『死亡推定時刻』 (光文社文庫)読了

死亡推定時刻 (光文社文庫)

死亡推定時刻 (光文社文庫)

これもほかの方のブログで拝見した本。推理小説
カバーデザイン 岡本健+ 装画 阿部伸二
解説 栗本薫

グインサーガとか僕ら三部作の作者が解説で、
フィールドが違うからなんともいやはや、みたいなこと言ってて、
なら郄村薫が解説すればよかったのか、と思いました。
中島梓で解説しなかった理由をかおるちゃんが述べた感じ。

頁287、供述調書が外国法曹から、インベスティゲーターズ・エッセイ、
捜査官の作文と呼ばれているとの個所、そりゃそうだろうと思いました。
外国法曹がそれを好意的に評価してるのか悪く言ってるのか、まで、
知りたい気もします。自白率の高さ検挙率の高さを否定だけでなく、
肯定する国も世界の何処かにあるのではないか。あるとすれば、
それはどんな国か。日本の未解決犯罪の増加は、やはりこのメソッドの、
崩壊と同一曲線を生しているのか。トランプや英国のEU離脱は、
おのおのの国民の選択ですが、日本社会の、臭いものに蓋の終焉は、
日本のサイレントマジョリティーが望んだことなのか否か。

供述調書。自分の文章じゃないのに、細かいとこなんか、
事実との相違がいっぱいあるのに、「私は〜」の一人称で始まってる文章を、
ガラかんとか不要だから認めさえすれば帰れる、レベルの経験なら、
したことある人は十人中一人以上いるんじゃいかと思うのですが。
てことは10%か。そんなにはいないか。でも5%くらいはいないかな。
そういうみんなの体験が、社会を変えていっている、そんな気もします。

で、オトシの平塚を連想させる自供のプロみたいなデカの人の、
カンを狂わせてしまうくらいホンボシくさい冤罪の人は、
もうほんとハメられるために生まれてきたような卑怯さこずるさ満開で、
全然関係ないが、よく仕事で、「口動かすより手ぇ動かせ」とか、
「氣ぃ使うよりカネ使こて」(これは客に対する陰口か)とか言いますが、
言われても出来ない気がつかない、はった…いや知りませんが、
そういう御子、ボンは何処にでもいて、赤信号よく見て渡って生きろよ、
あと、良心とか誠実さとか、やっぱ大事なんじゃないでしょうか、
と思いました。そこの初動間違えたから地獄にハマったわけで。
僅か数千円ガメただけで、前科あって指紋残して誘拐殺人犯になってまうなら、
最初に通報だろう。器用に生きられない己を知ることから始めてネ♡
と鏡を見ながら思いました。思いどおりにうまく生きられるなんて、
なんで思ってしまうんだろう。

冤罪小説で、真犯人が裁かれるのかとか冤罪晴れるのかとかは、
ネタバレになるので書けませんが、あとがきで、作者の意図は汲めましたし、
裁判員裁判ならどうなんにゃと思いました。以上です。