■講談社より刊行・屋敷の暮らしと使用人の仕事が分かる『英国メイドの世界』-屋敷で働くメイド・執事の仕事が分かる資料本『英国メイドの世界』:第一章の試し読み開始
-出版化時にこだわった「読みやすさ」と「分かりやすさ」
■英国ヴィクトリア朝・屋敷や貴族関連の資料/映像をお探しの方にオススメ
-スターチャンネルで2011/10より放送予定
『ダウントン・アビー』を見る前に読んでおきたいカントリーハウスと職場の解説
-SPQR[英国メイドとヴィクトリア朝研究]更新中
■お知らせ
2012/02/05(日)コミティア99 ろ12b サークルSPQRで参加予定
2012-02-07 『名探偵ポワロ』新シリーズ、NHK-BSで今週4夜連続放送
■[映画・ドラマ][英国メイドの世界]『オリエント急行の殺人』と『英国メイドの世界』を一緒に読むと広がる楽しみ
私の英国メイド研究・屋敷研究の原典と言える、英国ドラマ『名探偵ポワロ』の新シリーズが昨日からNHKのBSプレミアムで02/06(月)から02/09(木)まで放送されています。
DVDも5月に出るみたいですね。
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2012/05/02
- メディア: DVD
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最終夜は『オリエント急行の殺人』です。私がこの作品に接したのは高校生の頃で、作品としてのトリックに驚きましたし、その結末も予想外のものでした。で、2004年にクリスティ文庫が創刊した際に読み直し、そこから暫く離れていました。2010年にこの作品の映像化を聞いて狂喜し、今年は自分にとって大豊作の予感(2010/05/31)や2010年・日本と英国で「ヴィクトリア朝・メイド・屋敷」的な作品が豊作の年(2010/12/23)と取り上げました。
こうした思い入れのある作品ではありますが、『英国メイドの世界』の刊行を通じて家事使用人の世界をより理解したことで、「私がこれまで接した『オリエント急行の殺人』」の印象が変わりました。『英国メイドの世界』と最も相性がいいアガサ・クリスティの作品は、『オリエント急行の殺人』だと私は思います。かつて気づけなかった「作品に描かれた世界と人物の深さ」に私は驚きましたし、より作品を愛することができました。
もしも『英国メイドの世界』をお持ちの方、並びに『オリエント急行の殺人』が好きな方で『英国メイドの世界』を未読の方は、是非、両方に接してみてください。
見える世界、表現された意味が違うはずです。
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,中村能三
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/10
- メディア: 文庫
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『英国メイドの世界』第一章・PDF試し読み版(約23.7MB)
2012-01-28 来週はもうコミティア99
■[同人イベント]コミティア99 ろ12b(壁)で参加予定
開催日時:2012/02/05(日) 11:00〜16:00
開催場所:東京ビッグサイト
スペース:東5/6ホール ろ12b サークル:SPQR
公式サイト:コミティア準備委員会
コミティアに参加します。会場にて、お会いできることを楽しみにしております。お気軽にお立ち寄りください。新刊は冬コミの新刊となります。発掘できれば、シャッツキステとの合同誌も持っていきます。
まだティアズマガジンを買っていないので、明日に買わねば……
上半期では03/11(日)の帝國メイド倶楽部 in コスチュームカフェに申し込んでいます。参加見合わせを検討していた夏コミは「創作少年・メイドジャンル=英国メイド」から離れて、「評論ジャンル=メイド」とジャンルを変えての参加予定です。サークルSPQRの10年以上の活動の中で、コミケに「創作少年」以外で参加したことはないので初の試みです(コミティアではあり)。
ジャンルを変える以上、新刊も「英国メイド」ではありません。正確に言えば、作る本が今までと違うのでジャンルを変えるのですが、その辺は4月以降にでも公開していきます。
コミティア99・頒布予定物
| 『MAID HACKS』 | (実在の使用人のエピソード集・100本以上) | 500円 |
| 『英国執事の流儀』 | (実在の執事の仕事の仕方) | 700円 |
| 『英国メイドがいた時代』 | (『英国メイドの世界』の続く・19世紀末から現代まで) | 700円 |
| 『誰かの始まりは、他の誰かの始まり ヴィクトリア朝の暮らし短編集・総集編』 | (短編51本) | 1,000円 |
初めての方には『MAID HACKS』、『英国メイドの世界』からもっと英国の屋敷を眺めてみたい方には『英国執事の流儀』をオススメしています。メイド創作を読みたい方には11年間のメイド創作、『誰かの始まりは、他の誰かの始まり ヴィクトリア朝の暮らし短編集・総集編』をオススメします。
新刊告知〜『英国メイドがいた時代』

新刊『誰かの始まりは、他の誰かの始まり ヴィクトリア朝の暮らし短編集・総集編』(2011/12/16)
2012-01-14 伝えて伝わって伝わったものを受け止めて
■[同人]同人誌や『英国メイドの世界』への感想をご紹介
Twitter上とブログにて感想をいただいたので、ご紹介を。ありがとうございます!
13冊目『誰かの始まりは、他の誰かの始まり ヴィクトリア朝の暮らし短編集・総集編』SPQR発行の『ヴィクトリア朝の暮らしシリーズ』に収録されていた短編小説をまとめた本。ヴィクトリア朝時代を舞台に、架空の使用人達の日常が、室内楽の調べのように、反復しながらゆるやかに進んでいく。
2012-01-04 00:46:22 via web
13冊目シリーズの資料的部分は、商業出版された『英国メイドの世界』に収録されているのだが、小説部分はそれに未掲載で、これが初めての小説総集編。シリーズ時はぶつ切りだったが、改めて通しで読んでみると、どの登場人物の上にも時は流れていると感じた。
2012-01-04 00:52:56 via web
13冊目ボレロが同じリズムとメロディを繰り返しながらも、次々に楽器が変り、やがてフィナーレを迎えるように、名もなき使用人達とその主人達の話もここで一旦幕を閉じる。決して劇的な展開のある小説ではない。だが、静かに移りゆく営み、時代の空気。そういう物を感じたい人にはお勧め。
2012-01-04 01:01:33 via web
13冊目なお、同サークルの資料的な本の最新刊は、『英国メイドがいた時代』で、最盛期を過ぎてあまりスポットの当たらない、使用人制度が、そして英国が衰退していく時期を取り扱っている。直接資料的な物が読みたいならこちら。発行サークル『SPQR』
2012-01-04 01:09:51 via web
自称戦場(コミケ)特派員レポートより抜粋 同人サークルSPQRさんの本が個人的にお薦めである。2007年冬コミケで「MAID HACKS」を読んだ時、今までサブカルチャーとしてのメイドだけにしか興味がなかったがこの本により実在メイドについて興味を持つようになった。(続く)
2012-01-05 12:31:28 via web
その後も戦場に行ける時は本を購入する。それで個人的な好みとして短編集もすきであるがそれ以上にエピソード集や考察のほうが好きである。特にエピソード集や考察については実在のメイドについての当時の環境に言及されており、それを知ることで庶民の観点からの歴史を考察するきっかけになった 続く
2012-01-05 12:53:41 via web
SPQRさんの本のおかげでメイドの知識、歴史を多角的にみるきっかけを得たことが自分にとって大きいと思う。自分の場合メイド、執事の知識は今でも足りないことが多いがそれ以上に新たな視点を発見するきっかけや知識欲を満たすことが出来る。コミケ81の新刊も拝読しました。
2012-01-05 13:06:54 via web
久我真樹:英国メイドがいた時代(ただの日記。それ以上でもないしそれ以下です。様)
SPQR: MAID HACKS(同上)
今後の同人活動の励みになりましたし、どのように伝わったかを今後に取り入れていく所存です。ありがとうございました!
さらに、『英国メイドの世界』についても、「まなめはうす」のまなめさんのご感想をいただけました。SE経験がある立場の私が書いた本が、結構、同業者だった友人たちに響いたこともあって、まなめさんにも楽しんでいただけるかな、いつか届くかなと思っていましたが、Twitter経由で見つけていただけました。
http://homepage1.nifty.com/maname/log/201201.html#080551
こういうのもウェブらしくて、面白いですね。
関連リンク
新刊『誰かの始まりは、他の誰かの始まり ヴィクトリア朝の暮らし短編集・総集編』
[参考資料]英国メイドの世界(著者による紹介)(第一章をPDFで試し読みできます)
2012-01-08 情報量の過多は現代病ではなかったのですね
■[参考資料][ヴィクトリア朝]『ヴィクトリア朝時代のインターネット』感想
- 作者: トム・スタンデージ,服部桂
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2011/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 35回
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インターネットとヴィクトリア朝?
『ヴィクトリア朝時代のインターネット』は1999年頃に執筆された本で、2011年12月に日本での翻訳版が刊行されました。著者の方は歴史研究家というより、テクノロジ系のジャーナリストで、そうであるが故に歴史資料本とは異なり、読者層を非常に広く設定し、またこの時代に興味が無い人であっても「現代のインターネットとの比較」を自然に行える点で、非常に同時代性を持つ書籍に思えます。
『ヴィクトリア朝時代のインターネット』はまず電信成立の歴史的経緯から、それがどのように社会インフラとして普及していき、どのように使われたか、誰によって運用されたか、そして電信の登場による社会的な影響、衰退の歴史までを扱います。これが各章がしっかりと結びついているというのか、とても分かりやすいです。
ヴィクトリア朝はそもそも、現代に通じる基礎的な部分が多いので、伝え方次第でもっと盛り上がりそうな気がしています。貧困と社会福祉、家族論、労働環境、自由主義、消費社会、メディア論、鉄道、株式会社、郵便制度、公務員制度、社会インフラなどなど、テーマは非常に膨大で、同時代的です。
これまで私が摂取する範囲の情報は「歴史」や「生活史」が多く、また日常生活にあっても今回取り扱う「電信」をネタにした本にも出会ってきませんでした。しかし、技術史を軸に見れば当然研究されている領域で、目次を見ると内容が見えてきます。鉄道や軍事関係の人は詳しそうですね。
第1章 すべてのネットワークの母
第2章 奇妙に荒れ狂う火
第3章 電気に懐疑的な人々
第4章 電気のスリル
第5章 世界をつなぐ
第6章 蒸気仕掛けのメッセージ
第7章 コード、ハッカー、いかさま
第8章 回線を通した愛
第9章 グローバル・ビレッジの戦争と平和
第10章 インフォメーション・オーバーロード
第11章 衰退と転落
第12章 電信の遺産
技術の確立からインフラ整備と問題への対応
今でこそインターネットが当たり前になって、テキスト情報や音声情報もある程度自由にやりとりできますが、100年以上前にそれに酷似した環境は作られていました。技術が確立するまでのモールスや彼の先達や同時代人たちによる苦闘を経て、国境を越えて繋がれた電信ケーブルは、海にも敷設されました。特に大西洋横断海底ケーブルのエピソードは、シュテファン・ツヴァイクが『人類の星の時間』で書いた話もあるので、興味のある方はそちらも是非。
興味深かったのは情報量の増大によってインフラが圧迫されたことで、回線利用状況の分析が行われて、多大な量を占めていた利用方法については「物理的なテキスト情報のやり取り」を行った点です。たまたまこの本を読む数日前に気になったtweetに以下のようなものがありました。
『蝋人形館の殺人』にある人物がバンコランに気送管速達で手紙を送る、というくだりがある。1930年代のパリでは、まだ気送管(管に入れた手紙を空気圧で送る郵便システム)が使われていたのか。・・・と思ったら、なんと1984年まで稼働していたらしい(『パリ地下都市の歴史』東洋書林)。
2012-01-04 10:16:37 via web
これが英国でも代替手段として用いられました。この「情報量の増大→インフラの圧迫」は、「インターネット」への関心が高い人に向けて書かれているので、現代人にも理解しやすいでしょう。当時のtraffic集中による「輻輳」の発生、原因への対応・解消策の流れが見えます。
また、利用者が発する情報量で課金される制度や通信環境のセキュリティへの不安があることから略文字による情報量削減や暗号化による難読化も行われました。こうした環境を支えて電信のやり取りを行ったのが、電信オペレータです。電信局同士を繋いだ大きな会議や、オペレーター同士で電信を通じて雑談をしたり、電信の癖で相手が誰かを分かりあっていたり、19世紀のオンラインを通じた恋愛エピソードも紹介されています。
このオペレーターと言う職種がまた面白そうで、実力主義で転職も繰り返せたとの話や、エジソンもこの職種にあって能力を発揮したとのことです。19世紀に国境を隔てた相手とリアルタイム的に取れるコミュニケーションは輝いている。今、それが当たり前の環境にあるのだけど、あらためて感じ入る次第です。
技術の普及に伴う社会的な影響の可視化
著者が歴史家ではなくテクノロジ寄りのジャーナリスト的な立場にあることもあって、影響範囲は通信インフラだけではなく、その通信でもたらされた社会的変化にも広がります。通信環境が出来上がると政治、軍事、経済や報道、交通機関にも影響を与えましたし、初期のhackerが登場して犯罪にも使われました。
通信社(AP通信、ロイター通信)誕生や、軍事利用で前線と後方を結びつけたクリミア戦争(後方から前線に対して指示が送られるタイムラグの減少、戦争報道によってナイチンゲールがアクションしていくなど)、さらには情報が即座に伝わることで変質する外交の話(悠長に構えていられなくなる)と、広がりが面白いです。軍事に詳しい方には周知の話かもしれないけれど、自分レベルではちょうどいいです。
そして現代人に特に響くのは『第10章 インフォメーション・オーバーロード』でしょうか。情報が絶え間なく流入することで判断材料が増加したり決断する速度が上昇したりすることで、さながらモバイル環境の発展で仕事が家庭に持ち込まれるように、グローバリゼーションで24時間対応の仕事が生じるように。
『いまでは世界の主要市場の報告が毎日届き、そして顧客も常に電報からの情報にさらされている。承認は毎年何本かの大きな船積みをこなすのではなく、いつも行動していなくてはならず、常に仕事を何倍もしなくてはならない。
(中略)
商人は忙しさや興奮に満ちたその日の仕事を終え、家族と遅い夕食を取りながら仕事の話を忘れようとする。すると急にロンドンからの電報で中断され、多分それはサンフランシスコで2万バレルの小麦粉を買えと言うような指令で、商人はかわいそうなことに大急ぎでカリフォルニアに注文のメッセージを送るため、さっさと夕食を済ますのだ。いまの商人は常に暇なしで、急行列車など遅くて仕事には使えず、かわいそうなことに家族の生活を保障するために、電信を使うしかないのだ』
『ヴィクトリア朝時代のインターネット』P.168-169より引用
このテキストは、そのまま現代にも通じます。運用を見ていた時は深夜にトラブル対応をしたり、旅先でもノートPCで仕事をしたり、休日でも呼び出されたりした頃を思い出します。休暇明けの絶望的なメールの件数にも……
過去の延長線上の未来にある「現代」
こうしたトレンドを書きつつ、電信の情報量増大に伴って回線を有効利用する技術が発展し、そのプロセスで「電話」が登場したり、自動的な入力機器による技術革新が生じたりして、電信オペレータの職業は特異なものではなくなり、電信技術そのものも電話に道を譲りましたが、その遺産がまさにインターネットに引き継がれていて、この繋がりの可視化には、感動を覚えます。
私事ですが、私は個人的にヴィクトリア朝を軸としてメイドや執事といった家事使用人の歴史を学びつつ、本業はデータベースSEやネットメディア企業での社内SEやウェブ解析をやってきた、ネット業界の人間です。その意味で、この2つの領域が交わるこの本は、私にとっては「嬉しい」一冊でした。
自分たちにとっての「当たり前」が決して過去の時代の当り前ではないことは歴史を学べば分かることですが、同時に、過去の時代の上に現代がある点では決して過去とも無縁ではなく、一見、無関係に見える「ヴィクトリア朝時代」と「インターネット」を結び付けて伝える本書は、ウェブを学ぶ人にも、ヴィクトリア朝を学ぶ人にも適した良書です。
温故知新と言うことで、今年オススメの一冊です。
ちなみに、私のメイド研究も『ウェブで学ぶ』から思うことに記したように、ネットの時代でなければ実現できなかったことが多々あります。研究を取り巻く環境も激変しています。その上で、ウェブを仕事にしている立場としては、「いつ、自分の技術が陳腐化し、不必要になるか」ということも考えさせられます。ある時代の最先端にあった電信オペレータが壊滅したように、今の自分も他山の石としなければなりません。それは、今行っている歴史研究の領域も同様です。
生活史の観点で、同じ著者による『世界を変えた6つの飲み物 - ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史』も面白そうなので、読もうと思います。
世界を変えた6つの飲み物 - ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史
- 作者: トム・スタンデージ
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
- クリック: 40回
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2012-01-05 和書における「メイド」関連資料本の変遷・暫定版
■[参考資料][英国メイドの世界]日本の英国メイド関連本の刊行30年史
英国メイド(家事使用人を含む)関連書籍の歴史の整理の一環です。まずはメイド関連の知識が掲載されている資料本の変遷を暫定的に公開します。語感がいいので30年史にしていますが、厳密ではありません。私が把握する限りなので、すべてではありません。
1980〜1990年代:「貴族の屋敷」と「生活史」の範疇
『路地裏の大英帝国』(1982年)
『英国生活物語』(1983年)
『英国のカントリー・ハウス』(1989年)
『生活の世界歴史10 産業革命と民衆』(1992年)
『英国貴族の館』(asin:4062050900)(1992年)
『台所の文化史』(1993年)
『イギリスのある女中の生涯』(1994年)
『19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう』(1997年)
『英国貴族の邸宅』(1997年)
『英国ヴィクトリア朝のキッチン』(1998年)
『英国カントリーハウス物語』(1998年)
『図説 英国貴族の城館』(1999年)
『十九世紀イギリスの日常生活 』(1999年)
2000年代(ゼロ年代):「メイド」ジャンルの独立へ
『階級にとりつかれた人びと』(2001年)
『ヴィクトリア時代の女性たち』(asin:4423493381)(2002年)
『図説 イギリス手づくりの生活誌』(2003年:改訂)
『エマ ヴィクトリアンガイド』(2003年)
『ヴィクトリアン・サーヴァント』(2005年)
『不機嫌なメアリー・ポピンズ』(2005年)
『召使いの大英帝国』(asin:4896919351)(2005年)
『エマ アニメーションガイド(1)』(asin:4757724462)(2005年)
『エマ アニメーションガイド(2)』(asin:4757725973)(2006年)
『エマ アニメーションガイド(3)』(asin:4757727887)(2006年)
『図解メイド』(asin:4775304798)(2006年)
『図説 英国貴族の城館』(2008年:改訂)
『図説 英国貴族の暮らし』(2009年)
『従僕ウィリアム・テイラーの日記―一八三七年』(2009年)
『英国メイドの世界』(2010年)
2010年代:英国メイドの確立へ?
『図説 英国メイドの日常』(asin:430976164X)(2011年)
『執事とメイドの裏表』(asin:4560081794)(2011年)
『英国メイド マーガレットの回想』(asin:4309205828)(2011年)
概論
1980〜1990年代は「英国貴族の屋敷」と「庶民の生活史の中でのメイド」(日常生活ガイドブックや料理の中の1カテゴリ)、他に女性史での言及もあります。ただ、単独ジャンルとして成立していないのが特徴です。この「空白」と言える時期に「メイド資料本」を作っていたのが、同人ジャンルです。
2000年代に入ると如実にメイドブームの影響を受け(世の中の関心を満たすという意味において)メイド関連書籍が増加していきます。特に2005年ですね。しかし、少なくとも、2005年に刊行される『ヴィクトリアン・サーヴァント』『召使いの大英帝国』以前に「メイドだけ」を扱った資料的な和書は存在していません。一冊を除いて。
それが、『イギリスのある女中の生涯』(1994年)です。
なぜ1994年にこの本が出せたのでしょうか? 翻訳されたジャーナリストの徳岡孝夫さんが著名だったからでしょうか? 氏が知人から紹介されたこの本を出版に向かわせたとあとがきにあります。同書の出版社の草思社は、マークス寿子さんの本を出していたので読者のイギリスへの関心も開拓されていたからかもしれません。
私の手元にある同書は1994年時点で第三刷です。4月末にでて6月末でこの刷数というのも、「売れていた」という事実を示すもので興味深いです。
「世の中のトレンド」を複合的に見ると、2000年代半ば以降が「メイドブーム」の影響であるように、1990年代やそれ以前には別のブームがあったと考えるのが妥当かもしれません。少なくとも、1997〜1999年あたりには屋敷本・日常生活本の刊行が相次いでいます。
尚、ディケンズの孫娘のモニカ・ディケンズの家事使用人体験記『なんとかしなくちゃ』(asin:4794915462)は1979年に出ていますが、「体験記」なので個人的にはあまり取り上げていない本です。
メイドブーム関連テキスト
イメージの中のメイド/メイドが「いて」「いない」現代日本の風景
[特集]第1期メイドブーム「日本のメイドさん」確立へ(1990年代)
[特集]第2期メイドブーム〜制服ブームから派生したメイド服リアル化・「コスプレ」喫茶成立まで(1990年代)
