『カレーライスが、好きだった。』

やぁ、死紺亭兄さんだ。今日も今日とて、観劇の帰りに思い出を反芻している所だ。

役者さんや後輩が、ちょっと見ない内に、出世していると存外、切ない。

今日はそんな気分だ。思い出すと、カレーライスの匂いがスル芝居がある。

以下に、その記録を再録しようか。

『帰ってきたゑびす』公演「ぼくは死んでなんかいない」

ポエティックな世界観で人気を集める西岡兄妹

ユニットの実体は、西岡智(兄)の詩的な物語に、西岡千晶(妹)が画をつける、というものである。

大下さなえ(現・ほしおさなえ)の現代詩に、西岡千晶が画を付けた『くらげそっくり』という詩画集が、本来の西岡兄妹の作品群から違和感なく存在することからも、
元来の西岡智の物語の詩的濃度が傍証できる。

劇団『帰ってきたゑびす』は、主宰の進藤則夫氏(1958年・秋田県出身)に拠る脚本・演出で、西岡兄妹の作品を舞台化してきた。

本公演をもって、3年間の西岡兄妹作品の劇化は、約束通り終了するそうだ。
また、劇団自体も、一年間充電期間を取るらしい。

以下は「過渡期ナイト」レーベルのオフィシャルサイト「死紺亭兄さんの妹連合」からの拙文の転載です。
http://www.e-mile.com/cgi-bin/view_bbs.cgi?c_id=0684

はい。
2004年9月29日から10月3日まで、下北沢「劇」小劇場で、「帰ってきたゑびす」公演の「ぼくは死んでなんかいない 西岡兄妹短編集総集編」が上演されていました。

いや、てあとろ50’の中野嵩大くんや高羽彩(イモレン☆)、第七劇場の寺尾恵仁くんが出るって聞いていたし。

中野くんは、去年SSWSに「乙劇ワードショップ」で出ていた一人なんだよね。いろいろ出世されてますな☆

あと、ぼくが個人的に西岡兄妹が大好きで。
大下さなえちゃん(現・ほしおさなえ)と千晶さんのコラボレーション『くらげそっくり』(青林工藝舎)のサイン本、いまだに大事に読んでるもの。。

その意味で言えば、今回は兄・西岡智さんの作品世界を、どう演劇が構築するかが見所なんですよね。
ぼくは智さんの『首吊り職人』の世界観とか大好きなんです。バッチのコレクションにも入っているし。

特筆すべき点はふたつです。

『わたしの幽霊』における、「わたし」役の長嶺安奈さんの身体の細部までの駆動ぶりには、死紺亭は、ほんとうに感動しました。
特に、くるぶしから下の健気さは、凄い。
演出からのリミットなんでしょうけれど、足を左右に動かすことでしか移動しないんですね、この「わたし」は。
おかげでエピソードの終わりには、彼女は顔中に汗に濡れるんだけれど、それが「なみだ」に観得るんだよね。いや、素晴らしかった。
照かりの加減もちょうど良いんですよね。そうエピソードごとの完全暗転・溶暗の按配もお見事。

それから、進藤則夫氏の存在感ね。
出てきた瞬間に、「何者だろう!?」と思わせる見事さ。
確かに「人喰先生」って、このひとだよな、と客席に有無を言わせない、いい意味で悪人の演劇人だと感心しました。
こういう方が、利賀村演出家コンクールで、真山青果の「玄木と長英」を選択していたり、パンフレットにマディ・ウォーターズを引いていたりスルんだぜ。
そりゃ、「人喰先生」は食えない先生ですよ☆

そんなこんなで、すごくカドの取れた悪人ワールドを堪能できました。
みなさま、ご苦労さまでした!
ラクに生きるのも、ラクではないぞ、と。
『帰ってきたゑびす』のあと、帰っていって、独りでカレーを喰った死紺亭兄さんでした(←コレ、観たひとだけに、分かる雰囲気ね☆)。以上ですよ♪

ほしおさなえさんは東浩紀さんとカップルだし、中野くんは現在出世頭だし、このとき当日制作だったベティこと安田裕美は現在劇団てあとろ50'の幹事長である。(なんとクジ引きで決まっちゃったらしい。)

何を言いたいかと言うと、そうやって周りが連れていたり、出世したりスルなかで、何の因果で、死紺亭兄さんは独りでカレーライスを喰っているのか、というコトである。

もう独りも飽きたし、きょうも元気でおなかがすいた。カレーライスが喰いたい。。

さて、そんなアナタの厨房はもちろん『過渡期ナイトBBS@暫定版』。意固地にコチラである。
http://free2.milkypal.net/f-bbs/BA-1/freedom.cgi?mm=k_night&mode=bk

それでは、コレから飯だ。さようなら♪