声明(5.28経産省前弾圧について)

★抗議活動の犯罪化を許すな
★5.28経産省前弾圧救援会(https://528kyuen.wordpress.com/)への支援を

5月28日、経済産業省前で抗議活動を行っていた3人が逮捕された。3人にかけられた容疑は「建造物侵入」だという。しかしこの容疑そのものがおかし い。救援会のブログによれば、3人の抗議活動は「経済産業省本館の門扉外側のスペース」で行われていた。「建造物侵入」という用語が想起させる建物への立ち入りがあったわけではない。

ではなぜ警察力が行使され、3人は逮捕されたのか。ここに最大の注意を払う必要がある。今回行われたのは「建造物侵入」への取り締まりではなく、行政機関に抗議することそのものの取り締まりであるということだ。

これは重大な事態だ。

いまや立法府は形骸化の一途をたどり、意味のある政治的決定はあらゆる段階で行政機構が担うものとなった。そして、この行政機構に属する人々を私たちは選出することもできなければ、具体的な意思決定に関わることもできない。その中で人々に残された手段のひとつが行政当局者への抗議活動であった。そのためこれまでも幾多の市民団体、労働団体が関連省庁前での抗議活動を展開している。ところが今回その抗議活動が「建造物侵入」を利用して禁圧されたのである。

現行制度では、たとえ検察が起訴できないような微罪の者、あるいは無実の者であっても、最大23日間にわたって「被疑者」を拘束することができる。人の自由を奪う身体刑罰をほぼ行政機関の判断だけで先取りして強制できる。3人にはすでに10日間の勾留がつけられたと言う。

かつて私たちの組合も同様の事態に直面した。麻生太郎首相の自宅を見に行く 「麻生邸リアリティツアー」で3名の参加者が逮捕され、組合事務所が不当な 家宅捜索を受けたのだ。現在、組合は原告の一人として国賠訴訟を闘っている が、不当逮捕をした警視庁渋谷警察署の宇井警部(当時)は一審で、「首相に 批判的なことを言っていたから」と逮捕を正当化している。政権や行政機構への批判的な意思の拡大を未然に防ごうとする意思は、今回の事件もかつてと同様のものである。

行政機構への抗議活動に過酷な懲罰がかけられていることに私たちは深い怒りと憤りを感じる。不当に逮捕された3人は、いま分散留置され、孤立に耐えながら自身にかけられた冤罪と闘っている。それだけではない。3人は人々が行政機構に抗議し活動する自由を守るために人々との連帯を願って闘っている。3人に支援を! 一日もはやく取り戻そう!

2015年6月3日
フリーター全般労働組合

弾圧事件の詳細、具体的な支援方法などについては、「5.28経産省前弾圧救援会」のブログをご覧ください。
https://528kyuen.wordpress.com/