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入社1年目の教科書/岩瀬大輔

東大、司法試験合格、MBA、ハーバード経営大学院を成績上位5%で修了、現在はライフネット生命代表取締役副社長、エリート街道を突っ走ってきた人間の書いた新社会人へ送る社会人としてのノウハウ本。



入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

ただ、読んでいて感じたのはあくまでエリートの視点から書かれた50の指針であって、凡人にとってはとてもじゃないけれど目次に並べられた50の指針をこなすことは無理だ。悪く言えば、鵜呑みにして50項目すべてをこなせるようになることはない(項目別に言っていることや目的が違ったりするので)。

大雑把に本の流れを述べると、「社会人としての基礎(著者の考えではなく、社会人としての常識)」と「著者の考える社会人として生きていく為の工夫」が述べられている気がする。

基礎部分では、簡潔に言うと、「放置するな(そのままにしておくな)」という事が書かれている。
分からない事があったら聞け、議事録は頼まれていなくても書け、メールはすぐにでも返せ、基礎からはじめて積極的にアポを取れ、等々。
これがカバー出来たら、“できるひと”になれるだろうなあ、という基礎から始まる。

他の部分では、著者岩瀬さんの社会人としての工夫について述べられる。
特に印象的だったのが26項目目の「脳に負荷をかけよ」という項目。

負荷をかけることでしか筋肉が強くならないように、僕たちの脳も負荷をかけてはじめて活性化するのです(入社1年目の教科書/岩瀬大輔

エリートがこう語るんだから、とついつい鵜呑みにしてしまった。
要約すれば「考えることを常にしろ」ということなんだろうけれど。

ただ、どっちかっていうと著者はストイックな人間であるように思えて、「基礎部分」は勿論誰にでも参考になると思うのだけれど、考え方とか工夫の方法については合う人、合わない人がいると思うから、自分なりに変換して取り込むと最適化されると思う。

例えば「つまらない仕事なんてない」という項目があるのだけれど、それは目標のある人にとって良い考え方かどうかは定かじゃない。
回り道をした方が、着実に道を歩んだ方が目標に辿りつけるかもしれないし、近道を探した方が案外辿りつけちゃったりするものかもしれない。
ただ、大切なのは「目の前にあることを放棄しないこと」なのだと思う。この項目が言いたいのは。

「そりゃあこの本に書いてあること出来たら、ねえ・・・」と思ってしまうのはやはり著者がエリートであるからだと思う。
「私、これ苦手なんですよね・・・」そういう視点からのがあまり書かれていない、「Q.もし無理だったら」「A.無理なんてことはない」というスタンスで書かれている部分もちょっとある気がした。
そのまんま取り込むには荷が重いかれど、自分なりの変換が出来たらいいことが多く書かれている本。