ソーダストリームの偽装表示問題:誇大広告(その2)

ソーダストリームが「お得」というゴマカシ

ほとんど冗談のような展開になりつつある「偽装表示問題」ですが、百貨店が自ら扱っている商品についての責任をできるだけ誤魔化そうとしているという点については、ソーダストリーム問題においてこそ顕著だといえるでしょう。

家庭用炭酸水製造器ソーダストリームのホームページには、

ソーダストリームはあなたのお財布にも優しい製品です。・・・sodastreamなら炭酸飲料500mL1本あたり約54円!炭酸水だけなら約18円です。・・・500mLペットボトルを1日1本購入された場合と比べると、(1本150円換算)年間で約35,040円もお得! 長く使うほど、とっても経済的です。

と説明されています。果たして本当にソーダストリームは、使えば使うほど「お得」な商品なのでしょうか?

この広告には、二つのウソが含まれています。一つは、500mlあたり「炭酸水だけなら約18円です」という記載です。これは、ソーダストリームのガスシリンダー1本で60リットルの炭酸水(500mlボトル120本分)を作れるという前提で、交換用ガスシリンダーの価格2100円を120で割ると17.5円になることを根拠としていると考えられます。シロップ代36.6円(880円÷24本分)を足せば54円となるわけです。

ところが、インターネット上では、1リットルボトルで「33本しかできなかった」、「通算約35リットル製造したところでガス欠に」、中には、500mlボトルで「40本(20リットル分)作った時点でガス欠終了となりました」という苦情が上がっています。仮にガスシリンダー1本で平均40リットル作れるとしても、500mlあたり26円です。これに、シロップ代36円を足せば、62円。最近では、通販等でコカコーラの1.5リットルボトル8本が1200〜1500円程度(500mlボトル換算で50〜62円)で売られているので、ソーダストリームの本体代も含めて考えると、まったく経済的ではない、ということになります。

もう一つの問題は、「500mLペットボトルを1日1本購入された場合と比べると」という記載ですが、この前提は、「ソーダストリームの偽装表示問題:誇大広告(その1)」で指摘した通り、何の根拠もないものです。しかも、仮に格安の炭酸飲料を購入した場合と比較すれば、ソーダストリームを使えば使うほど、損をすることになります。「年間で約35,040円もお得!」という宣伝は、何重ものウソとゴマカシを重ねた末にひねり出した「偽装表示」に他なりません。

もちろん、ソーダストリームのゴマカシの最たるものは、パレスチナ人から盗んだ土地に作られた違法入植地で生産していることを徹底的に隠ぺいしているという点にあります。

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■参考
ソーダストリームの偽装表示問題:誇大広告(その1)
ソーダストリームの偽装表示問題:産地偽装
ソーダストリームが違反している可能性のある国内法規
ソーダストリーム工場の現実:酷使されるパレスチナ人労働者
ソーダストリームのどこが問題?
何ができる?
ソーダストリーム回収キャンペーン:知らずに買ってしまった!という方へ