2013/11/24 高架下音楽祭(イルリメ、ザ・なつやすみバンド、踊ってばかりの国、moja、おとぎ話、オレスカバンド)
梅田からひと駅、ひと二人分くらいの幅しかないホームの中津駅。「なんでこんなとこに駅あるの?」と思ってしまうこの変わった場所の高架下一帯を使った新しい音楽イベントです。ライブだけでなくワークショップやショップなども発表されて楽しみにしてました。
普段は下車しない駅のホームを降りてみると……おろ?思ったよりデコレーションが少ないな。
そこそこ広い公園の一箇所にポツンとリストバンド交換所があってなんだか寂しい。公園では一般の家族連れの親子が遊んでてそんな中にフェスの設備が突然現れる……不思議な感覚でした。
このイベントのメインスポットになる高架下を覗くと薄暗いオレンジがずっと続く空間にワクワクしました!
でもあんまりデコレーションとかなくてお祭り感が弱いのが残念だったかなぁ。
商店街があってそこがデコレーションやワークショップが華やかだったらしいんですけど、地図を見ながら歩いても行き着きませんでした。なんでこのイベントの本領は知らないかもしれません。
つまりはリストバンド交換所付近はそれだけパッとみ普通の街だったんです。案内やスタッフも特に見当たらなかった。
メインになるステージはふたつのライブハウス。Vi-codeとピエロハーバー。他に近くのカフェでもミニライブがいくつかあります。
イルリメ (Vi-code)
サウンドチェックから客とやりとりしておもしろおかしく準備を進めていきます。
セトリはいつも通りなんですが、普段は最後のトリミングの時にやるフロア真ん中ライブを一曲目で決行。イスと機材をフロアの真ん中に置いてスタート!
すごいですね〜、この人のエンタテインメント能力は。もう最初の音が出る前から客をライブの中に取り込んじゃってる。
ビートも聴いててラップも小気味いい。見てて”楽しい〜♪”ってなる。エンターテイメント性が強いからといって音楽がおざなりになるのではなくひたすら音楽。音楽でエンターテイメント。
曲にサンプラーを託すお馴染みパフォーマンスやスカパラの曲をサンプリングしたトラックなどを経て「トリミング」で再度フロアに戻ってフロア中央ライブ。
いつもならこれで終わるけど持ち時間が普段より長いということで、リリックを提供したEVISBEATSの「いい時間」をラストに。 ”訪れた いま いい時間♪”歌詞そのままの気持ちになりました。
これは良い一日になる!と確信!
ザ・なつやすみバンド (ピエロハーバー)
イルリメとちょこっと時間が被ってたのでダッシュでピエロハーバーへ!
前にこのハコに来たのはROVOのMDT。あの時に使ってた場所は食堂になっており、その先の部屋が今回のステージでした。広さはBIGCATぐらい?デコレーションがTAICOを意識してて面白かった*1段差があって後ろからでも見やすくて良い場所でした。
ここで見たレイ・ハラカミが最後だったなぁ……。
到着すると「サマーゾンビ」の途中からでした
TNBは今までONE MUSIC CAMPの野外でしかみたことなかったけど、屋内だと音を拾いやすくていいですね。いままで見たTNBのライブで一番胸に届きました。ベースが音量大きくてロックな部分もあったのもよかったな。
新曲も披露。アンビエントな方向にかなり足を踏み入れている新機軸。細かいドラム裁きとかもいままでになかった感じです。良い!
終盤に「悲しみは僕をこえて」→「自転車」とキラーチューンを続けて。いやーめっちゃいい!
いままでのライブは期待値が高すぎるゆえ、ライブを見ても「アレ?思ったほど……」って感想だったんですがこの日のライブはすごくよかった。おもわず京都のワンマンも予約してしまいました。*2
踊ってばかりの国 (ピエロハーバー)
いままで踊ってばかりの国は下津さんのキャラがあんまり好きじゃなかったんですよ。PVとか見てもあんまりクるものがなかったし。
しかし、ライブで聴くと……良すぎた。とろ〜んと歌が入ってきてそれが最高のグッドメロディ。
焼酎片手にアルコールと音に酔いながら”ここまで幸せな瞬間があるだろうか?”、ってなくらい気分良くなってライブを観てました。バックの薄ピンクの照明もサイケデリック感があってバンドとマッチしてた。*3
下津さんは機嫌が良かったのかめっちゃ笑顔で演奏してました。
「踊ってはいけない〜♪ 踊ってはいけない〜♪ バカな法律のある国は終わる〜♪」という曲に特にグッときました。安易な泣きメロとかじゃなくて本当にグッドメロディを書く人なんだな、と。
毛嫌いしてたけど、これだけのライブを見せられたらさすがに評価を改めざるを得ないです。
この日のベストアクトかな?
moja(Vi-code)
このフェスで知って興味をもったバンド。男性ベースと女性ドラムの二人ユニット。爆音の人力ダンスミュージックです。
熱のある演奏がスゴすぎ!
特にドラムはスカートで女性らしいファッションなのにバコン!バコン!とドラム叩いてて「和田慎二か!?」と突っ込みたくなるくらいの叩きっぷりでした。
ゴリゴリな部分とダンサブルな部分が同時に襲ってきて熱狂させられる。汗だくになるまで踊らされた。フロアも前のほうはかなり盛り上がっていた様子。
文句無しに良いバンドでした。僕の勘は外れてなかった!物販にCD置いてなかったのが残念
おとぎ話 (ピエロハーバー)
そこそこ好きなバンドのはずなんですが……どうもその時の気分に合いませんでした。mojaでダンスな気分になってたのかな。
ピエロハーバーを退出して高架下音楽祭の催し物の一つカレー大サーカスへ。色んな種類のカレーが一皿300円で食べられるというモノです。
カレーの種類は残念ながらひとつしか残ってませんでした。めっちゃ辛いけどおいしかった!
DJ方 (倉庫B)
倉庫で開催されているSHC*4という催し物。
別の場所で行ってるライブの音をラジオで聴く特殊なライブ。演者が映されたスクリーンがあってその前で座ったり寝そべったりしながらイヤホンで聴きます。変な空間。
DJ方 a.k.a 水内義人さんの強烈な顔がスクリーンにアップで映されなにか曲をプレイすることもなく。意味が有るような無いようなことを喋ってる。(いわく機材が全部壊れてライブができないそうです;)
「ダンスミュージックは、ようは何回反復するかってことなんですよ」「何回反復するかってことなんですよ」
とメタな反復。リズミカルな反復ではなく壊れた映像記録媒体みたいな反復。なおスクリーンの映像はリアルタイムで進んでてDJ方さんはなにか喋ってます。声と口の動きは全然合ってない。ナンダコーレ?
それが10分ほど続き(!?)、次は「さきほど……ちらっと客席を見てお美しい女性の客もいましたけども……皆さんイヤホンをされているので」と言ったあとにニヤニヤしながらペチャペチャ舐める音を出してペロペロ耳レイプ。コイツ最悪だ!あれほどゲスな表情は見たことありませんでしたw
最後は本人の声で「いち…に…さん〜」とただカウントするだけの音源を垂れ流し。それに合わせて踊る*5DJ方さん。
水内義人さんだもの〜。
こういうのを覚悟してたにもかかわらず「ふざけんな」って気持ちが沸き上がってくる、と同時に笑えてきて仕方がなかった。心底腐ってるパフォーマンスでした。ちなみに全部褒め言葉です。
オレスカバンド (ピエロハーバー)
トリ!……だけどおとぎ話、踊ってばかりの国、TNBに比べると半分くらいしか人が入ってなくてなんだか申し訳なってきました。
前半はぶっちゃけ盛り上がってなかったです。大阪弁モロなMCは大阪人でもちょっと「むむむ」となってしまってなんだか学祭を見てるみたいだった。曲はめっちゃ良いけどステージから放たれるオーラというか会場全体の空気がいい感じに温まってない。
「Walk」のイントロを何度もミスってステージは「大丈夫、大丈夫!」みたいな軽いノリでフォローしようとしてるけど、客は置いてかれてるみたいな空気がありました。
ちなみに「Walk」はアダルティな新機軸で、サビの「プッ!」って一瞬入るブラスが好きなんですがライブだと雑でちょっと微妙。ただベース・ラインはすごい良い。
と少しイマイチ感があったんですが、後半は爽やかなスカパンクやノリのいいインスト・スカ曲を連打。
小さく前に出てるスペースに4人が詰まって演奏するシーンなんてめっちゃロックでかっこええなぁ。
なかでもブラス隊がステージを降りてきた「A-HA-HA」→「テキーラ」のスカなノリはすごかったです。客数少ないのを動きまわることで逆にプラスにしちゃった。力技で微妙だった空気を変えてった。
直球スカパンクな「ピノキオ」もめっちゃいい曲。
アンコールの頃には会場も熱を浴びて熱い拍手が充満してました。
出てきた6人はそのままの高いテンションで「爪先」→「ORESKA MUSIC」とこれまたいい曲を連発してピークのまま終わりました。
やー、最初はどうなることかと思ったけども、見事にトリを飾った!warped tourを回った5人娘の地力を見た気がします。ホンモノだ!