演劇×劇場×文化施設建築

2019-01-06

社説:旧県立美術館活用 市民が愛着持てる場に

秋田市民の交流施設として2020年度に開館する旧県立美術館(同市千秋明徳町)の運営管理計画の素案が示された。秋田公立美術大学との連携を前面に打ち出しているのが特徴。事業主体秋田市芸術文化によるまちおこしを進めており、旧美術館には大学や周辺の美術文化施設連携し、中心市街地のにぎわい創出の一翼を担ってほしい。

美術館は新県立美術館建設に伴い13年9月に閉館。解体検討されたが、保存の声が高まり、本年度末に県から市へ無償譲渡されることになった。市は19年度に旧美術館の改修に着手する計画だ。

改修には耐震補強や空調工事などに約10億円かかる。国の補助や県の支援が一部見込まれるが、大半は市の負担市民に納得してもらうためにも、実効性のある計画を示すことが求められる。

運営管理計画は、秋田市秋田美大に策定を委託美大が昨年4月に設置したNPO法人アーツセンターあきたが事務局を務め、7〜11月までに計4回ワークショップを開いた。市民学生、市職員、美大関係者、改修設計業者ら延べ200人が参加。活発に意見を交わした。その意見を踏まえた素案が12月市議会に示された。

創造力」をキーワードに、より多くの市民が利用し、交流できる施設にすることを基本理念に掲げている。1階は飲食や物販、イベントもできる開放スペースとし、2階は広さの異なる三つのスタジオを備え、現代美術展や舞台など幅広い発表や表現活動の場とする。3階は市民交流学生勉強などの場を想定している。

運営については指定管理者制度を導入する方針。専門のコーディネーターが各種事業の企画・運営などに携わるほか、利用者への助言なども行う。魅力的な事業を発信する重要な役割が期待される。

注目されるのが、秋田美大との連携である。13年に開学した美大には多様な教員がそろっている。一線で活躍する貴重な人材施設事業の企画にも積極的に活用したい。まちづくりのシンクタンクとして大きな力を発揮するのではないか。

市民、県民に長年親しまれてきた建物が、今後も愛着を持たれる施設となるよう市民目線で計画をつくり上げてほしい。

美術館は市の「第2期中心市街地活性化基本計画」(17〜21年度)の「芸術文化ゾーン」内に位置し、周辺には市立千秋美術館や県立美術館、にぎわい交流館などがある。21年度には県・市の新文化施設が開館する。美術文化施設が一つのエリアに集約されている恵まれた立地条件を生かさない手はない。同じテーマ展覧会を共同開催して美術館巡りを楽しんでもらうなど有機的につながることが重要だ。各施設連携強化にも力を注いでもらいたい。

https://www.sakigake.jp/news/article/20190106AK0014/

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