ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

他の何物でもない資料本へ

今回は、今まで制作した同人誌の中で、最もレベルが高いものを作れる確信を持てました。



隠し球となる資料が、無事に届いたからです。メイド界の最終兵器、とは言いすぎですが、1970年代にメイドが記した手記が2冊。彼女と、その同僚たちのエピソード集です。



以前紹介したマーガレット・パウエルも、ハナ・カルウィックもカントリーハウスのメイドであり続けてはいませんが、今回の資料は、ヴィクトリア朝に生まれたランドリーメイドを母に持ち、侍女になるべくしてなった女性が書いています。Frederic Gorstが最高峰の貴族に仕えたならば、彼女は裕福な貴族たちに仕えた「メイド」です。



この資料が、どうしても欲しかったのです。



そして、彼女の職場には最高の執事がいます。彼の名を知らぬものがいない、という点で、『日の名残』のスティーブンスが取り上げていた「理想的な執事」のモデルかもしれません。(と勝手に想像)



今時点で、日本で最も詳しい「ヴィクトリア朝メイド(もう少し後の時代も含みますので、正確に言えば英国クラシック・メイド)の恋愛と結婚」や、「主人と使用人の絆」に関する、資料本をお届けできそうです。



英国のクラシック・メイドの教科書となりえるだけの素材を揃えられたので、これで失敗したら、腕が悪かったということでしょう。



男性使用人編は、入手可能な資料の差を、どうしても補いきれず、濃淡がはっきりしそうですが……別件で面白い角度の資料を幾つか見極めたので、こちらも時間の許す限り、磨きます。



仕事の都合で男性使用人編が縮小される可能性が無くも無いですが、万難を排して、今回だけは同人を優先させます。



ここまで濃い密度は、これが最後です。



ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさんの資料本を作るのを決意してから、6年目。8回目となるコミケにて、集大成となる本を、同人というジャンルの魂を、見せます。



過去に一度でも手に取られた方、メイド喫茶やコスプレでもなんでも、メイドに興味のある方は、是非、お越しください。分厚い同人誌を用意して、お待ちしています。


期間限定〜友人が作ってくれた応援画像

いろんなものが、0.05GBぐらいは詰まっているかと。

よく電池切れします。