ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

コミティア96申込済+新刊は夏の予告冊子を予定

いろいろと思うことがありつつ、自分が出来ることを始める中、このブログでは今まで通りの情報を書いていきます。



告知を忘れていましたが、コミティア96のサークル参加申し込みは完了しています。新刊は夏コミで予定している『英国メイドの世界』の続きといえる、20世紀を通した「英国メイドのいた時代の終わり」(私の中の言葉で言えば「完結編」)の概要と冒頭部分から成る「予告編」を冊子にして配布するつもりです。



本来、この「完結編」は『英国メイドの世界』の原稿として書いていましたが、テキスト分量の問題と、予定時間内に私が本書全体のトーンに沿った形でまとめきれなかったため、お蔵入りしたテキストです。現在、書き直しを行いつつ、順調に原稿を仕上げています。



現状、19世紀末から1970年代までの英国メイド事情を巡る原稿はかなり固まっていますが、1980年以降の事情は補強する資料を読解しつつ、整理中です。久しぶりにかなり固い学術資料に遭遇して読み解くのに苦労していますが、これを踏破できれば、21世紀にまで繋がるメイド事情を描けるのではないかと思います。



テーマは「メイド雇用の衰退」「貴族の衰退」、「メイドオブオールワークの構造的問題」、それに「現代の英国メイド事情」です。現代英国事情をまとめ上げた上で時間が許せば、昨年夏に冊子として作成した『英国メイドにまつわる7つの話』を含めた、グローバリゼーションを踏まえた経済発展の帰結としての「海外でのメイド雇用」事情も書くつもりです。



正直なところ、主役は「メイドオブオールワーク」となり、人目を引きにくい・華やかではないテーマに相当踏み込みます。何度か言及していますが、「英国メイドを追いかけていたら、現代に繋がってしまった」という驚きを、うまくお伝えして共有できればと思います。