11月11日〜23日まで松浦敬郄作品展

松浦さんがひとつのテーマにしている万華鏡。万華鏡は小さい色ガラスのようなものが筒に入れられ、くっついたり離れたりしながら、いろんな形を見せてくれる。松浦さんはあじさいや蝶まで万華鏡にしてしまう。そして、自画像も鏡のようなもので割り、そのずれた画像を張り合わせていく。そのずれが面白いと評判だ。ずらしたり、くっつけたりする松浦さん。今年、日洋会の会友に推挙された。万華鏡「あじさい」と題された作品は万華鏡の中に蝶を飛ばす。
松浦さんは何か面白いものはないか、といつも考えていると言う。今回の個展のために描いた絵画がいくつかある。花を描いた絵の中に鏡ををはめ込み、その前に蝶のオブジェを作り飛ばしている。風が吹くと鏡奥の蝶も飛び立っていく。「ヘップバーン」と題された小品は顔に鏡をはめ込み、作品を見た人は、その人の割れた顔を見ることになる。

 こういう柔軟性。そして、面白いものを探そうとする目線、そして、それを形にしようとする力。とても、60後半にさしかかろうとし、なおかつ、仕事で多忙に走りまわる日常を過ごしている人とは思えない。
 最近、松浦さんはこういう作品だけでなく、仕事をテーマにした作品にチャレンジし始めた。松浦さんは長年、洋服のお仕事をされている。その関係でテーラーさんをテーマにした作品を作られた。いま次第に少なくなりつつあるテーラーさんの世界。松浦さんが何十年も関わってこられた洋服の世界。いずれ、松浦さんの好奇心と蓄積された歴史が融合するとき、今以上にすばらしい作品を作られるに違いない。そのように感じる作品展です。
11月23日まで。みなさん。きてください。