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2016-07-16

90年代邦楽アルバム 50選

邦楽/洋楽という区分を意識しなくなって久しいわけですが、なにかとタイムリーだったのでたまには流行りに乗ってみましたよ、っと。久々に自分の音楽聴取体験見直したくなったというのもありつつ。

レギュレーションは以下のとおり。

  • 対象は1990/1/1〜1999/12/31を公式な発売日としている作品。
  • 1組1作縛り。上位に同じ人ばかりで固まっても面白くないし、幅広く取り上げたかったので。
  • 2016年7月時点での視点でのセレクトです。今聴いてもイケてるやつを優先的に。
  • でもまあ個人の選なので思い出補正もちらほら。
  • 多国籍バンドやらコラボレーションについては、適当に主観で判断。

最初は100選にしようかなと思ったのですが、いざリストを作ってみると70〜120位ぐらいまではほぼ順位があってないような感じで焦点がボヤけそうだったので、結局50に。

50選だとこれはこれで選びきれなくて大変でしたが、ま、こういうやつは泣く泣く好きな作品を選外にするぐらいの方が良いリストになるのかもしれません。

というわけで、ベタなやつから何それ?なやつまで50枚。

1. 家庭教師 / 岡村靖幸(1990)

家庭教師

言わずと知れた奇才の、クリエイティビティとポピュラリティとが奇蹟的に最大公約数を叩き出してしまった大傑作。「どぉなっちゃってんだよ」「カルアミルク」「あの娘ぼくがロングシュ(以下略」とJ-POP史上に残るマスターピースを3曲収録しているだけでも必聴だし、何よりこの音作りが1990年だっていうのが異常。

2. Fantasma / Cornelius(1997)

Fantasma

音楽史的な評価は言わずもがな。個人史的にも、それまでヒットチャートばっかり追ってた僕のリスナーとしての意識を根底から変えた名作です。サンプリングや打ち込みという概念を、従来の「楽器が弾けない人がやるもの」という偏見から完全に解き放った1枚。今はじめて聴くならボーナス盤つきのリマスター盤一択です。

3. 空中キャンプ / フィッシュマンズ(1996)

空中キャンプ

初期も好きなんですが、1枚だけ選ぶとなるとやっぱりこれになっちゃうよねーと。リアルタイムだとある程度音楽を聴き込んでるリスナーにしか理解されない作品という趣が強かったですが、00年代後半の音響の時代を経由した今だと昔よりも一般ウケしやすそう。ジャケット、タイトル含め完璧。

4. Doubt / L↔R(1996)

Doubt

世間的には一発屋扱いされがち(実際にはもう何曲かそこそこ売れてる)ですが、ポップネスと実験性とが共存したこのラストアルバムはJ-POPのひとつの完成形では。本来、ここまで偏執的でないとポップスを名乗ってはいけないと思うのです。音楽マニアと自負している人にこそ聴いてほしい、過小評価の1枚。

5. 9月のマリー / 夏木マリ(1995)

9月のマリー

小西康陽プロデュースによる怪作。今なら何周か廻ってアリなのもわかりますが、よくぞこれを90年代にメジャーレーベルからリリースしたなと。詞の強度が全体的にとんでもないんですが、それを野宮真貴のようにあえてフラットにするのではなく、真正面から迎え撃って歌いきっている凄味。

6. インディゴ地平線 / スピッツ(1996)

インディゴ地平線

人生で2枚目に買ったCD。一時期、いろいろな音楽を聴くようになるにつれ自分内での評価がだいぶ下がっていましたが、ここ数年になって怒濤の再評価をしています。毒々しさと瑞々しさのバランスが素晴らしく、アナログ録音ゆえのテクスチュアがまたその詞世界をメタ的に俯瞰しているかのようでシビれる。

7. Lifetime / GRAPEVINE(1999)

Lifetime

キャリア全体で見たら実はいちばんGRAPEVINEらしくないアルバムかも。「スロウ」「光について」がスマッシュヒットした直後ということでよく売れたUKサウンド丸出しの作品ですが、日本のバンドで(というか日本のミキサーで)この音を出すのかーと当時は吃驚した記憶。金延幸子「青い魚」のカバーが絶妙のアクセント。

8. プレイボーイ・プレイガール / Pizzicato Five(1998)

Playboy & Playgirl by PIZZICATO FIVE (1998-01-10)

ピチカートの最高傑作は人によってあまりにも意見が分かれるものですが、僕は迷わずこれ。だって小西氏ならポップでクールな曲なんていくらでも書けるわけで、その部分を損なわずにアルバムの完成度を究極まで高めきったのはこれしかないでしょうと。今の耳だと別に普通ですが、当時はJ-POPらしからぬリズムが新鮮でした。

9. 私生活 / 中谷美紀(1999)

私生活

ことあるごとに紹介していますが、これの認知度が低いのは日本のポップ史的に大いなる損失。女優が片手間で出したCDと舐めてはいけません。坂本龍一竹村延和半野喜弘といった面々が参加している透明感系エレクトロニカ作品で、ソングライティングからポストプロダクションまで絶品。5年遅かったらもっと評価されてたか。

10. 無罪モラトリアム / 椎名林檎(1999)

無罪モラトリアム

当時は10代のシンガーが立て続けにデビューしてた時期だったので特別若いという印象はありませんでしたが、実はリリース時20歳。一時期は「情念系」などという括りがありましたが、歌唱法にクセがある以外あとは似ても似つかない。言葉遊びとその裏側の描写とを両立させる詞作は間違いなく天才の所業でした。

11. SEKILALA / SHERBET(1996)

セキララ

「S」がつくまえのSHERBET浅井健一関連の最高傑作と思っています。北欧灯台を思わせる澄んだ音像。まだBJC活動中にリリースされたサイドプロジェクトの作品ということで、確固たる母艦があった上でそこではできないことを徹底的にやるというスタンスが、瑞々しい傑作として結実したのかも。

12. POP AND DECADENCE / MOON CHILD(1999)

POP&DECADENCE

なまじヒット曲がなければもっと評価されていたのでは。詞のフレーズのチョイスがいちいちクレイジーで、その譜割りもエキセントリック。岡村靖幸オリジナル・ラヴのいいとこどりをしたような、ポップでファンクでメロディアスで支離滅裂な最高のポップスアルバム。avex以外のレコード会社と契約していれば、あるいは。

13. 深海 / Mr.Children(1996)

深海

メインストリームメインストリーム、あっさり何百万もCDを売るようなバンドがよくぞこの作品を出したなと。ヒット曲は入ってるけどあえて収録しなかった既発シングルの方が多く、おそらく日本で商業的に最も成功したコンセプトアルバム。若くして億万長者になった天才の苦悩、当時はわからなかったけど今なら多少寄り添える。

14. NEW CHAPPIE / Chappie(1999)

NEW CHAPPIE

早すぎた名作。CGキャラクターであるChappieのアルバムで、曲ごとに明らかに声が違うのに全部Chappieが歌ってますよーという体のハイコンテクストきわまりない作品。作家陣も隅から隅まで豪華で、松本隆/草野マサムネによる「水中メガネ」なんかは90年代のJ-POP全体でも十指に入れていい佳曲。いま再始動したら面白いかも。

15. 犬は吠えるがキャラバンは進む / 小沢健二(1993)

犬は吠えるがキャラバンは進む

90年代の3作は優劣つけがたく、たまたま今の気分が『犬』だったというぐらいのニュアンスで捉えていただければ幸い。『LIFE』ももちろん名作ですが、王子様時代をおもいっきりリアルタイムで聴いている世代なので、あれを最高傑作とするには照れがあるわけですよ。『刹那』がもうちょっと早く出てたらね。

16. アメトラ / UA(1998)

アメトラ

なんで売れたんでしょう。Phewみたいにさほど売れずに好事家だけに愛される存在となるほうが自然だったと思うんですが、90年代というのは妙な時代です。デビューから00年代前半までのオリジナル盤は、ハズレがひとつもありません。でも、売れたからこそ作れる作品もあるよね、っていうわけで今作。収録曲がいちいち美しい。

17. fun9 / 嶺川貴子(1999)

FUN9

後の夫でありさらに後には離婚するコーネリアス小山田圭吾プロデュースによる清涼感のあるエレクトロニカ作品。『Fantasma』と『Point』を繋ぐミッシングピースのようなアルバムで、『CM』および『CM2』あたりと併せて聴くと非常にコーネリアスサウンドを立体的に俯瞰できてファン必聴なのですが、意外と聴かれてないですね。

18. 融解GIG -Last Concert- / Ground-Zero(1999)

Last Concert

今やすっかり売れっ子でNHKに引っ張りだこな大友良英が牽引していたバンドのラストライブ音源。ノイズと即興と緻密な演奏技術と音響合成が渾然一体となったサウンドは、ポップミュージックの極北というべきか、成れの果てというべきか。00年代音響派エレクトロニカを経由したかどうかでまた聴き方の変わる作品か。

19. PSYENCE / hide(1996)

PSYENCE

あまりに貪欲であまりに戦略的。生前2作しかソロ作を残さなかったhideの2ndは、縦横無尽に音楽の地平を駆けめぐるエクスペリメンタルロックの名盤でした。もっと多くのソロ作品を残してほしかったという気持ちと、バンドの合間にやってたからこそクオリティを維持できたんだろうなという気持ちとが行ったり来たり。

20. Medicine Compilation / 細野晴臣(1993)

MEDICINE COMPILATION from the Quiet Lodge

90年代前半は、本来相反する概念であるはずのアンビエントテクノが手を繋いだ時代でした。そんなアンビバレントな音楽であるアンビエントテクノの傑作がこちら。細野さんは各バンドや作曲家としての功績のわりにソロでの代表作がブレがちですが、こと90年代に限ればこれ一択。「Honey Moon」セルフカバーは気絶するほど美しい。

21. 川本真琴 / 川本真琴(1997)

川本真琴

メジャーレーベルが天才を潰した最後の例となることを願ってやみません。「愛の才能」「DNA」「1/2」とヒット曲を詰め込んだことでミリオンセラーを達成した今作ですが、自由奔放な若き才能に枷を填めた残酷なガールズポップとなっています。しかしまあ、天才が迫害されることすらエンタメなのかも。This is ショウビズ。

22. MAKING THE ROAD / Hi-STANDARD(1999)

メイキング・ザ・ロード

シーンへの影響も市場への影響も、当時のティーンネイジャーに与えた影響もピカイチ。当時ヒットチャートというのはテレビで流れている音楽しかランクインしないものだったのに、いきなり初登場3位を記録したときの衝撃は今も忘れません。シンプルながら意外と複雑な演奏と、30代を過ぎてこそ沁みる歌詞。いわゆる青春パンク勢とは格が違う。

23. MUSIC FOR ASTRO AGE / ヤン富田(1992)

ミュージック・フォー・アストロ・エイジ

ベスト盤以外でこんなに美しい2枚組の作品があったでしょうか。ケージが、イーノが、マークレイが問うてきた「音楽」の定義という難題に果敢にも挑んで見事に返り討ちにされた名作。ライヴ盤『素晴らしき偶然を求めて』と併せて聴くことでより強度を増す作品だと思うので、できれば両方ぜひ。

24. BTTB / 坂本龍一(1998)

BTTB [ 坂本龍一 ]

90年代中盤までは歌モノにご執心だった教授が一転して発表した静謐なピアノアルバム。ただし素材がピアノなだけで、プリペアドピアノによる前衛的な楽曲も多々あり。翌年リリースの『ウラBTTB』がよもや「癒し」という文脈での大ヒットをするとは予想もしませんでした。なお海外盤は前衛楽曲が削られていてるのでぜひ国内盤を。

25. 覚醒 / DJ KRUSH(1999)

覚醒

ヒップホップと日本語の親和性が云々という件については日本語ロック論争の二の舞なのでどうでもいいのですが、ことサウンド面に関しては日本人ミュージシャンが活躍できないわけがなく。欧米人に誤読された「侘び寂び」をケアしつつ骨太でミニマルなクラブサウンドを展開しているエポックメイキングな快作。

26. 林檎のためいき / Jungle Smile(1998)

林檎のためいき

ブレイクしそうでしなかったJungle Smileですが、残した3枚のアルバムはいずれも佳作。90年代末らしくエレクトロニカへの目配せをしたサウンドプロダクションとメンタルがアレな少々面倒くさい女子丸出しの歌詞とのアンサンブルは、美しくも居心地の悪さを感じさせる奇怪なポップスに。今ならもっと売れたかも。「同級生」の歌詞はひりひりくる。

27. Sweet / スガシカオ(1999)

Sweet

近年の洗練されたスガシカオも良いですが、どんな闇を抱えてたらこんな詞が書けるんだっていう初期のスガ節もまた良し。しかし結局は声の強度ですね。毒まみれの歌詞も甘いラブソングもすべてスガ色に染めて中和してしまう声のズルさ。それを最も美しいメロディとともに聴けるのがこのアルバムかなと。

28. HAPPY SONGS / 真島昌利(1991)

HAPPY SONGS

「犯罪をしてないほうのマーシー」のソロ作。底抜けな明るさとその奥底に実は隠されている憂いとのコントラストが光るマーシーワールドは今作でも健在。ブルーハーツよりもアコースティック寄りでパーソナルな曲が目立つのも、なんともノスタルジーを醸し出します。ソロでは前作『夏のぬけがら』と今作の2つは必聴。

29. COZY / 山下達郎(1998)

COZY

リリース間隔の都合上、近年の達郎は毎回ベスト盤的選曲になりがち。というわけで最後の真っ当なオリジナル盤である『ARTISAN』を取り上げる方が一般的っぽいのですが、あえてのこちら。トラックリストの緩急と、古くも新しくもない美しいミキシングの妙が好きです。余談ですが、はじめての人とカラオケに行くとだいたい僕は2曲目あたりに「ヘロン」を歌います。

30. さよならストレンジャー / くるり(1999)

さよならストレンジャー

90年代の日本の音楽シーンは「ポップ」という言葉の意味ががらりと変わってしまった時代でしたが、それを力業で在るべきところに押し戻した作品。と同時にすでに次作以降の実験性の萌芽も。この時期のヒット曲のセオリーには何一つかすってないこのバンドが評価され、現在も確固たる地位を占めているという事実は、今後ますます偉業として評価されていくかも。

31. 日本の人 / HIS(1991)

日本の人

細野晴臣忌野清志郎坂本冬美による異色ユニットの異色作。メンツだけで言わずもがなの凄味があるチャンキーさですが、3人のルーツを辿れば広汎な音楽ジャンルを網羅できるわけで、コミカルな曲でさえ奥行きを感じるのはさすがの一言。本作を面白がれるかどうかは一種踏み絵か。ブックオフにもよくあるのでぜひ。

32. Bang! / BLANKEY JET CITY(1992)

BANG!

道端ですれ違ったらいきなり顔面を殴りかかってきそうだった時期のBJCの傑作。基本的には後期のアルバムの方が好きなんですが、1枚選ぶとなると話は別。「冬のセーター」「ディズニーランドへ」「クリスマスと黒いブーツ」と初期の名曲がごっそり詰まってる今作はトータルでのキレ具合が段違いです。ジャケのアングラ感が惜しい。

33. スリーアウトチェンジ / SUPERCAR(1998)

スリーアウトチェンジ 10th Anniversary Edition

解散まで目まぐるしく音楽性が変化していったSUPERCARの1st。今ならもっとシューゲイザーっぽさを前面に押し出したミックスになるのでしょうか。瑞々しい歌詞と音の粒を大きく際立たせるようなギターサウンドとのコントラスト。「cream soda」を聴けばいつでも思春期の気持ちに戻れます。憧れだけじゃ本当は何も見えないな。

34. Quiet Life / 竹内まりや(1992)

Quiet Life

完璧なポップアルバム。「和製カレン・カーペンター」とでもいうべき現在の竹内まりやのイメージが完成したのは、前作『VARIETY』と今作の2作においてでしょう。美しいメロディを艶のあるベルベットボイスで高らかに歌い上げれば、もうそれだけで名盤になります。隅から隅まで美しい、90sJ-POPの教科書のようなアルバム。ベスト盤以上のベスト盤。

35. Vision Creation Newsun / Boredoms(1999)

Vision Creation Newsun

天に昇るようなサウンド、というとまずこれを思い出します。原義どおりの「トランス」ミュージック。各楽器のアンビエンスがアフロビートに乗って高く高く昇っていく様は、まるで方舟を眺めているかのよう。真夏日の屋外でビール片手に爆音で聴いたら物凄く気持ちいいか熱中症になるかのどちらか。

36. 1000 Fragments / 池田亮司(1995)

1000 Fragments

電子音楽史的には『+/-』をピックアップすべきなのでしょうけれど、カットアップコラージュが大好物なものでこちら。今やミュージシャンという括りが正しいのかどうかもあやふやな世界的現代芸術家である池田亮司ですが、初期の音源はわりとエレクトロニカっぽい作風でした。未聴の人が入りやすいのもこのへんかも。

37. セイレン / al.ni.co(1999)

セイレン

WANDSの2人による唯一のアルバム。かつてミリオンヒットを飛ばしまくった挙げ句音楽的自我に目覚めてしまって脱退した2人が、それまでの実績と知名度を楯に好き放題やったグランジーな怪作です。基本的に歌唱力はある上にそっち系の声質なのでクオリティは文句なし。当時はほぼ黙殺でしたが、もし今予備知識なしでデビューしたら結構売れそう。

38. 緑黄色人種 / Shing02(1999)

緑黄色人種

日本ヒップホップ史上に残る大傑作であると同時に、正史の外側で語られる機会のほうが多そうという。ヒップホップ界隈に蔓延るマッチョイズムとは距離を置いたライムに囚われないリリックとフロウ、そしてトラックへの偏執的なこだわり。ヒップホップ市民権を得はじめた時期だからこそ光っていました。

39. Last Century Modern / Towa Tei(1999)

Last Century Modern

初期テイ・トウワの完成形。以降のアルバムはフィーチャーしたヴォーカリストの声を軸にしている趣がありますが、今作まではどれだけ大物に歌わせようとも楽器的に使っているだけという感じがあって、それがテイ・トウワ・サウンドを裏打ちしていたような。次作以降も好きではあるんですが、ニュアンスが大きく違います。

40. カメラ・トーク / フリッパーズ・ギター(1990)

カメラ・トーク

説明不要の歴史的傑作。『ヘッド博士』よりこちらを推したのは、あちらはあの録音ではポテンシャルを発揮しきれていないと思うから。頭から終わりまでマスターピースだらけのこちらはふとした拍子に聴きたくなります。たとえば最近のように暑い日とか。今作に関しては、リマスター盤よりオリジナル盤を薦めたい。

41. OSC-DIS / THE MAD CAPSULE MARKETS(1999)

OSC-DIS

メインストリームの音楽シーンががらりと変わったのは、今にして思うとMADが安定して売れるようになってからなのかなと。「デジロック」という今きくと恥ずかしくなるタームが世界的に流行っていた時期でしたが、決して洋楽の模倣にはならないバッキバキの攻めの姿勢がメイドインジャパンガラパゴスなヘヴィサウンドを生みました。

42. 孤独の太陽 / 桑田佳祐(1994)

孤独の太陽

稀代の天才ポップメーカーによる最高傑作。おそらく本当にやりたいことを存分に詰め込めた最後の作品で、今作以降ソロとバンドとの音楽性はほとんど境界線がなくなります。そりゃ自分の匙加減次第で株価が変動しちゃう立場になると難しいですよね。フォーク/ブルースシンガーとしての桑田佳祐を堪能できる1作。

43. Crystal / DOUBLE(1999)

Crystal

DOUBLEが姉妹デュオだった頃の最初で最後の作品。この時期跋扈していた和製R&Bとは一線を画した音作りと主従が入れ替わりながら絡み合うデュオヴォーカルが美しく、一方でいかにも歌謡曲といった曲を料理する手腕も見事で、今後どれだけ素晴らしい作品を残すのだろうかと期待させられたものです。

44. CORKSCREW / 黒夢(1998)

CORKSCREW

これだけ音楽性が変わったにもかかわらずずっと売れていたバンドというのは他にいないのでは。パンク/スカにどっぷり傾倒していた時期の、解散前最後のアルバム。今あらためて聴くとマスタリングが90年代末の音じゃないですね。シングル曲以外4分未満の曲ばかりというコンパクトさも良し。

45. Ciada / 槇原敬之(1999)

Cicada

いろいろな意味でキマってた時期の傑作。ポップ職人の宿命というか、マッキーのアルバムは幕の内弁当的な作品が多てアルバムとしての評価は難しいんですが、これは珍しくコンセプチュアルで、いつも入ってるコミカルな曲もなくシリアスな内容。日本特有のジメジメとしつつ物悲しい夏模様を表現した名作です。ジャケットも素晴らしい。

46. The Sound Of '70s / 砂原良徳(1998)

THE SOUND OF´70s

まだ電気グルーヴに在籍してた時期のまりんのソロ作。良質なラウンジミュージック。飛行機内のBGMを意識したような作りはイーノ『Music For Airports』へのオマージュか。電気脱退以降のエレクトロニカ然とした音の方がソロとしての評価が高いですが(僕もそっちの方が好きですが)、この時期の作品も押さえておくとまた違って聞えるのでは。

47. 2nd / CHAGE(1998)

2nd

隣に怪物がいたせいで過小評価されてるJ-POPミュージシャンとしては、原由子と並んでツートップ。90sはヒット曲の方程式が確立された反面、良質なAORが評価される素地の乏しい時代でしたが、とりあえず抒情的で感傷的な名曲「トウキョータワー」だけでも聴いてやってください。このアルバムも少々早すぎたか。

48. TRUTH? / SUGIZO(1997)

TRUTH?

人気バンドのフロントマン以外のソロ作には名作が多いもの。絶頂期で活動休止したLUNA SEAにおいては商業的には河村隆一がダントツの大成功を収めたわけですが、音楽的に最も実りがあったのはSUGIZOでしょう。この時期にドラムンベースを積極的に取り入れエレクトロニカへの目配せも見せる音作りは、トリップホップを先取りしていたとも言えるかも。

49. STICK OUT / THE BLUE HEARTS(1993)

STICK OUT

尾崎豊もそうですが、「若者の代弁者」みたいなレッテルを貼られてしまったミュージシャンは自身が若者でなくなったあとに何を歌うかが重要。その意味でブルーハーツは断然後期派です。後期ブルーハーツを安易な社会派気取りだと受け取る人もいるとは思いますが、直接的な言葉を使いながら常に距離を置いて対象化している感じがが好き。

50. Technodon / Yellow Magic Orchestra(1993)

TECHNODON

再生YMO(×)の唯一のアルバム。往事のYMOしか知らない層からは評価が芳しくなかったようですが、いやはや、この時代のテクノ/ハウスの文脈を回収しつつYMOならではの遊び心も加わっているあたり、ただの同窓会ではない良作。バロウズの朗読のサンプリングは良いアクセントで、2曲しか使われていないとは思えないほど象徴的。


というわけで50作。

「アレが入ってない!」という声もあるかと思いますが、僕自身「アレを入れたかったけど入れられなかった! CASCADEとか篠原ともえとか森高千里とか!」という思いがいろいろ強いので、それは言いっこなしということで。

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