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迷馬の隠れ家…はてな館w

2018-08-14

パンに学ぶ“食の安全”にまつわる話。

時折巷に流れる、大手製パン会社の“危険なパン”にまつわる都市伝説…アレの類の“正体”ってのは、パン製品の多くが“カビない”事を根拠にしてる訳だが、その“理由”に防腐剤を大量に混入してるとしてるが、そもそもパン生地自身はイースト菌や天然酵母の発酵によって作られるため、その段階での防腐剤添加なんて“不可能”であり、生地中に詰める具材も、一緒に焼く(or揚げる)モノに関しては、そもそもからして調理中に一度加熱処理したモノであり、大概のモノは使用するまで冷凍保存を行ってる…つまり、“なまもの”を使ってる訳ではない。したがって、防腐剤を使ってまでも消費期限を延長させてるというのは、消費者の恐怖心を煽るデマであって、本当に危ないのであれば、むしろホームベーカリーで作る方が危ない。それはなぜか?

その答えとして言えるのは、製パン工場の“衛生管理”を、家庭や手作りで勝負してるパン屋と比較した時に“全然違う”ってことに尽きる…つーのも、オープンキッチン形式で作るパン屋の方がむしろ“不衛生”としか言い様がない訳で、工場での大量生産は、焼成後にパッケージングまでの過程を“無菌状態”にできるのに対し、対面販売の手作り系は、陳列も含めて雑菌に対して商品が“無防備”なままで置かざる得ない訳である。つまり、“美味しいパン屋”のパンが常温で日持ちせずにカビが出たり、食中毒を起こすのは、防腐剤を使っていないのではなく、店舗が外気に触れやすく菌の混入や増殖を防ぎ切れないだけの話であって、製パン工場と同じだけの設備を持っているのであれば、結果としてはほぼ同じになる。

オイラの母方の祖父はパン職人だったからこそ言える話だが、小さな手作りパン屋ができる食中毒対策なんてのは、異物混入を防ぐことと、購入者に対して早めの消費を促すのが関の山であって、長期保存となると、小分けしてから冷凍庫に入れとけとしかアドバイスできない。それっくらい、実は製パン工場が導入してるクリーンパッケージシステムは、個人レベルでは大掛かり過ぎてコストに見合わない代物であり、大量生産をやる訳じゃない以上、邪魔でしかない。逆をいえば、工場で大量に、一括して製造するのであれば、異物混入の“原因”になり得る作業員(=人間)を、極力関わらせない様に作業手順や機械配置をやっておけば、基本、安全かつ安定した品質で作ることができる訳であり、焼成後に外気に触れない様密閉した“クリーンルーム”で袋詰めしたら、顧客が開封するまでは、理論上腐敗することはない。

さっきも言ったが、パン生地は“発酵”というプロセスを経ないと作れない訳であり、焼成後に防腐剤を塗るにしても、焼きたてに塗っても水分が蒸発してしまって定着しないし、冷めてから塗ったら、表面がカラカラな生地が水分を大量に吸収して食べれたモノにならない。つまり、その時点で“パン生地に防腐剤”ってのはあり得ない話であり、生地を作る段階での添加も、その成分が発酵の妨げになるが故に、生地が膨らまず、生麩の様なモノになってしまう。焼成しても膨らまないから、当然ながら南部煎餅や堅焼き煎餅よりも硬い、異質なものになる。つまり、“パン”とは言えない…てか“食品”としても怪しいモノに変質する。もちろん、蒸しパンの類でも、ベーキングパウダー添加や卵白をメレンゲ状にして生地を膨らませる方法ならイースト菌発酵は必要ないが、中華まん形式の生地は通常のパンと同じ様に、イースト菌発酵生地が使われる。仮に、防腐剤添加で日持ちさせるのであれば、イースト菌発酵が伴わない生地に限定される訳であり、それでも調理の最終段階で加熱処理が入るため、加熱温度が低いとともかく、高温調理の場合、ほぼ成分が蒸発して消えることになる。

故に、焼菓子や半生菓子(どら焼きなどの類)の場合、材料に防腐剤を混ぜるのではなく、個別パッケージに脱酸素剤や食品用除湿シート等を同封する訳であり、通常の食卓パンや菓子パンの場合は、焼成から出荷までの行程の内、袋詰めまでの段階は完全機械化(無菌室化)することで、商品に対する雑菌汚染を防いでる訳である。同じ様な話をするなら、個別包装されてる生餅も同じで、材料の餅米を蒸し器になってる機械に投入したら最後、包装までの全段階でオートメーションで作られる。だから、個別包装を開封しない限り、餅全体にカビや雑菌が増殖することなんてあり得ないのである。

フリマやコミケといった、野外や大多数の人員の出入りが激しいトコで、一般参加者による手作り菓子や軽食の販売を禁じてる理由も、実は食品衛生法に基づいた規制があって、企業ブースで販売されているモノに関して規制がないのは、衛生管理が成された工場での一括生産によって作ってるからこそであり、一般家庭の台所や飲食店の厨房で調理されたモノに関しては、そこまでの衛生管理下で作られたモノではないからこその“食中毒対策”での話である。デパートでの“実演販売”ってのも、会場となるデパートの催事スペース内での出店を条件に、衛生管理責任者の証明書を、当該自治体の保健所が出してくれるからできるのであって、それがないと、いくら腕のいい料理人が自慢の料理を振る舞いたくても、会場内で食中毒事故が起きれば、責任取るために主催者から“出店禁止”という処分となって跳ね返ることになる…こうなると、地元で営業してる店舗はたまったモンじゃない訳であり、ゆえに断るケースもあるのだ。“消費期限が短いから安全”というナチュラリストの概念は、食品衛生法を遵守する飲食店や食品加工会社から言わせれば、“食中毒ナメんな”な話なのです。

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