執事やメイドの映画や情報に枯渇していた頃の人間には、懐かしくも原点といえる映画です。
映画天国 「日の名残り」(日本テレビ:25:59〜28:00)
地上波は久しぶりでしょうか? 記憶にありません。『エマ』に登場する執事スティーブンスの名前の由来、ともいえますし、海外で執事というと、スティーブンスかJeevesか、といえるぐらいの双璧の片方でしょう。
ハウスキーパー役に光を当てた点でも、稀有な作品ですが、ここで描かれている執事はあくまでも「要素の一部」でもあります。この分析はこちらが参考になります。
不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」 (平凡社新書)
- 作者: 新井潤美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/05/01
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(こっちASIN:9784121015891もしれませんが)
で、ものすごい驚いたのが、この筆者である新井先生が、ある出版社のページにて、「執事喫茶訪問」のことを書いているのです。階級に詳しく、英国生活も長い専門の方の視点も興味深いのでご紹介です。
新井潤美「“自分だけ”の存在 執事の魅力」 2008.11.25
『日の名残り』は、DVD版もしばらく絶版でしたが、今は数年ぶりに安いのが再販されましたね。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2009/02/25
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個人的には映画→小説、の順番が良いと思いますが、いずれにせよ「片方だけ」しか知らないのはもったいないので、どちらにも接することを強くオススメします。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/05/01
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久我は過去にスティーブンスと、自分が知った実在の執事の比較を行いました。
『日の名残』、或いは「上級使用人・執事」補遺(2007/02/11)
これをベースにしたテキストは完成し、同人誌『英国メイドの世界』の執事解説にて考察を終わらせていますが、映画を見た後にお読みいただければと思います。
なんにせよ、未視聴の方は是非お楽しみ下さい。