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2012-02-22

[]あの夏で待ってる 第7話「先輩の気持ち。」

樹下と有沢が起爆剤になって、今まで拮抗状態だったレギュラー陣に誘爆していくシークエンスは見応え充分だった。裸族カミングアウトを哲朗への告白とダブルミーニングにした美桜の件はかなり力業だったけど、今まで最後尾に置いていた彼女を先頭に踊り出させる手際が劇的で唸ってしまった。箱庭世界を上手く活かしているなあと感服。

好きな人に第三者をけしかけたり、本人でなく第三者に気持ちを確認したりと、一部レギュラー陣のズルさにイライラし始めていたところなので、一番内気に思えた海人と美桜が先行していく展開にカタルシスがあるな。繊細な演出と大胆な脚本のコントラストに溜息が出る。

全力疾走で有沢から逃げ続けた哲朗を先回りしていた美桜に笑ってしまった。『ガンダムAGE』のロマリーといい、ドン臭そうなヒロインの瞬間移動はトレンドなのだろうか。もちろん彼女らの想いの強さを示唆していると受け止めるべきなんだろうけど。

★★★★

[]夏目友人帳 肆 第七話「人と妖の間(はざま)」

貴志の重い過去は承知の上での所感。妖怪との繋がりを要たちに後生ひた隠しにしたところで、彼に本当の平穏が訪れるのかは疑問が残る。いみじくも名取さんが問うたように、貴志は強い妖力を持つ友人帳の所有者として、妖怪と人間の共存の道を模索しなければならないだろう。要を傷付けたくないという想いが、要を傷付けていることに気付いた時、貴志は妖怪と人間の架け橋としてレイコとも名取とも違う段階に進むことができる気がする。貴志の頑なさを名取と要が揺さぶった今回のエピソードに、膠着が続いていたシリーズのブレイクスルーを期待したいところだが。

★★★☆

[]男子高校生の日常 #7「男子高校生と一発芸/男子高校生と室内の冒険 /男子高校生と室内の冒険2/男子高校生と兄/男子高校生とありのままの自分/男子高校生と進路/男子高校生とミツオ君/男子高校生とミツオ君2/女子高生は異常 女子高生力」

メインの男子3人による「一発芸」「室内の冒険」「室内の冒険2」が面白かった。あっけらかんと笑えるという意味では、この3人の掛け合いによるおバカなノリが一番安定している。役者陣の芝居も濃くて良い。「ありのままの自分」はツッコミのヒデノリとボケの文学少女のどちらかが欠けても成立しない、まさにシチュエーション漫才のお手本のよう。「女子高生は異常」はよう分からんけど、とにかく勢いで笑わせてくれる。今回は凶暴さとエレガントさのバランスが絶妙な伊藤静先輩がツボだった。

暴力ヒロインは基本的に苦手なので、文学少女を除けば男子だけもしくは女子だけのパターンのほうが楽しめることが分かってきた。

★★★☆

[]ちはやふる 第20首「くもゐにまがふおきつしらなみ」

今回のエピソードに限らないけど、かるたの才能では他の部員たちをリードしていても、かるた部における地位は絶対ではない、という千早の描写にバランス感覚があって好ましい。いわゆる“主人公補正”に節度が感じられるのが良いのだな。

「やりたいことを思いっきりやるためには、やりたくないことも思いっきりやらなきゃいけないんだ。」

勉の千早への言葉は、彼が学校の成績でどうしても勝てなかった太一へのエールを踏まえたものだからこそ価値があるのだと思った。勉が太一の内面に触れてかるたに踏み込んだ7話を思い出してしまって熱くなってしまった。おそらくそんな機微千早には伝わらないのだろうが、視聴者的にはそれで良いのだ。

あと、駒野先生の教授を放っぽり出してまで新の勝負に駆けつけた千早と、同じ会場に居ながら新の勝負を直視できなかった太一の対象がすばらしく印象的だった。新を介して2人それぞれのひた向きさゆえの未熟さを表現した脚本が、厳しくも温かかった。

千早視点で、新のしなやかな所作を若宮詩暢に重ねていたけれど、私的には「戦う前からそんな恐い顔をしてるんか」という言葉は金井桜に重ねていたように感じられた。その一方で、太一の新に対するアンビバレントな感情は痛々しくも瑞々しくて、同じく太一に思うところがあるだろう勉に重なっていたのも良かったな。勉学から逃げないことを決心した千早と、正々堂々とA級昇格に挑むことを宣言した太一を、2人を温かく見守る女帝先生と原田先生で締めたラストまで安定感抜群。今まで出会ってきた人たちとの交流が余すところなく肥やしになってるなあ。無駄なカットが一つもないどころか、全てが有機的に影響し合っているのが手に取るように分かる。

山内重保絵コンテの味なのか、水底をモチーフにした新のファンタジックな演出がちょっと異色だった。

★★★★☆

2012-02-21

[]灼眼のシャナIII -FINAL- 第18話「闘争の渦」

バトルアクションはことごとくカタルシスに乏しいけれど、今回の御崎市における大命のシンフォニックな演出は、映像的に美しくて見応えがあった。視聴者の代弁者のごとき吉田の存在がいい意味で浮いていたのも、儀式を印象付けるため効果的だったように感じた。フレイムヘイズ側とバルマスケ側の対立軸に強靭さが希薄なので、第三者を置くことによって構図が捉え易くなったと言うべきか。

★★★

[]モーレツ宇宙海賊 SAILING 6「茉莉香、初仕事する」

無血とはいえ民間船に乗り込んで金品を強奪する初仕事の風景は、何の予備知識もなければ茶番にしか見えないわな。ただ、「私掠船免状」の設定(下記リンク)が史実に即しているとするならば、どうやらあの客船は敵国の所属ということらしいので納得できるか。

私掠船 - Wikipedia

オデット二世の実習エピソードに比べると、小難しい設定語りがない代わりに演出面でのハッタリが効いていて楽しめた。弁天丸の連中のほうがヴィジュアル的にも楽しいし。

★★★

2012-02-20

[]未来日記 第19話「全件削除」

一人だけ不明だった11thの素性が判明していよいよクライマックスといった感じ。神になることを決心した雪輝の変貌振りには開いた口が塞がらなかったけど、今まで何度も一進一退するところを見せられてきたから、俄かには信用できんのだわな。妙にハイテンションな由乃とのやり取りもそうだが、無理やり明るく振舞っているような印象だった。あと由乃の雪輝に対する態度も変わってきて、神になることを強いるモーションなんかは今までの彼女には見られなかったもので、同じく違和感を覚えた。まあ冷静沈着な彼女とすれば、雪輝を思い通りに動かして本懐を遂げたいというところだろうな。「3体目の死体」から自分の正体が暴かれそうになっていることに対する焦燥もあっただろうし。

由乃の狂気が牽引していた中盤までに比べるとかなりスローダウンしてしまった気がするが、或の追及にうろたえる今までに見せなかった彼女のリアクションから、いずれは通らなければならないステップと思い直して次回を待つことにする。

★★★

2012-02-19

[]BRAVE10 其之六「大山鳴動」

伊佐那海の義理の兄 三好清海登場。バトルに温泉と盛り沢山。

無銭飲食の傲慢不遜な坊主に呆れたのも束の間、だんだん彼が気の毒に感じられてしまうグラデーションに苦笑。才蔵の言うとおり十勇士って男女問わずまともな人間が居ない気がしてきた。強いて言えば筧さんくらいだが、また旅に出てしまったし。個人的には、マッチョが生理的にダメなアナスタシアの容赦ないリアクションが地味に酷かった。まあ好感度はさておいても、あざといくらいキャラクターが立っているので、どんなフェーズでも退屈することがないのは良いか。

★★★

[]日常(Eテレ版) 「日常の第七話」

はかせに風邪薬を呑ませようと悪戦苦闘(?)するなのと阪本さんのミッション、オリジナル版では全く記憶がないなと思って調べたら、BD/DVD特典OVAのエピソードだったとの由(下記リンク)。実は新規カットのオンエアをちょっと期待していたんだけど、これは嬉しいサプライズ。

【日常(NHK)】7話感想まとめ 0話キタ━(゚∀゚)━! : ノムケン!!その風邪薬のエピソード

その東雲家のエピソードはOVAらしいまったりとした空気だったけれど、ゆっこコーヒーショップでの苦悩(笑)が強烈過ぎて全て持っていってしまった感じ。最後をみおの注文で落とした構成も綺麗に決まっていた。ケーキ類も含めてコーヒーにまつわるエピソードで統一したような再編集が粋だったな。

[]アクエリオンEVOL 第7話「真夜中の少女」

カエルぬいぐるみ少女 ユノハ・スルール登場。中に人が入っているんじゃなく持っている人がステルスだったとは。

他の女子との仲を勘違いされて男子がとばっちりを受けるラブコメお決まりのパターンは個人的に苦手なんだけど、本シリーズはミコノの誤解を引きずらずに解いてしまうところが後味良くて好み。モチーフそのものが生々しいというか際どいので、日常描写をドライに描くことでバランスを取っているように感じられる。

恥じらいさえも力に変えるアクエリオンの懐の深さが素敵。どんな感情でも分け隔てなく受け入れてしまうあたり、真っ当な人間賛歌なんだなあと思う。で、アンディのリビドー全開はアクエリオン的にアウトだったりするのだろうか。男嫌いなMIXと足して二で割ると丁度良さそうだが。

劇伴に『創聖のアクエリオンED曲『オムナ マグニ』のインスト版が流れてきて懐かしかった。良いメロディなので要所々々で使ってほしい。

★★★☆

[][][]HELLSING IX

「さあ おいで糞餓鬼」

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BD初回限定版 解像度:1080p 音声設定:本編 リニアPCM 5.1ch(48kHz/24bit) 特典ディスク リニアPCM 2.0ch(48kHz/24bit)

以下感想(ネタバレあり)


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2012-02-18

[]ハイスクールD×D 第7話「使い魔、ゲットします!」

イッセーとアーシアに使い魔を得させるため、生徒会とのスポーツ勝負。サービスシーンがテンコ盛りの中に、部下想いのリアスの器が表現されていて良かったな。先に出世してしまう後輩悪魔アーシアを使って、大器晩成なイッセーを長い目で見守る包容力(リアスだけでなくスタッフも、かな)の演出が上手い。以前の感想でも触れたとおり、学生の部活動ながらヒエラルキー制のおかげでリアスが理想の上司像を体現しているようで面白い。あと、カウンター役だった生徒会長の支取蒼那(ソーナ・シトリー)を安っぽい悪役でなく人格者として描いていたところも好感が持てた。それでこそリアスの魅力が際立つように思うから。

初回でイッセーにビラを渡した女性がリアスの使い魔だった件、今までのエピソードを反芻できるという意味でありがたい。シンプルなお話だからこそ丁寧な脚本仕事が良く分かる。

★★★

[]Persona4 the ANIMATIONペルソナ4) #19「It’s School Festival Day! Time to Have Fun!」

サブタイトルどおり、文化祭の設定を活かした盛り沢山なコメディ回。ミスコンや女装コン以上に、合コン喫茶でサクラに扮した8人のやり取りが、キャラクター造型を余すところなくネタにしていて一番面白かったな。ここのところ雪子のリアクションに精彩がない分、悠が全部持っていってしまった印象だったけど。

吹奏楽部のおちこぼれ少女 松永綾音と、元アイドル久慈川りせ、おおよそ共通点のなさそうな二人を分け隔てなく扱って同じように立ち直らせたところに、悠の超越したイケメンぶりが表れていたように思えた。りせの後釜として映画の主演に座ったライバルを、戻ってきた綾音の先輩と重ねた脚本も分かりやすかった。

コメディでもシリアスでも悠の反則ぶりが際立つなあ。今時こういう万能主人公は珍しいかも。

★★★

[]妖狐×僕SS 第6話「考えるよりも」

カルタと卍里がメインの体裁を取りながらも、りりちよを傍観者に留めることなく、彼女の視点で物語を展開させる脚本がいい。周囲の人たちに触れることで頑なさが解けていく主人公が愛おしく感じられる、というお決まりの感想に落ち着く。りりちよの内面に関しては饒舌すぎるくらいだけど、だからこそ本シリーズ独自の魅力が出ているように思う。

りりちよのデザインやバトルシーンなどにおける寒色系の色使いのセンスが、メインスタッフが共通する『戦う司書 The Book of Bantorra』を想起させるところも気に入っている。“温かさと冷たさ”、“喜びと哀しみ”などの相反しつつも表裏一体な要素が、りりちよ自身の内面もそうだが、異種間である先祖返り同士の関係性からも匂い立ってくるようだ。りりちよの不安定さを象徴するような、高低を強調したアングルの数々も印象的。

毎回のことながらEDが凝ってる。花澤香菜さんの歌声とフレンチ・ポップ的な曲調と可愛らしい映像のマッチングによる浮遊感が素敵。前回があんなだっただけに尚更(笑)。

★★★☆

[]ラストエグザイル-銀翼のファム- #16「Automaton」

「お気遣いありがとうございます。私よりも、将軍のほうがお辛いはずなのに…。」

ミリアのこの台詞が象徴するように、ミリアはヴァサントに、ファムはサーラに寄り添っている構図が興味深い。一国を預かるミリアとしてはヴァサントの立場が痛いほど良くわかるのだろうが、哀しいことにそれは現在の彼女の限界でもある。そこでしがらみのないファムがサーラの代弁者として立ち回ることに意義が出てくるわけだ。ファムのような空気読めない反戦主義思想には違和感を覚えることが多いのだが、無力なサーラの苦悩をバックグラウンドにしていて、上手く世界観に溶け込ませているように思った。だからこそ、ソルーシュの旗艦を無血強奪してカッコいいところを見せてほしかったのだけどね。

性格や価値観こそ違えども、アデスの将軍たちがそれぞれ人格者として描かれているところがいい。それは当然、彼らを束ねるルスキニアの人物をも想像させてくれる。キャラクターそれぞれの想いが交錯する戦闘シーンの力強い演出が、どこにも持って行き場のない戦争の哀しみを雄弁に表現していて、オーランの裏切りを受け入れたソルーシュの最期には涙が止まらなかった。僭越ながらアウグスタ・サーラの気持ちと一体化できたことで、本シリーズの脚本や構成の的確さを体感できたように思う。

ただ、サーラの哀しみは当然ながらも、今の彼女はヴァサントに担ぎ出された無力な少女でしかなく、自身が遭ったテロのような軋轢を抱えながらも、理想を貫こうとしたファラフナーズの域には到底及ばない。サーラがアウグスタとして自身を苛む苦悩を超克するためには、ファラフナーズの精神を自らのスタンスで体現していくしかない。でも、幸いなことに彼女にはファムがついている。…ここをどうやって纏めるのかが、クライマックスのポイントになるだろうな。

民族や出自に関係なく、今一緒にいる仲間たちも、今まで出会った人たちも、これから出会う人たちも、そして一生出会う人ことのない人たちも、すべて繋がっているのだ。ファラフナーズから直接的或いは間接的に有象無象の薫陶を受けてきた本シリーズのキャラクターたちを見ていると、そんなメッセージが自然と浮かんでくる。シンプルながらも力強いストーリーのすばらしさよ。

★★★★☆

2012-02-17

[]ブラック★ロックシューター 第三話「こらえた涙があふれそうなの」

マトの前に立ちはだかるユウに心乱されるヨミという、OVAと良く似た展開になってきた。そして、前回までのカガリに代わって今回はバスケ部の部長 小幡アラタを使って虚の世界の意味を示唆させていく作りらしい。アラタが虚の世界でブラックゴールドソーが生み出した尖兵の一人として表現されていたのは、アラタの内面の反映か、それとも納野サヤの内面の反映なのか。カガリにしろアラタにしろ、虚の世界での姿は現実世界で抑圧していた内面の象徴といえそう。ブラックロックシューターに首を切り落とされることで現実世界の彼女らは解放されはするが、必ずしもそれが良いことなのかは分からない。ブラックロックシューターは、周りの人たちが抱えている悩みに気付けずに、知らないうちに傷付けてしまうマトの在り方そのものなのかもしれない。生々しい精神状態をイマジネイティヴに表現する作品世界に惹き付けられている。

★★★☆

[]ギルティクラウン phase17「革命 exodus

スタッフはどこまで主人公を突き落とせば気が済むのだろう。今回の凋落で、シュウをあえて暗君のまま描き切った理由が分かった気がしたが、正視するのがかなりキツくなってきた。ヤヒロも優秀な側近のようでいて、ヴォイドの件で嘘をついていたとおり最後までシュウとの信頼関係を築くことができず、彼の抑えにはなれなかった。私怨を使命で覆い隠した統治体制はあまりにも脆弱だったということか。

ケイドウについたハルカの思惑は、息子を宿命から解放したいという親心なのだろうか。まあ、「裸の王様」の根源だった「王の能力」を剥奪されて、文字通り裸一貫になったシュウの巻き返しに期待せずにはおられない。堕ちる処まで堕ちたんだから、あとは主人公らしく這い上がるしかないだろう。

スピーディーかつ劇的な展開を優先しているせいだろうか、キャラクターたちの機微が置き去りにされている印象は否めないけど、現時点ではその荒々しさが吸引力をもたらしていると言わざるを得ない。

★★★★

[]アマガミSS+ plus 第7話「棚町薫 前編 スケッチ」

梨穂子を除いて橘さんウハウハ状態を見せられるわけだが、同じバカップルぶりでもヒロインの性格によって表現が違うのが面白い。まあ当たり前のことなんだけど、ここまで見せてくれるシリーズは新鮮だ。1期シリーズでの彼女らを思い出しながら愛でるのが吉かと。

薫さんはサバサバした態度に変わりがなくて、大甘にならないところがいい…と思ってたら橘さんお前なぁ。高速バスに置き去りにされる間抜けさ大らかさが薫らしく和んだ。危機管理よりもリビドーが優先しそうな橘さんには呆れたが(笑)。

★★★

2012-02-16

[]戦姫絶唱シンフォギア EPISODE6「兆しの行方は」

あんなにけんもほろろだった翼の態度軟化に拍子抜け。生死の境を彷徨って内面が混濁してしまったのか、あるいは命を救われた感謝の気持ちから優しくなれたのか…。響が奏の後継者として翼に認められる大きなイベントがあると思っていたので、平行線がいつの間にか接近していたような今回の展開にはかなり困惑した。まあ脚本担当を始めとするスタッフが意識的にお約束を外している、と想像することもできるか。キャッチーな世界観とは裏腹な掴みどころのない話運びが、作品の個性になっていると言えなくもない。まあ最終話まで観てみないと分からんね。

格闘技を習っただけあって、泥臭さ全開な響のバトルは良かった。未熟でもひたむきな彼女の内面が良く出ていて。あと、口パクが合っていないぞ、と思ったら歌いながらモノローグさせていたと分かり笑ってしまった。些細かもしれないが、こういう引っ掛かりは大切。

「けだし名言」みたいな言葉遣いが、悠木碧さんの吟ずるような口調と不思議と合っていて面白い。

★★★

[]輪廻のラグランジェ 第6話「風と火と水と鴨川と」

コミカルなフェーズならともかく、シリアスな場面でまどかの押しの強さばかりが突出するとさすがにきついと思いかけていたところなので、ムギナミがまどかに剥き出しの感情をぶつけたシーンに溜飲が下がった。ヴィラジュリオの危機に本能的にウォクスを人型に変形させた件からも、ムギナミの兄に対する愛情の深さが分かる。ヴィラジュリオも没落王族らしいから、ムギナミを切り捨てたのは何らかの事情があると考えるのが自然か。私的にはまどかよりもこの兄妹の顛末が気になってしまう。

海面から衛星軌道までの高低を体感させるダイナミックな構図がすばらしくて、ウォクス2体の出撃から3体が海面に墜落するまで、食い入るように観てしまった。出撃時は2体だったのが帰還時には3体になっていたのも、これからの3人を象徴する演出として上手かった。

★★★

2012-02-15

[]夏目友人帳 肆 第六話「硝子の向こう」

本シリーズで大笑いできるとは思わなかったなぁ。貴志と夏目型ニャンコ先生の丁々発止が、ビンの中の貴志が人間には見えないというシチュエーションの妙もあって、小気味良いコメディになっていて楽しかった。でも、貴志の事情を一切知らない友人たちとのやりとりがコミカルなほど、かえって物悲しさを覚えたのも事実。だからこそ、相対的に要の助太刀が心強く感じられたのだけど。そして貴志の力になりたいとアクションを起こした要が、妖怪たちの姿をおぼろげながら可視できたラストシーンにはちょっと目頭が熱くなってしまった。この展開を寸止めにすることなく、的場一門との対決まできちんと繋げてほしいな。もちろんタキさんも一緒にね。

★★★★

[]ちはやふる 第19首「ながらへば」

名勝負に名台詞に名シーンの連発。静と動のコントラストによる緊張感の演出。極限状態で交錯するモノローグの数々。勝負の行方に手に汗握るとともに、5人が交換するエールの熱さに痺れた。

太一の敗者の弁。

「キツいな、一生懸命って。言い訳が効かねぇよ…。」

奏の勝者の弁。

「勝ち負けを置いて、自分のかるたをしようって。絶対勝たなきゃとか、そういう気負いがなかったから。」

太一へのアンサーを奏に語らせた件が、本エピソードの完成度の高さを象徴していたように思う。太一と同じように勝負へのこだわりが先行した勉が敗れたのも同じ流れ。ただ、C級に昇格した2人がより高いレベルに進むためには、奏のような自然体だけでなく、太一が見せたような闘争心が絶対に必要になってくるだろう。惜しくも敗れ去った千早と太一にとっては、自然体の大切さを教えられた大会になったけれど、奏と勉にとっても、C級でより厳しい勝負に直面するだろうことを予感させる。お互いが持たざるものに気づかされることで、5人の団結力を強化した脚本の力強さ。かるたを通じて、キャラクターたちを余すところなく使い切ってその魅力を引き出している。

太一みたいなキャラと優征みたいなキャラが同じ土俵に立てるところが本シリーズの良さだよなぁ。完全に少年漫画メソッドだ。4人の応援に回った千早コメディリリーフに徹していたけれど、いつも以上の百面相が勝負の緊張感をクールダウンしてくれたのもすばらしい。「肉まんくん」、「机くん」を気にしだしたのも、優征の話を立ち聞きしてしまっただけではなく、金井桜や奏のたおやかさかにインスパイアされたからかもしれないな。全ての要素が完璧だった。

★★★★★

2012-02-14

[]あの夏で待ってる 第6話「先輩にライバル。」

自分の気持ちに素直になれない男女6人(うち1人は違うかもしれないが)の感情をパズルのように組み合わせていくドラマが提要と思っていたので、新キャラ女子2人によるテコ入れは意外な展開だった。でも最後まで観た限りでは、6人の感情を引っ掻き回すために上手く機能させていたように思う。あと、あの信州の田舎町が6人だけのミニマルな世界の象徴と考えると、一時的に沖縄に舞台を移したことも、外的要素注入のためのお膳立てとして受け入れられた。ラストシーンから、檸檬狂言回しとした恋愛映画のメイキングを観せられているようなメタ構造を感じ取ったこともあって、ドラマと舞台がリンクしている様相に得心が行った。

本シリーズの少年少女たちは決して鈍いわけではなく、それぞれが自分の気持ちから逃げ回っているだけで、それは柑菜、哲朗、美桜の態度に表れているように思う。だから佳織に迫られた海人が「好きな人はいる」と返した件には心底安堵させられた。シンプルな人物構成による繊細なドラマなので、キャラクターの内面に少しでも齟齬があると入り込めなくなる恐れを孕んでいるのだが、今のところは統一が取れている。

★★★☆

[]男子高校生の日常 #6「男子高校生と聖なる夜/男子高校生と新学期/男子高校生と妹の悩み/男子高校生とりんごちゃんの悩み/男子高校生とモトハルの悩み/男子高校生と必殺シュート/女子高生は異常 過去」

唯一男子オンリーによる「必殺シュート」が、どんな策を弄しても自分の思い通りに行かない苛立ちをコミカルに表現していて一番面白かった。『日常』のゆっこと麻衣の腕相撲勝負を思い出したな。他には「新学期」、「妹の悩み」、「モトハルの悩み」も気の抜けた笑いを引き出してくれて良かった。女子が前面に出てくると男子のバカさ加減が相殺されるのでほどほどにしてほしい。…毎回同じこと書いてる気がする。

★★★

2012-02-13

[]灼眼のシャナIII -FINAL- 第17話「誰が為に」

シャナと吉田さんそれぞれの悠二くんへの想いの強さは変わらないと仮定して、それでも吉田さんの想いがシャナのそれよりも深く響いてくるのは、シャナが苦手で吉田さんが好きだという私の内なるバイアスもあろうが、やっぱり吉田さんにはフレイムヘイズとしての重責がない分、ありのままの悠二を感じて寄り添うことができるからではないか、と思った次第。…まあ人の内面なんぞよう分からんけえ、と予防線を張っておく。

★★☆

[]モーレツ宇宙海賊 SAILING 5「茉莉香、決意する」

SFに疎い自分がいけないのかもしれないが、敵艦との駆け引きに集中力を切らさずについて行くのはしんどかった。それでも決着に多少の爽快感を得られたのは、茉莉香の機転、統率力、胆力の一端を垣間見ることが出来たからだろう。まあ自分にとって本シリーズの一番キャッチーな部分は、イケメン顧問(ケイン)と美人船医(ミーサ)の軽妙な会話だったりするのだが。茉莉香にしてもチアキにしても印象が希薄なまま見習い期間が終わってしまったな。茉莉香が弁天丸で責任ある立場になれば変わってくるかもしれない。

★★

[]BRAVE10 其之伍「竜の懐」

伊達政宗に囚われた伊佐那海が救出されて上田に戻ってくるまでを1話でやってしまうのは、いくら何でも端折りすぎたよな。彼女が持つ闇の力は物語に大きな影響を及ぼしそうだけど、描写があっさりなので物足りない感じ。まあ逆に考えれば軽妙というかテンポが良いとも言えるか。陰々滅々とした雰囲気を好まない人はこのほうがいいかもしれぬ。

政宗をモチーフにしたどのフィクションでも、片倉小十郎を有能な忠臣として描くところは変わらないな。

★★★

[]未来日記 第18話「混線」

ユッキー由乃の馴れ初め。由乃が雪輝を意識し始めたきっかけがアンケートのお嫁さん宣言だったという件は不可解だったが(本末転倒だ)、未だ謎多き彼女に関する何らかの伏線なのかもしれない。もっとも本シリーズの場合、感情的な機微についてはさほど重視しなくても問題ないからいいのだが。今まで由乃ばかりにさせていた汚れ仕事にようやく手を染めるに至って、神を目指す覚悟をした雪輝の変化は分かりやすい。由乃にとっての拠り所は雪輝だけど、雪輝にとっての拠り所は由乃に限らないことを暗示しているようで、こういった二人の齟齬が本シリーズに根底する緊張感の源泉であるわけだ。

気になる三人目の死体だが、雪輝が片想いしたクラスメートというのは捻りが無さ過ぎるか…。

★★★