ストンリバーの日記

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2016-05-29

三間飛車名局集

 将棋戦型別名局集として、「三間飛車名局集」が先ごろ発売された。

穴熊」、「四間飛車」、「矢倉」に続いてのシリーズ第4番目の出版である。

5月6日付の当ブログで大野流振り飛車のことを掲載したので、この本のことに若干触れてみたい。


 収録された棋譜は100番である。巻末には棋士棋譜索引がある。

この索引には対局した棋士のどちらが飛車を振ったかが太字で表記されているのが親切な工夫である。

三間飛車を指した棋士(勝ち負けを問わず)のベスト5をとってみると次のようになる。

1 大山康晴名人 22局

2 升田幸三9段 12局

3 大野源一9段  6局

4 久保利明9段、鈴木大介8段、中田功7段が各5局

 関西の木見門下の升田・大野・大山で全体の4割を占めており、戦後第1期ともいえる振り飛車黄金時代象徴する3棋士が登場しているのは十分納得できることである。欲を言えば、大野さんの棋譜をもう少し取り上げても良かったのではと思う(なんといっても3間飛車の名手だったのだから)。

 この本で私が一番残念に思うのは三間飛車側の敗局棋譜が23局もあることである。振り飛車フアンとしてはやはり棋譜並べをする時には勝局棋譜を並べるのが気分が良いものである。だから、23という数字は少し多いのではないかと率直に思う。然しながら、そこのところは、振り飛車の捌きを上まわった居飛車側の妙手も味わってほしいとの編集者の方針だろうし、勝局集ではなくて名局集とうたっている所以でもあろう。


 さて、このシリーズは続編として「中飛車名局集」と「相振り飛車名局集」の出版を切に望む。

特に、相振りについては昭和58年3月に「力戦!相振り飛車の戦い」(100番)が出版されて以来、この種の本はない。30年以上、経過する中で進化し続ける相振り飛車棋譜は新たに100番を選定するにも苦労するほど棋譜量も多い。これが出版を望む最大の理由である。

 

2016-05-20

「関西駒の会」の例会訪問

 「関西駒の会」は2ヶ月に1度の割合で、関西将棋会館にて定例会(今回は5月14日)を開催されている。

詰将棋の会合「創棋会」と似たような感じの活動状況である。

関西を訪れたとき、日程が合えば両会合とものぞいてみることにしている。この会は文字通り、駒作りの同士がメインだが、関西在住プロ棋士の来訪も多く、駒作り談義に限らず指し将棋をしたり、かなり緩い会合(室内には素晴らしい駒があふれて私には目の保養にもなっている)である。


 今回は今泉健司四段と村田智穂女流二段が来られていた。

今泉四段とはしばし談笑し、村田さんには一局、将棋を指して頂いた。

 途中図はその指導将棋(飛香落戦)である。

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途中図より、下手は65歩以下快調に攻めて寄せきってしまった。

 上手より「手合い違いでした」と云われたが、駒落ち将棋というのは、下手が勝ち負けはともかく気分よく攻めさせていただくことが一番だと常々思っている。詰将棋作家の指し将棋感というものは寄せ合いが楽しみであり、まれに詰将棋の素材に遭遇することができればこの上ないのである(私だけかもしれないが)。

ストンリバーvs村田.kif 直

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2016-05-19

一流の将棋はやはり難解

 5月13日は名人戦第3局の二日目である。

昨日、せっかく姫路市まで来たので、足を延ばして大阪に来た。

やってきたのは夕方、6時からの関西将棋会館での大盤解説会である。

幸いなことにこの夕刻時点では将棋の勝負は決着していなかった。


解説に当たるのは稲葉陽八段で、聞き手は山口絵美菜女流2級である。

来館者は約30名あまりである。

今回の戦型は序盤からいろんな変化があり、山口さんが観戦者に成り代り、うまく稲葉さんから話しを引き出していた。

稲葉八段は今年からA級棋士の仲間入りをされたが、お二人との対戦経験等を聞かれたときに、羽生さんとは対局実績がなく、今後その機会に恵まれたら先手なら横歩取り、後手なら一手損角替わりを指してみたいそうだ。佐藤八段とは過去3回対戦して全部負かされたそうだ。なかでもNHK杯戦で逆転負けを喫したことが印象に残っているとのこと。


 さて、将棋のほうは後手の34手目長考後の「54飛」に対して、先手の封じ手が「58玉」だった。

5筋に備えて、玉が戻った感じだが、この時点で後手を持ちたいとの稲葉八段の見解。

70手目の後手の指し手を「次の一手」として出題がなされた。56成桂、67香成、その他の手の3択だった。

結果は78飛成のその他の手で書かれた人が17人。抽選の結果5名の方に「扇子」がプレゼントされた。

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その後、勝負はバタバタと進み、意外と短手数の76手で挑戦者の勝利となった。

 横歩取りのような相居飛車将棋は本当にムズかしい。詰将棋に例えると、飛角桂香の飛び道具が行き交う中段玉の詰将棋を解いているイメージに私はつながる。本局のように、中段へ引っ張り出された玉の寄せはなおさらの感じがいたします。

だから、私は振り飛車が好きというのは少し意味合いが違いますが、似ているような感じがしないでもない。

そもそも、居飛車党は指し方の苦労が多いというのは少なからず事実でしょう。

 これで、挑戦者がひとつリード、シリーズの行方が俄然、面白くなってきましたね。

羽生vs佐藤.kif 直

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2016-05-18

タイトル戦は女流が面白い

 5月12日は名人戦第3局(初日)と女流王位戦第1局が開催されました。

九州に住んでいるのに鹿児島ではなく、姫路市へやってまいりました(振り飛車戦観たさに)。

第27期女流王位戦第1局は例年通り、姫路市で行われ、その解説会がJR姫路駅近くの姫路キャスパホールで神吉宏充七段のもとでおこなわれました。彼は10年近く解説を担当されているそうで、今年は聞き手に室田伊緒女流2段を迎え、集まった将棋フアンは約100名でした。


 里見女流王位と挑戦者の岩根女流3段は過去16戦して、8勝8敗だそうですが、ここ数年の里見さんの棋力アップは抜群で過去のデータはあまり当てにできそうにありません。

 二人の対局は以前は相振りが多かったのですが、最近、相手の得意を受けてたつ棋風の里見さんの指し方が注目されるところです。

将棋は96手で里見さんが勝ちましたが、神吉7段の総括によると、34角vs89角など、構想力の差が出てしまった将棋のようです。


 よくある解説会と変わっていたのは「次の一手」の出題です。

近年、スマホなどでリアルタイムの将棋内容を見ることができるために、聞き手を務めている室田さんの指したい手を当ててもらうというものでした。問題として出された途中図ですが、本来なら里見さんの指した「87と」が正解ですが、室田さんが封じた手は「56歩」でした。

 なかなか新鮮な感じがして良いアイデアだと思います。なんといっても、フエアなところがいいようです。

「女心は女が分かる」という風にはうまくいかなかったようですが、対局者対傍観者の差が出たのかもしれません。

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岩根vs里見.kif 直

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2016-05-06

継承したい大野流振り飛車

 大野源一九段が不慮の事故で亡くなられてから37年が経過する。

大野さんは戦後の将棋界で江戸中期以降すたれていた振り飛車をプロの戦法として復活させ、「振り飛車名人」の異名を持っていた。

弟弟子の升田さんも「大野さんの捌きは日本一だ」と絶賛したほどであった。

 

 大野流は振り飛車党が少ない現代将棋界においては、華麗な捌きを信条とする純粋振り飛車党の久保利明九段がりっぱに引き継いでいると思っている。

大野流振り飛車は3間飛車に好局が多いが、中飛車に注目して今回は棋譜を拾ってみた。

その中飛車にも特徴がある。53銀型(先手なら57銀)中飛車であり、ツノ銀中飛車は少ない。この銀の位置なら3間への転用もしやすいなど、軽快な捌きをめざす棋風にふさわしいのだろう。


 まず、紹介したいのは最後の順位戦となった対局(1978年)より、

大野源一 vs 本間爽悦 の一戦である。

▲76歩  ▽84歩   ▲56歩  ▽85歩   ▲77角  ▽54歩   

▲58飛  ▽62銀   ▲55歩  ▽同歩    ▲同飛   ▽42玉

▲48玉  ▽32玉   ▲78金  ▽42銀   ▲68銀  ▽34歩

▲59飛  ▽77角成  ▲同銀   ▽52金右  ▲38玉  ▽33銀

▲28玉  ▽14歩   ▲16歩  ▽42金上  ▲38銀  ▽24歩

▲66銀  ▽25歩   ▲77桂  ▽53歩(途中図)

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途中図は34手目後手が53歩と打った局面である。

この局面はまるで、ゴキゲン中飛車の角交換型によくあらわれる形と思いませんか。

40年以上も前に、こういった将棋が指されていたことにあらためて感慨と驚きを覚えます。

それでは途中図より終局まで棋譜を追ってみましょう。

▲89飛  ▽74歩   ▲86歩  ▽同歩    ▲85歩  ▽64歩

▲86飛  ▽73桂   ▲75歩  ▽63銀   ▲95角  ▽65桂

▲73角成 ▽81飛   ▲65桂  ▽26歩   ▲同歩   ▽65歩

▲同銀   ▽75歩   ▲36歩  ▽76歩   ▲46馬  ▽77歩成

▲同金   ▽71飛   ▲72歩  ▽同飛    ▲73歩  ▽62飛

▲84歩  ▽54銀   ▲同銀   ▽同歩    ▲53歩  ▽同金左

▲83歩成 ▽27歩   ▲同銀   ▽55銀   ▲72と  ▽64飛

▲81飛成 ▽46銀   ▲同歩   ▽61歩   ▲76桂  ▽65飛

▲66金  ▽同飛    ▲同歩   ▽67角   ▲38金  ▽25歩

▲同歩   ▽26歩   ▲同銀   ▽49角成  ▲27銀  ▽48金

▲39銀  ▽56桂   ▲37銀  ▽38金   ▲同銀引  ▽76馬

▲61龍  ▽51金打  ▲91龍  ▽66馬   ▲62と  ▽57角

▲51と  ▽39角成  ▲27玉  ▽26歩   ▲同玉 まで111手で先手勝ち。

 後手に5筋を固められた先手は89飛と飛車の転回を図って8筋より手を作っていきます。

玉頭から美濃の形を乱され二度の銀冠に補充しながらも2枚角で迫られますが、何とか寄せ合い勝ちをおさめたといったところです。

 以下は本局を含めて、17局の実戦譜を集めてみました。

1  大野源一vs本間爽悦(55歩交換型中飛車

大野vs本間.kif 直

2 大野源一vs前田祐司(55歩位取り中飛車

大野vs前田.kif 直

3 坪内利幸vs大野源一(53銀型中飛車

坪内vs大野.kif 直

4 板谷進vs大野源一(53銀型中飛車

板谷vs大野.kif 直

5 大野源一vs木村義徳(57銀型中飛車

大野vs木村.kif 直

6 大野源一vs芹沢博文(57銀型中飛車

大野vs芹沢.kif 直

7 大野源一vs松田茂役(55歩位取り中飛車

大野vs松田.kif 直

8 坂口充彦vs大野源一(53銀型中飛車

坂口vs大野.kif 直

9 大野源一vs関根茂(57銀型中飛車

大野vs関根.kif 直

10 大野源一vs山田道美(66銀型中飛車

大野vs山田.kif 直

11 加藤博二vs大野源一(55歩位取り中飛車

加藤vs大野.kif 直

12 大野源一vs内藤国雄(55歩位取り中飛車

大野vs内藤.kif 直

13 大野源一vs二上達也(55歩位取り中飛車

大野vs二上.kif 直

14 加藤一二三vs大野源一(ツノ銀中飛車

加藤一二三vs大野.kif 直

15 大野源一vs南口繁一(55歩位取り中飛車

大野vs南口.kif 直

16 大野源一vs大山康晴(55歩位取り中飛車

大野vs大山.kif 直

17 大野源一vs萩原淳(57銀型中飛車

大野vs萩原.kif 直

    
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