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2005-05-28 イギリス旅行記です、きっと

[]外伝 Let's go to London with the 'Gentleman'

日本を発ってロンドンに向かう途上、ひとりの紳士と出会いました。


「故郷へ、久しぶりに帰る途中なんだ」

口髭の似合う彼は、こう語りました。


初めてイギリスに行くことを告げると、彼はしばし目を閉じました。


「……テームズ河の対岸から眺める国会議事堂は素晴らしい。君たちさえよければ、私が案内しよう」


穏やかな笑みを浮かべ、彼は同行を申し出てくれました。これは、異邦の地に降り立つ僕らに、心強い言葉でした。



彼が案内してくれたテームズ河の岸、旧ロンドン市庁舎の前に立ち、ウェストミンスター・ブリッジ越しに、ヴィクトリア朝の建築家「アウグスタス・ウェルビー・ノーモア・ピュージン」と、「チャールズ・バリー」が建てた、ゴシック様式に包まれた国会議事堂の美しさは、息をするのも忘れるほどに美しく、ただ静かな感動が体の奥底から、湧き上がりました。


「ここで私は生まれ変わったんだ」


護岸のコンクリートの上に軽やかに立ち、テームズ河の上を通り過ぎる、柔らかで少しひんやりとした風を浴びながら、彼は感慨深げに、微笑みました。


彼が今、何を見て、何を感じ、僕らに何を伝えようとしているのか、わからないけれど、ロンドンの灰色の空を背負うような彼の背に、生きてきたその歴史を、感じるのです。



これが、彼を写した一枚です。













穏やかな水面。

ささやかな太陽の光。

静かに通り抜けていく、午後の風。

そして、ネプチューンマン様。


そんな、ロンドンの思い出。




[]番外編、或いは本編

イギリスといえば?

我々の年代にとって、イギリスといえば「ロビンマスク」です。ロンドンの観光名所「タワーブリッジ」を必殺技にする、イギリスきっての超人です。


ところが、イギリスに行くと決まった時、友人二人は口を揃え、こう言うのです。


「イギリスといえば、ネプチューンマン


ネプチューンマンがケンカマンだった頃、絶望して、テームズ河(原文ママ)に飛び込んだこと、川底でビッグ・ザ・武道に出会い、そこでネプチューンマンになったこと……久我は言われるまで、すっかり忘れていました。


そんなある日、友人がヤフオクでネプチューンマンのフィギュアを見つけました。


「6000円か、高いよね」

「そういえばそんなフィギュアがどこかで売っていたっけ……」


運よく、ヨドバシカメラにいたネプチューンマンのフィギュアを入手。店にはビッグ・ザ・武道もいたのですが、サイズも値段も本当にビッグだったので、止む無くあきらめました。


そして、我々はネプチューンマンと共に祖国イギリスに渡りました。


麗しのテームズ河

ちょうどその日の午前中は市内観光のオプショナルツアーを利用していました。ロンドンの名所をあちこち見学できるコースで、テームズ河に行く準備は整っていました。観光バスを下り、テームズ河をはさんで、対岸の国会議事堂を見ることに。


タワーブリッジの上で撮影する話もありましたが、さすがにそれはやりすぎだろうと(英国に持ち込んだ時点で既にやりすぎですが)思いとどまりましたが、最も美しく撮影できた国会議事堂の写真が、これだけというのが泣けます。しかも、よく見ると、ウェストミンスター大聖堂の二本の尖塔まで綺麗に写っているではないですか。


しかし、悲しい話が、この後に続くのです。


悲しみのバッキンガム宮殿

撮影を終えた満足感に浸りながら、その後、バッキンガム宮殿へ向かいました。ちょうど時期がよかったので、宮殿内部が公開されていました。


チケットを買い、いよいよ宮殿内部へ、と思ったその時。


エックス線で手荷物をスキャンされた久我を、受付係の妙齢の美しいイギリス女性(金髪・青い目・『ハリー・ポッター』に似た制服着用)が、呼び止めました。


荷物の中身を確認したい、というのです。


特に見られて困る荷物なんて入っていない、と思ったものの、即座にカバンの中身に気づき、動揺します。


見て欲しくはない、見ないでくれ、……しかし、その願いは当たり前ですが、空しく潰えました。


若いお姉さんはカバンの中を丁寧に調べ、布袋の中に入っていたネプチューンマン様を見つました。その手は止まり、久我の顔を見てから、しばしうつむいて。


ぷっ。


笑っていました。


もはや、どうにもなりません。


荷物検査は念の為、もう一度、行われました。お姉さんはもう一度、控えめに袋の中身を見て、かすかに微笑み、鞄を返してくれました。


イギリスで見た、最高の笑顔でした。


悪夢再び?

それから別の日に、アスコット競馬場へ行きました。


友人は「もう一度、ネプチューンマン様を連れて行こう!」と言っていましたが、結局、ホテルに残留させました。その日、アスコット競馬場の入り口では、宮殿にいたお姉さんとは正反対の、屈強な警察官が荷物検査をしていました。今思い出しても、あのときの決断は正しかったと、思うのです……


こんな感じで、友人もこっそりコミックス『シャーリー』をイギリスに持ち込んだり、裏では楽しんでいました。


キン肉マン』を知らない方には、ごめんなさい。

ということで、旅行記は通常版に戻ります。