9月10日(火) 香格里拉―迪慶チベット族自治州へ

換金の次は15日に昆明まで戻る便のリコンファーム、そして明日の郊外一日観光に申し込み…と、やっておくべきことはけっこうあります。ホテルが集中する十字路でミニバスを下り、雲南航空直営の迪慶観光酒店に隣接するチケットオフィスへ。ここで日本で購入した航空券に確認の印を押してもらいリコンファーム完了です。昆明へ戻ったその日の午後便で帰国なので、霧などの天候不順で大幅に遅れたり欠航になったら大変です。係の人に天気情況を尋ねると、「今ごろは順調なので心配ないです」とのこと、この一言ですっかり安心しました。
町外れの食堂で遅い昼食をとることにしました。ガイドブックに書いてあるとおり、値段を書いたメニューはなく、材料を自分で選んで調理してもらいます。ここは"珍肉"の店、おかみさんは山羊肉をすすめてくれましたが、高原に来たらやっぱりヤク肉です。ヤク肉をシチュー風に煮込んだもの以外におかずを二品ほどつくってもらって20元。味付けもなかなかのものでしたが、ヤクは煮るより焼いたほうが美味しい。
チケットオフィス内に旅行社が入っていたので、碧塔海(ビーターハイ)方面へ行く一日観光と徳欽(ドゥチン)へ行く一泊二日の観光ツアーについて聞いてみましたが、夏の観光シーズンが終わった今ごろは個人で入り込めるツアーはほとんどない状態。そこで『地球の歩き方』に出ている地図を頼りに中国国際旅行社を探してみましたが見当たらず、タクシーを拾って行ってもらったところが、反対方向の南の街外れ、埃を巻き上げながら狭いでこぼこ道を入り停車したのは、昔ながらの木造家屋の前。看板にはたしかに"迪慶中国国際旅行社"とあります。裸電球に照らされた古びた家屋の中にはパソコンや電話が置かれた大きな木のテーブルを囲んで三人の若い女性職員。事情を話すとすぐに某所へ電話を入れてくれ、さらに「ここへ直接連絡すれば必ず手配してくれるわ」と電話番号を書き込んだ名刺をくれました。
あとでわかったのですが、これはホテルで紹介してくれた"散客中心"の番号でした。フロントで"北へ500メートルほどのところ"と聞いたのでそのつもりで歩いていくと街外れへ。来た道を戻りながらあちこち尋ね回ってようやく"迪慶中国国際旅行社散客中心"の緑の看板を見つけました。なんと迪慶賓館から200メートルほどの街の中心、大きなショッピングセンターが二棟並んだ向かい側、雪蓮賓館北の十字路角という目立つところです。『地球の歩き方』の地図が間違っていたのでした。
"散客中心"は個人旅行者専門にツアーを組んでくれるところで、郊外一日観光なら、車代、ガイド料、入場料、昼食込みでだいたい150元で手配してくれます。普通は三人以上、二人でも多少割高になるようですが可能だとのこと。その他、車のみの手配もしてくれるようですが、一人だけというのはトラブルが多いという理由で受け付けてもらえませんでした。明日はあいにく碧塔海(ビーターハイ)方面一日観光の催行なし。こうなれば他の旅行社をあたってみるほかありません。
歩き回ってホテルに戻り、ふとフロントの奥を見ると"迪慶賓館旅行社"の文字、まったく灯台下暗しとはこのこと。さっそく中に入って頼んでみたところ、ホテルのツアー客用観光団に入れてくれることになりました。碧塔海(ビーターハイ)、松賛林寺(ガンデン・スンツェリン)、納[巾白] 海(ナーパーハイ)等を観光し、車代、ガイド料、入場料、昼食、さらに夕食が付いて200元です。
明日のスケジュールも決まってほっとしたところ、夕食は街の南の外れ、国道沿いにあるチベット・カフェに行ってみました。喫茶店風の垢抜けたお店で、こぢんまりとした店内には極彩色のチベット風テーブルが置かれ、インターネットも無料で楽しめます。欧米人のお客が多いらしく、マスターの女性は英語ぺらぺら。バター茶はポット式なのであきらめ、チベット風ミルクティと蜂蜜パンケーキ、ヨーグルトを注文して22元。出てきたパンケーキは大型フライパンそのままの巨大なものでした。
明日のツアーは7時半にロビー集合です。(2002年掲載)