その一方で、英国では昨年末に放映された『ダウントン・アビー』の最終シーズン6の完結編になる『Downton Abbey: The Finale』が、DVDで発売されました。今日、UKから届いたので視聴しました。
http://www.amazon.co.uk/Downton-Abbey-The-Finale-DVD/dp/B018K7M0TI
このドラマを知ってから丸々5年が経過したのですが、『ダウントン・アビー』を超える映像美と世界観の作品はいまだあらわれず、2010年12月に記した『Downton Abbey』(ダウントン・アビー)は「屋敷と使用人」の史上最高レベルの映像作品との言葉は、そのまま今も通じていると思います。
前述したように、特にシーズン3〜4の展開は必ずしも私が好きなストーリー展開ではありませんでしたが、シーズンを賑わせてきたメインキャラクターたちが様々な毀誉褒貶を経ながらも、最終的には自分たちの居場所や幸せを見つけていくエンディングには、素直に感動しました。癖が強く、魅力的なキャラクターが多かったです。
物語は1920年代で終了しますので、この後、屋敷の存続に関わる相続税の問題や、今後の第二次世界大戦で接収されることも描かれることはありませんでしたが、1912年のタイタニックの沈没から始まッタ物語が、1925年に終了することは、メインキャラクターの年齢を考えると、妥当かと思います。
この作品が入口となって、英国屋敷やメイドの世界に興味を持つ方が増えることを願って。
以下、屋敷の崩壊について触れたtwitterでのつぶやきです。
『ダウントンアビー』最終シリーズ6の視聴を開始。第一次世界大戦後、使用人の賃金上昇、就業機会の拡大などで衰退していく屋敷が描かれている。ユニークなエピソードは、転職したい使用人が面接に赴いた先で出会う、荒廃した屋敷の内情。ボロボロの屋敷が生まれ始めた時代ですね。
今の『ダウントンアビー』の舞台となる1925年では13の屋敷が壊され、続く1926年に17箇所、1927年に14箇所、1928年に11の屋敷が、何かしらの理由で放棄されました。1924年に比べると1925年の喪失数は倍以上で、屋敷が失われゆく時代設定としては適切なのかと。
こうした屋敷の崩壊というような風景を、イギリスでは訪問したことはないのですが、たまたま9月に訪問したローマでみました。バルベリーニ宮殿という美術館になった館は、表はまだ見られるのですが、裏手はメンテナンスされていませんでした。 URL
バルベリーニ宮殿の内部も修復中で閉鎖されている箇所がありましたが、修復というレベルでは済まないのではないかとも。階段は美しかったですが、庭園などいろいろなところで、輝きを失っているというのか。 URL
ローマで訪れた幾つかの美術館は、宮殿をベースにしているので、屋敷マニア的には素晴らしい場所が多かったです。ほとんどの場合、インテリアまで含めて美しい場所ばかりでしたが、衰退を感じさせ、修復もできず、壊すこともできないバルベリーニ宮殿は、強く記憶に残りました。