今日も生きてる

拝啓 三遊亭歌笑様


志らく師匠ほか多くの落語家・評論家もすすめる『幕末太陽傳』をビデオ屋で探してみた。当初のお目当ては見つからなかったものの、掘り出し物を発見。


おかしな奴 [VHS]

おかしな奴 [VHS]

落語家・三代目三遊亭歌笑の伝記映画です。歌笑を演ずるのは渥美清さん。ある程度実話に即していますが、多少、事実とは違う脚色もあり。1963年の製作当時はふるわない興行成績だったらしいですが、すごくいい映画でした。落語好きの知的好奇心として楽しめるのはもとより、落語の人情噺にも通ずる、清濁合わせもつからこその人間讃歌に感じ入れる方にはおすすめです。


とにかく私の涙腺は水道の蛇口なので、説得力ないのですけど、ここでも歌笑さんの兄弟子、師匠、お上さんとの厚い情愛ドラマ、芸人として葛藤などにぼろぼろぼろぼろ・・クルクル水道メーターが回ってしまいました。


私の急所である真打披露のシーンもあります。あれはやっぱり何度見てもいいもんですねぇ・・。生で見てうち震えた経験が既にあるので、その気持ちを思い出してじーんとしてしまいます。
カカカカッって音が鳴って幕が開くと落語家さん達が伏して並んでて、師匠が「このたび手前どもの歌笑が真打に・・」「こいつが巧いから成らせるんじゃないんです。これを機会にもっともっと勉強させてやりたいと思っての事でございます」*1とか口上してくれる・・。うおーーー真打披露たまらん!真打披露興行を見て今の自分の落語追っかけに対する態度が決定づけられた。三三さんの披露興行での小三治師の言葉を聞けたのは大きい。
関連:四月の総括


映像は白黒ですが、VHS化したのは1999年なのでノイズもなく見やすいです。私がこのビデオを発見したビデオ屋は、VHSレンタルに見切りをつけている為、そのまま買い取れるので私は買っちゃいます。ちなみに歌笑の前座時代のライバル「とん平」役として5代目春風亭柳朝が出ていますよ。


この映画に関して検索してる間に見つけた『落語野郎 大脱線』という映画、落語ファンにとっては超豪華キャストなので、これ、見たいですねえ。


思ったんだけど、wikipediaによくある「○○に関連した映画リスト」っていう項目の、落語版を作ったらデータとしてとても有意義だと思った。誰かやりませんか?またはおまえがやれってハナシ?


冬休みなので、しばらく落語資料学習&ここで発表という自主的自由研究にさける時間がたっぷりあります。少しは役に立ちそうな落語ブログ活動をしようかと思う。発表しても差し支えなかろう故人のトリビアネタがまだあるし、あと自分の経験を通して落語会を開く為に何を参考にしたか、とかもずっとまとめたいと思ってた。きっと、「噺家さんに仕事頼んでみたいと思いつつ、どうしたら良いかわからん」っていう人は他にもいるんじゃなかろうかと思う。私自信イロハを検索して調べるのに苦労したので、同様の動機を持って調べた人が情報に辿り着けるようにまとめを書いておきたかった。。つっても自分だって第一資料を勉強しただけなので、ほとんどリンクと参考資料と多少自分の考えを添えるだけだけどね。


それこそ「はてな質問」みたいに何か調べて欲しいこととかあれば、受け付けますよ。手持ちの落語資料と、はてなブックマークのネット上落語資料だけでも結構な量ですから。

*1:この師匠は架空のキャラなんだけどすごい良い師匠なんだよ!アウウアアウウウアーーー・・!(嗚咽です)