかな印象を受けます。


⑪こちらも少し和の入ったロック。エッジの効いたギターが切り込んできて、ロックとしてなかなかの出来。ただ今作の中ではメロディが少し弱いかなと思うところも。サビの声の上がり方は好き。


⑫インストのアウトロトラック。ササクレさんっぽいチップサウンドで始まり→paraokaさんぽいプログレ→昇天していくミクボイスとともにトランシーなロックサウンド。最後のミクの「Ah〜〜♪」が気持ちよすぎる!欲をいえばリズムがひねくれててアッパー感が削がれてしまってるのが残念か。でも、僅か1分ちょっとながらすごい魅力的な楽曲。Acidmanの「0 = ALL」に似た快感があります。今作で一番好き!

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難しいことを考えずに聴けるポップなボカロ・アルバム。


ポップスってのはロックもテクノポップも全部混ぜ込みにしながら耳に馴染みやすいってのが重要だと思いますが、その点ではこのCDは非常に「ポップス」してます。


とにかく音に元気があって、打ち込みながら生のようなパワーがある。
ただ圧倒的な個性ってのは無いので、変りダネなサウンドを求めている人にはあと一歩弱いってのはあるかもしれません


勢いのあるロックやテクノポップが好きな人にオススメ。とにかく聴きやすいボカロCDです。


ゆうゆさんは9月にボカロCDがメジャーから出ることになったみたいですね。
今作の曲もいくつか収録されているようです。
おめでとうございます〜。