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「KOIKI/赤い公園」がとにかくすごいこと今更気付いた(感想文)

KOIKI(初回限定盤)(DVD付)

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赤い公園がすごいって今更かよ〜」と思う人がいるかもしれないけれど、実際赤い公園のスゴさに気づいたのは、ここ1週間です。
赤い公園をはじめて知ったのはSMAPの「JOY!!」がきっかけだった。
SMAPの記念すべき50枚目のシングル「JOY!!」の作詞・作曲を担当したのが“赤い公園”というバンドで、とにかく若いバンドで、そんなバンドが、国民的アイドルの50枚目を担当するって、担当した津野米咲もすごいけど、SMAPもすごいなーと思った。
しかも「JOY!!」がこれまた、めちゃくちゃいい曲で…。聴くたびに泣いていた。

どうにかなるさ/人生は/明るい歌でも歌っていくのさ(JOY!!/SMAP)

コード進行とか、メロディーとか、そしてなにより詞が、明るいポップスなのに刹那を含んでいて、今思えば彼女のスゴさはこの曲にも十二分に詰まっていたのだけれど、赤い公園についてアルバムをたまに聴く、ぐらいの感じていた。

そこで、ここ最近発売された「KOIKI/赤い公園」をやっとこフルで聴いて…。

「おいおいおい〜〜〜なんだこの名曲は〜〜〜」と思わず仕事している手をとめてしまった。何回もリピートした。
「JOY!!」の時には気付けなかった、というか、個人的にこの“KOIKI”は彼女たちのいままで以上の“本気さ”を感じるのだけれど、バンドとしての迫力をどの曲以上にも感じた。

とにかくボーカルがやばい。

ボーカルの佐藤千明の歌声が、ぐーっと心に攻め入ってくる。しかも、無理やりじゃなく、聴き手に寄り添う感じなのにパワフルだ。女性ボーカルって、優しい歌声で包むような印象を与えたりする人もいれば、パワフルな歌声でエネルギーを提供する人もいると思うのだけれど、そのどれもと違う。
無邪気、って言葉が正しいのだろうか…。(ってか、KOIKIのPVでのパフォーマンスが最高すぎ!!)メロディーのせいもあるんだろうけど、なんか普通に涙腺を震わせるんだよね。心の内側の琴線にダイレクトに触れてくる。
「JOY!!」でも感じていた“明るいポップスなのに、刹那を含んでいる”という魅力が、佐藤千明の歌声を通すと何倍にも増幅して、メロディーはもちろん、“赤い公園”というバンドが演奏するからこそ、より魅力的にさせる魔法があるのだと思う。

実際「KOIKI/赤い公園」をギターでなぞって弾いてみたりするんだけれど、メロディーセンスもずば抜けている。
コード進行がめちゃくちゃ複雑で、凝っている、とかではなく、「このコード進行から、このメロディーで、この展開?」みたいな、王道を進んでないのに、聴き手にはものすごく気持ちよく聴こえるようになっている。

だから、これを違和感なく、聴きやすいように歌い上げる佐藤千明の技術もとんでもなくすごい。

んでもって、やっぱ詞がすごい。

世界が浮き足立っても/あなたが泣いてたらしょうがない/こんな時笑えるジョークを/ひとつくらいはひねり出して
呆れて笑うあなたのそばで/ずっと小粋でいたいのだ(KOIKI/赤い公園)

これも言ってしまえば、「世界中が敵になっても私だけは味方だよ」という王道のメッセージを綴っているにすぎないんだけど…。
“こんな時笑えるジョークをひとつくらいは持ってたいな/だって小粋でいたいのだ(KOIKI/赤い公園)”ってなんだよ!

泣けるだろ…。

アーティストってものすごく難しい職業だと思う。
だって“あなたの側にいつでもいるよ”とか“私だけは見放さないよ”とか言ったところで、
「いや、そもそも、会ったことないし……どうせ稼いだ金でワイワイやってるんでしょ?」とか思ってしまったら、
応援ソングなんてひとつも聴いていて楽しくない。
そういうところに嫌気がさした人たちは、J-POPを離れていくんだろうな、って思う。

でも僕は違うと思っていて、どれだけ聴き手にそれを想像させてあげられるかっていう技量なんだと思う。
安っぽい歌詞だな〜って思っても、売れている人たちは、聴き手にそれを想像させる力がきっとすごいのだ。
かといって、あっちもこっちも“負けそうなときは思い出して、私が側にいるから”とか言われても、ピンと来ないわけですよね。

だから、「そうは言うけど、どう思ってるの?」と一歩踏み込んだ歌詞も最近は多いな、と思うわけです。
この赤い公園のKOIKIは、「あなたがどうしようもなく落ち込んでいる時、ちょっとした“面白いな”ってのを提供したい」って思いが込められていると思うんですよね。
“あなたが泣いていたらしょうがない”ってのは、きっと少しだけ突き放していて、“あなた自身で立つしかないんだ!”ってことを伝えている。
そこに“笑えるジョーク”を提供することが、赤い公園というバンドにできることなんじゃないかと綴っている。

ラスサビ前のこの歌詞も痺れますね…。

誰もが自分のことで/本当はいっぱいいっぱいなんだ/寂しさに負けそうになって/明日がこわくて/それでも優しさを振り絞ってゆく(KOIKI/赤い公園)

もうほんと、このバンドのエネルギーすごいな、ってこのラスサビ前で思うんですけど…。
ドラムが小粋なことやっているのに、全然うるさくないんだもんね…。本当にバンドを支えるって感じですよ…。
そこにベースとギターが一気にエネルギーを注いで、ボーカルをバックアップするっていう。J-POPの姿。
どれひとつも欠けて欲しくないなあ(チャットモンチーを思い出す)。
たぶん、ベースも、ドラムも、ギターも、ボーカルも、どれか一つが抜けたら全く違う色になってしまうバンドだ。

このラスサビ前の歌詞ですごいと思うのは、やっぱり“共感させる”という点。
捉え方次第なんだけど「みんながんばってるから、がんばれよ」ってメッセージではなくて、「(赤い公園ですらも)いっぱいいっぱいでやっているけれど、(どんな状況下でも)優しさを振り絞ってゆくよ」という宣言に聞こえる。
すげー都合よく解釈するよ??都合よく解釈すると、

「これからも、どんな状況下でも、笑えるジョークすっ飛ばしていくから、よろしく」

って聞こえる。

んでもって、彼女らは「純情ランドセル」っていう謎のタイトルのニューアルバムを来週リリースされるわけです。
そのリード曲的なものとして「黄色い花」っていうのが動画公開されているんですが。

なんでこんな明るい歌なのに、こんなにボロボロ泣けてくるんですか?もう10回目ぐらいなんですけどね。ちょっとここまでくるとさすがに不思議すぎて、俺がおかしくなったのかな?って思うんですけど、結婚してくれません?ほんと。

幸せは手と手を合わせてできてる/誰かへのわずかな祈りでできてる(黄色い花/赤い公園)

ここ数年で、久々に何も知らないのに、胸が熱くなった楽曲&バンドでした。
こういう純粋に、ふつふつと情熱がよみがえる瞬間が、もう少し生きてみようって思うきっかけになったりしますよね。
こういう体験したのは岩崎愛記事はこちら!)以来かな〜と思ったりするんですが、岩崎愛さんはあまり売れてくれてないんですが、その後の楽曲とかもとにかく素晴らしいです。

純情ランドセル(初回限定盤)(DVD付)

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正直、赤い公園は琴線に触れすぎて聴きすぎると疲れてくることに気づきましたわ…。
感情に訴えかけすぎ…。

応援してます。