#13 着地点を探る・・・

先日株式会社Yに宛てて、Aさんは実態上管理監督者ではないので、時間外
勤務手当を請求する旨連絡をしました。

その返信があったようです。


┌────────────────────────────────┐
 title:返事が来ました

 岩沢さん

 おはようございます。

 会社から以下のようなメールが来ましたので、転送します。

 引き上げには応じるようですが、「迷惑料の請求」という題目で受取ること
 をしたくありません。

 その下に、返信の文案を添えました。

 ご確認をお願いしてよろしいですか?



 「title:迷惑料について

  Aさん

  会社の誠意が伝わらず、とても残念に思っています。


  会社としては、Aさんを管理監督者として雇用したという認識に変わりは
  ありません。


  そして、ご請求いただいた時間外勤務手当等の算出の基となっている
  労働時間につきましては、会社が把握している時間ではなく、実体とは
  かけ離れているものです。


  もしAさんが労働基準監督署への働きかけをするとか、裁判で争うことを
  お考えなのであれば、決着がつくまでには多大な時間と手間がかかり、
  Aさんにとっても会社にとっても、お互いに損をするばかりではないで
  しょうか?


  Aさんからご提示いただいた金額通り支払うことはできませんが、前回
  提示した金額よりは多少の増額は可能かと思います。


  どこかでお互いの妥協点を見出す努力ができませんか?


  J                              」



 次に私の返信案ですが、なんとか金額を100万から交渉開始したいと思って
 います。

 「迷惑料」の吊り上げは脅迫行為になりそうなので、この題目を変えて
 ほしいのです。

 迷惑料にも裏がありそうに思えてなりません。
 言葉を変えるよう明確に言うわけにもいきません。

 あえて以下の様にしてみました。



 「J様

  まず「迷惑料」についてですが、退職に際し「迷惑料」という題目の
  ものを私から請求したら違法です。

  その金額の吊り上げ行為も同様です。

  先に迷惑料を支払っておいて、後にAから脅されたとして会社が私を
  訴えますと、私は有罪とされてしまうのです。


  先に受取っているJさんからのメールには、「残業等未払い金」という
  言葉が使われていましたのに、急に「迷惑料」と言い換えてきたのは、
  どういう意図ですか?

  法律家のご指示によるものですか?

  私からすれば、この状態でこれを会社の「誠意」と言われても困ります。


  そして、私が請求いたしました残業代等未払い分は、会社の勤怠管理
  システムで管理していたものです。

  退職の勧奨中で話し合いがこれからという時に、7月30日にはその
  システムから私の名前を消してしまうというのは、そもそも「退職強要」
  に相当する違法行為ですが、この時に勤務実態のデータを出力せずに
  私の名前を抹消なさったのですか?


  ○年6月・7月にいたっては、勤務したかどうかだけを見る表すら存在
  しませんでしたが、管理者権限をお持ちの幹部方々はそのシステムの
  バックアップを取らないのですか?

  私の出したデータを会社が精査できる状況にないのは、こちらには責任
  がございません。

  私の請求が不当であるような書き方は、ひどく心外です。

  私は不当な請求をみだりに行ってはおりません。

  交渉を申込むに際し、このことだけは認識を違えないでください。


  以下に流れを整理します。

  (1)労働基準法の定める「6つの管理監督者としての条件」を私は満た
   していない。

  (2)会社は「管理監督者」として雇ったつもりであった為、私の残業に
   ついて管理していない。

  (3)(1)・(2)の状況下で「残業代等未払い賃金」の支払いを会社に要求
   した。

  (4)「残業代等未払い賃金」の支払いについて、できるだけ希望に添う
   ようにしたいとJ様より回答があった。

  (5)「残業代等未払い賃金」の請求を、会社の管理システムのデータを
   元に請求した。

  (6)管理監督者として雇ったから「残業代等未払い賃金」は支払わないが、
   「迷惑料」を支払うと題目を変えられた。

  (7)話が「管理監督者」の定義に戻っているため、再度認識を改めていた
   だけないようであれば、労働基準監督署に相談する旨を伝えた。

  (8)(2)の理由により、金額の精査ができないため、請求書どおりの金額
   は支払わないが、「金銭解決したい」とJ様より申し出があった。

  (9)本日のメールに至る


  以上を踏まえ、再度お返事をお願いします。


  A                              」


└────────────────────────────────┘


やはり、労働基準監督署への相談や裁判については、会社としてはできるだけ
避けたいという気持ちがにじみ出ています。

何とか妥協点を探りたいというのが本心か。

Aさんは、まだ感情が先走っている感じがありますね。

そこで私は、以下のように返信しました。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:返事が来ました

 Aさん

 私なら以下のように書きます。

 参考にしてください。



 「J様


  私の貴社における処遇は「とりまとめ役」的な役割は担っているにして
  も、あくまで法律上の管理監督者には該当せず、割増賃金を支払って
  いただいていないという認識を譲ることはできません。

  貴社にその考えがないということでしたら、第三者に判断してもらう
  までのことです。

  また、先日提出した労働時間は黙示的な命令があって作業に従事した
  ものであって、それを証明する材料を持ち合わせています。


  ただ、割増賃金の支払いについて、減額のお申し出ということであれば
  お話しはお伺いします。

  その場合、あまり時間がありませんので早めにご提示いただくよう
  お願いします。

  A                              」



 HMパートナーズ 岩沢

└────────────────────────────────┘


すると、Aさんからすぐに返信がありました。


┌────────────────────────────────┐
 title:Re:返事が来ました

 岩沢さん

 ありがとうございます。
 そのまま使用させていただきました。

 明日は忙しそうなので、会社からの返事はまた夜遅くかもしれません。


 A
└────────────────────────────────┘


さて、ボールは会社に投げ返されました。

どういう返球が返ってくるでしょうか。




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