風が強く吹いている
映画「風が強く吹いている」観ました。原作は既読です。
あらすじ
直木賞作家・三浦しをんの小説を映画化。素人同然の寄せ集め陸上部が、箱根駅伝出場を目指して奮闘する青春群像劇。ケガで走ることを諦めたハイジとある事件を契機に陸上の世界から姿を消した天才ランナー・カケルが運命的な出会いを果たし…。
箱根駅伝に挑む素人同然の寛成大学の10人。
原作と比べると、それぞれのキャラの描かれ方が弱いなあという感じです。限られた尺のなかではハイジさんとカケルが中心に描かれるのは仕方ないのかなあ。ムサと神童とかニコちゃん先輩とユキとかキングとか双子とか王子とか!!それぞれの関係性とかがちょっと分かり難い感じでした。その辺はすごくもったいないなあと。
カケルが徐々にみんなと打ち溶け合っていく感じも、映画もそれなりに描かれていましたが、ちょっと弱い。
箱根駅伝前のキャラクターの関係性がじっくりと原作では描かれているので、説得力と後半での感情移入度がすごかったです。
じゃあ、この映画の何がよかったというと、やはり「走り」ですね。
カケル役の林遣都の走り姿が美しいこと!!ちょっと細すぎる気がするけど。実際、林遣都は小学校から野球をやっているスポーツ少年なんですね。この映画のトレーニングで、大学陸上部から駅伝ランナーにスカウトされるほどだったらしいです。(wikipedia参照)
あとは、箱根駅伝のシーンがいいですね。走っている姿っていいですね。ただ走って、襷を繋いでいく。それだけなのに、どうしてこうも感動してしまうんでしょう。実際の箱根駅伝もそうですが、不思議と惹きつけられますね。
いいですね箱根駅伝。
「走る」とはなんなのか。それは走ってみないと分からないです。走っても僕には分からないかもしれないけど。でも、なんだか走って走って、風を強く感じたい。
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老ヴォールの惑星/小川一水
老ヴォールの惑星読みました。初小川一水作品。
偵察機の墜落により、おれは惑星パラーザの海に着水した。だが、救援要請は徒労に終わる。陸地を持たず、夜が訪れない表面積8億平方キロの海原で、自らの位置を特定する術はなかったのだ―通信機の対話だけを頼りに、無人の海を生き抜いた男の生涯「漂った男」、ホット・ジュピターに暮らす特異な知性体の生態を描き、SFマガジン読者賞を受賞した表題作ほか、環境と主体の相克を描破した4篇を収録。著者初の作品集。
面白かったです!
SFだけど、そんなに難しくなく気軽に読み進めることができました。4つの中編からなっていて、どの話も主人公に感情移入しやすい感じです。
四つの話は
「ギャルナフカの迷宮」
「老ヴォールの惑星」
「幸せになる箱庭」
「漂った男」
というラインナップ。
表題作でもある「老ヴォールの惑星」は、まさにSFという感じ。サラーハという惑星に住むただ一種の生命体の話。彼らは、それぞれの発する光によってコミュニケーションし、知識と経験を譲り、受け継いでいく。彼らは死を恐れない。知識を他人に譲り渡すことなく没する孤独死を恐れた。
あと、「漂った男」も面白かったです。惑星パラーザの海で漂流し続ける男の話。どこか飄々とした感じもするが、漂流を続けることが日常と化していく主人公。そんな主人公にどんどん感情移入していってしまいます。最後はベタな感じですけど、思わず泣いてしまいました。
どの話も面白く、読後感も素敵です。
どうしようもないような状況・環境でも、自分達に出来ることをやっていく。
読んでよかったです。
老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))
- 作者: 小川一水
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