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 『ダウントン・アビー』を見る前に読んでおきたいカントリーハウスと職場の解説

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2017-12-25 1930年代メイド・ウェイトレス制服図鑑?

[][]冬コミ新刊『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 上巻


26冊目の本です。冬コミ(コミケ93)の新刊はNHKで放送された、デビッド・スーシェ主演のドラマ『名探偵ポワロ』の同人誌になります。内容はドラマ全70話から、各話に登場する働く人たちとして、「家事使用人」(メイド、執事、庭師など)をリスト化して、個々の立ち位置や着用する制服を、イラストを交えて紹介する本です。


紹介数は「153人」以上です。


今回は「上巻」として35話分までを扱います。本来は第35話「夢」が最後の話数となりますが、代わりに第65話「オリエント急行の殺人」を盛り込みました。また、思ったよりも大きなボリュームゾーンとして、近接する領域の「喫茶店・レストラン」、「ホテル」の制服を着たスタッフも紹介しています。登場機会が多すぎたためです。


単一の作品を扱う同人誌は、サークルSPQRとしての同人活動では初めてです。


タイトル:『『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド〜執事・メイドから、ホテルスタッフ、ウェイトレスまで〜上巻』

著作:久我真樹、装画/デザイン:梅野隆児(umegrafix)様

仕様:A5サイズ、132ページ

内容:解説+イラスト

サークル:SPQRコミックマーケット3日目東6ホールト16bで頒布開始

価格:1000円

Webコミケカタログ:https://webcatalog.circle.ms/Circle/11919725

委託:COMIC ZIN


ポワロの時代は1930年代のため、メイド服は日本で見慣れている「クラシックなメイド服」ではありません。そのイメージを物語る動画があるので、ご紹介しておきます。


Ideal Home Exhibition (1920-1929)



同人誌の概要を示すために、以下、同人誌本文から「はじめに」など冒頭部分を、抜粋します。

【はじめに】

 本書は2017年の冬コミの新刊です。


 日本のメイドブームを解説する『日本のメイドカルチャー史』(星海社、2017年)を刊行してから、次に作る本として選んだのはドラマ『名探偵ポワロ』(ITV、1989-2013年)です。私がメイドという職業に強い関心を持つに至ったドラマで、主演デビッド・スーシェ(吹き替えは熊倉一雄氏)は24年の長期間、ポワロを演じ続けました。私の中の「ポワロ」イメージは、デビッド・スーシェのイメージで固定しています。


 私が初めてNHKでこのドラマを見たのは、初放送となる1990年、中学生の頃でした。殺人事件を扱うミステリというジャンルに興味を持ったのも、この作品がきっかけとなりました。高校に進むと、図書館にあった早川書房のアガサ・クリスティー作品を読みふけりました。


 そんな私が、ドラマで見た英国の屋敷と家事使用人の研究を行うことになったものの、実際に『名探偵ポワロ』にどれほどの使用人がいたのかを、正確に記憶していませんでした。そこで、数年前に家事使用人のリストを作ろうと思いました。


 この発想は「先行研究」の影響を受けています。同人におけるメイド研究の先駆者、サークル「制服学部メイドさん学科」の同人誌にはNHKで放映した、ジェレミー・ブレット主演のドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』(グラナダテレビジョン、1984-1994年)のメイド登場リスト「グラナダメイドに関する小報告」(めりあだす氏)が掲載されていたからです。この報告は、作品タイトルごとに、「エプロン」「髪飾り」「関与」「備考」として出現するメイドを細かく記載した密度の濃いものでした。


 私がそのリストを初めて見たのは2002年で、「『名探偵ポワロ』でも作りたい」と思ったものの、ドラマが完結したのは2013年となり、だいぶ待つこととなりました。


 とはいえ、全70話の壁は分厚く、どうしようかと思っていた時に、服飾を大学で専攻されていた樹さん(@chez_toi)と知り合い、手伝っていただくことで情報を抽出できました。


■本書の内容:解説+イラスト

 本作品は、「数多くの家事使用人を徹底的に解説しよう」との意気込みで始まっています。しかし、これだけ数多くの人物が登場していながら、「背景としての登場=セリフがわずか」であるため、深い解説をできる登場人物が限られました。その結果、基本的には各話に登場する制服描写がメインになりました。


 この「描写」を分かりやすくするため、本書の表紙デザインとレイアウト、編集を担当してくださる梅さん(@umegrafix)のご協力で、作品に登場する制服を着た人々のイラストを掲載することと相成りました。これにより、ドラマに登場する1930年代の「メイド服」や職業服を、把握する「図鑑」のような本となっています。


■対象となる「働く人たち」

 本書では家事使用人と、彼らと同様に制服を着た人々が働く近接領域のホテルスタッフやレストラン・喫茶店の従業員を話数ごとに取り上げ、その在り方や制服の解説を行います。


 「制服を着て働く人」は、警察官や鉄道職員などにも広げられます。しかし、今回は家事使用人が私の関心領域であるため、近しいサービスを提供する職場で働く職種に限定しました。


 具体的には、家事使用人が働く「屋敷」と類似するサービスを提供する職場は「ホテル」とみなしました。屋敷で人をもてなす紅茶の時間やディナーの給仕を提供する職場としては、「喫茶店・カフェ」や「レストラン」「パブ」「バー」などを対象としました。


 加えて、メイド服とウェイトレスの制服との区別は難しく、ホテルスタッフの制服も家事使用人を想起されるものを含むため、デザイン的な親和性も加味しています。


 なお、仕える形を想起させる「秘書」と、育児を担う「ナース(乳母)」や「ナースメイド」と遠くない「看護婦」の制服も対象としました。


■「働く人リスト」の情報

 基本的には各話で区切り、登場する「腹たく人」を職種、キャラクター名、備考(主に外見年齢)から、登場順で紹介します。名称がない場合は名称を省きました。これに物語上の立場を加え、制服の構成要素を詳述しました。


 外見年齢の識別は難しいため、印象で判断しています。


■対象とする話数と作品

 時間的制約のため、今回は上巻のみを刊行します。この上巻では全70話中の半分となる35話分の解説を行います。対象は、ドラマ版の英国での放送順を参考に第1話「コックを捜せ」から第34話「エジプト墳墓のなぞ」までに加えて、本来は後半で扱う第65話「オリエント急行の殺人」をピックアップしました。


 世界的名作「オリエント急行の殺人」を加えたのは、理由があります。


 第一に本書を作ろうと思ったのは「オリエント急行の殺人」がきっかけだったからです。同作品は家事使用人が大勢出てきます。しかし、彼らが家事使用人だと語ることは作品のネタバレとなるために、今までネットでの発表の機会を持ちませんでした。同人誌ならば許されるだろうと、この機会にしっかりと言葉にしたいと考えました。


 第二に、冬コミ直前の12月にはケネス・ブラナー監督・主演の映画『オリエント急行殺人事件』の公開もあり、比較をしたいと思いました。付け加えれば、2015年1月には三谷幸喜氏による『オリエント急行殺人事件』の地上波放送もありましたので、作品に接している方も多いことで、ネタバレ対象としました。


■留意事項

・原作小説との比較がある場合、早川書房のクリスティー文庫(2003年創刊)に準拠しています。また、文中の「初めて」は、原作小説ではなく、ドラマとして初めてを意味します。原作小説とドラマの発表順は、揃っていません。


・ドラマは「ポワロ」表記ですが、クリスティー文庫では「ポアロ」表記となっています。本テキストでは、クリスティー文庫のタイトル記載を表記する場合を除き、ドラマの「ポワロ」表記に準拠します。


・ドラマの映像確認はAmazonビデオの『名探偵ポワロ』第1〜4シーズン+第6シーズンを用いています。人物表記は字幕の表記を用いています。ドラマで人物名やホテル名など固有名詞が不明だった場合は、原作小説を確認して当てはめています。


・登場するキャラクターの全リストは印刷に適さないサイズのため、ネットで公開します。

2014-09-13 メイドには人生を変える力がある?

[]『シャーリー』2巻・11年ぶりの新刊発売と、そこから思う自分のメイド研究活動



『シャーリー』2巻が発売となりました。私は『シャーリー』2巻発売記念原画展 in シャッツキステに資料提供を行い、発売前から『シャーリー』2巻発売に関われるきっかけをいただいていたり、『シャーリー』という作品に派生して、英国メイドを巡る同人活動を思い出したりと、私にとっては「11年前の過去」と、「その11年後の未来である現在」を繋ぐものでもあり、なかなか作品だけでのコメントにはなりにくいと、いざ感想を書こうとして思う次第です。


11年前の思い出

ということで、先に11年前の思い出を書いたのが以下のテキストです。



『シャーリー』という作品の希有さ

だいたい書きたいことはTwitterかブログのライフワークという作品に接することが出来る幸せに書いてしまっているのですが、『シャーリー』は森薫さんの作品の中では異なる位置づけに思います。それは『エマ』乙嫁語り』というメインストリームとなる、「自身を高めて究極を描こうとする道」あるいは「読者と作家の対峙」を感じる作品に対して、「ただ好きなことを、自然体に好きに描く」ことが徹底して、それが世界観と作家性を素晴らしく反映しているように私には見えます。


そう言う意味では、この時代に、「英国メイド」を好きなだけ描ける立場にあること、そしてそれが商業として出せていることに、森薫さんがこれまで切り開いてきた在り方を思わずにいられません。


こうした雰囲気を同じく感じたのは、『エマ』本編完結後の外伝で、ディテールの彫り具合や視点の多様性、キャラクターの魅力をひたすら追求するスタンスは変わっていないように思いますし、11年を経て、過去の作品と比べて作家としての変わっているところ、変わらないところもあるのだと。


何よりも森薫さんの「今」を知ることが出来るのは、ここまで長い時間を経ても「単行本」として刊行した『シャーリー』なればこそでしょう。


2巻の感想

「読めば分かる!」の一言で。


私個人としては、『「あとがきちゃんちゃらマンガ」メイド漫画で今日も元気!!』での自家発電のあまりの高エネルギーっぷりに憧れ、「メイドを描かせておけばおおむね健康な森薫です!!」と言い切れる点に、「自分のここ数年の元気不足=メイドについてしっかり描いていない」からではと自覚させられる次第です。


というだけでは短いので、追記します。




英国メイド資料の現在 11年前からの飛躍的な進化

というところもありつつ、英国メイド資料について最後にふれておくと、もはや日本人が新しく「メイド」について書く必要がないところまで来ているというのが、私の偽らざる心情です。第一にほぼ網羅的な資料が出そろっていること、第二に、こちらの方が重要ですが、「英書の翻訳」が進んでいます。『ヴィクトリアン・サーヴァント』日本版が30年を経て翻訳された2005年と異なり、今や2010年代以降の研究書が翻訳されたりしています。


2010年代以降、『図説英国メイドの日常』『英国メイド マーガレットの回想』『図説英国執事』『図説メイドと執事の文化誌』『エドワーディアンズ』,そして9月に『図説英国貴族の令嬢』と精力的に刊行される村上リコさんの活躍を抜きに語れないとともに、『ダウントン・アビー』での盛り上がりを受けて、最近では『おだまり、ローズ』『使用人が見た英国の二〇世紀』なども翻訳されていることも大きな出来事です。


『おだまり、ローズ』は私が『英国メイドの世界』を書く上で最も参考にした本の一冊で、それが翻訳されて発売されることの大きさは、なかなか理解されがたいかもしれませんが、侍女という生き方について、そして大きな屋敷で働く家事使用人について、これほど素晴らしい資料はありません。


最近『おだまり、ローズ』を刊行した白水社様では書店フェアもしているようで、新井潤美先生による関連書籍紹介に『英国メイドの世界』も加えて頂けていたので、以下に。



最後に

『シャーリー』2巻発売は自分にとって得難い経験をくれています。それは、「森薫さんと、同じ場にいること」の実現です。2007年に『マナーハウス』日本語版が出たときは、副読本上で名前が同じ場に載りましたが、今回のシャッツキステとのイベントで、場を同じくすることが出来ました。








『シャーリー』2巻の感想になりませんでしたが、『シャーリー』1巻からの11年間という時間の長さと、11年後の2025年にも、このように振り返っていそうな気もしています。


何はともあれ、あの頃、メイドが好きだった人々がもう一度集まるきっかけになることを願いつつ、最高作品である『シャーリー』が、新しくメイドを好きになる人々にとって入り口となることを願って。


2014-09-01 『シャーリー』2巻発売記念原画展 in シャッツキステ

[]シャッツキステの『シャーリー』2巻発売記念・森薫先生原画展に資料展示協力

ということで、お声がけ頂き、『シャーリー』2巻発売記念・森薫先生原画展イベントに協力することと相成りました。










2014-05-17 ライフワークという作品に接することが出来る幸せ

[]森薫さんの『シャーリー』新作が『ハルタ』2014-MAYに掲載 メイドの神様が再降臨

asin: 4047296562:detail

ということで、早速購入してきました。感想はTwitterでのつぶやきからです。














2014-05-12 本放送は寝過ごして1時間経過から

[]『ダウントン・アビー』第一話放送の感想諸々とおすすめのコスチュームドラマ等

放送当日、寝過ごして、1時間経過後の視聴でした……

放送中



ベイツとトーマスの関係性(ヴァレットとフットマン)








放送前日



昔を懐かしむ