12月2日〜14日まで増田五郎個展

12月2日から12月14日まで
増田五郎さんの個展が始まった。増田さんは画歴7年。66才。
増田さんの絵にはよく道が出てくる。農道であったり、あぜ道であったり、川が作る道であったり、太陽の光が作る道であることもある。

その道は「振り返る」という道ではない。先を見ている。冬の民家を描いても、明るいのはそのせいかもしれない。冬を描いた作品に、畦に残る雪をテーマにした作品がある。消えていく雪に心を奪われながら、遠い山に続くあぜ道をまっすぐに描く。春に芽吹く種々のエネルギーが畦に描き込まれているような気がしてくる。

そして、画家が好きだという川を描いた作品。
深い緑に覆われた山の中を流れる一本の川。川は岩肌からしたたる一滴の始まり、ここに描かれているような山間を流れ、そして、大きな川へ、海へと流れる。この絵では暗く描かれた川の流れを覆うように、樹木も深い緑をしている。その沈むような緑の先端からは新緑が、生命力あふれる鮮やかな明るい緑で描かれている。作者は様々な風景にとらわれ、日常の雑事の傍ら筆をとってきた。増田五郎という人は一生懸命歩き、これからも歩き続け、描き続けるのだろう。そのようなエネルギーを感じる作品たちだ。
増田五郎展は12月14日(火曜)までです。