宮台真司・福山哲郎『民主主義が一度もなかった国・日本』
- 作者: 宮台真司,福山哲郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: 新書
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じつは豊かな時代に民主主義は不要だった。日本の政治家は密室談合して地元に利益誘導すればよいだけだったからだ。しかし経済が収縮する時代は、民主主義が機能しないと、それはそのまま国土と人心の荒廃に直結する。そうして今回の政権交代が起こった。多くの国民は気づいていないがこれは革命だったのだ。だが、まだ油断は禁物だ―。
COP15の前に出版されたということと、福山哲郎が外務副大臣ということで、環境問題と外交の記述は特に厚くて面白かった。
社会投資国家、すなわち国家は個人にではなく、社会が自立できるように投資を行う、というときの「社会」がよくイメージできない。
米国における宗教団体やNPOのようなものは、その伝統がないから無理だとして、欧州における市民社会と同じものなのか、あるいは日本的な地域共同体と強く関連したものなのかどうなのか。
また、子ども手当や農家の個別所得補償制度は、社会ではなく個人への直接の投資にはならないのか、もうちょっと詳しく説明してほしいところ。
社会投資国家の概念については、ギデンズをちゃんと読めばわかるのかもしれないが。