回想:瀋陽へ留学

私が1年半後に転校した北京の学校は、学生の6割が留学生という
大学だったので、正に瀋陽の学校と正反対であった。
学生も近所の人も外国人を見慣れており、
外国人留学生が飽和状態のためか、
北京では、校内で中国人学生に接する機会もほとんどなく、
友達らしい友達は一人もできなかった。

北京人や上海人は普段から外国人を見慣れているので、
いちいち外国人に対して騒いだり珍しがったりしないが、
瀋陽あたりだと、日本人(外国人)が珍しくて、町の中やレストラン
などでも、あっという間に人だかりができたりもする。
そして遠慮なく、歳はいくつだ、結婚してるのか、子供はいるのか、
大学の学費はいくらだ、寮費はいくらだ、留学は国費か私費か、
日本の親は何の仕事をしている? と、めちゃめちゃ個人的な質問
なども、矢継ぎ早にガンガンとしてくるのだ。

また、中には日本のお金を見せてくれとか、切手を見せてくれ、とか
言う人もいる。
こんな時は「持ってない」というのがベストだが、
私の友人は、正直にも財布から取り出して
これが1円で、5円で、100円で・・・と説明を始めた。
すると、「ありがとう、記念にもらっておくよ・・・」と、有無を
言わさず返してもらえなかった。
まぁ、そりゃ、そうだ。
一旦わたしたら、あげたも同然だろう。
「500円玉とか万札とか出さなくて良かったって思う事にする
よ・・・」
と、少し悲しげだった彼のコメントは印象的だった。

                      (つづく)
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