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Lism.in * blog - nekoya (id:studio-m) RSSフィード

2007-07-18

一連のCSS Nite騒動について雑感

状況を把握していない方は、まずこちらを。

今回の件は、そもそもお金方面の話やそこから派生したセミナーの質についての議論が発端でした。有料・無料や金額云々については、僕はいろんなスタンスがあっていいと思うし、CSS Nite的なスタンスのイベントもいいと思います。そしてもちろん、それについて意見を述べる事も構わないと考えます。無責任すぎる意見は問題かなとは思うけど、責任を追求しだしたらキリが無いとも思うので、線引きは難しいですが。

で、そんなことは今更言うまでもないことで、自分の主義に合わなければ参加しなければいいだけだというのも今更僕が言うまでもないことです。ただ、今回このことが大きな反響を呼んだのはそんな表面的なことではなく、その裏に込められた想いがあったからでしょう。もちろん、純粋にイベントについて意見を述べている人も多数いますが、やはり今回は「そうではない」部分が目につきました。主催者側の反応が明らかに私情にかられすぎていたから。

そんな裏の側面が見え隠れしていたこともあって、自分は何も書かないでおこうと思っていたら、id:amachangがやってくれました。

このままヌルヌル行くのかなと複雑な気持ちでいたところに丸裸で突っ込むようなエントリ。内容やその時実際にどうだったかは外からは分からないし、何も言えません。ただ、この状況下で自分の気持ちをここまで赤裸々に書き綴ったことはすごく勇気のある行動だと思うし、応援したいとも感じました。

CSS Niteの空気感

実際にCSS Niteの人々がそう言ったかどうかはさておき、ああいった空気の中でエンジニアが蔑まれるのは仕方ないと思います。価値観の違う世界では、異質なものが理不尽な扱いを受けることなんて世の中いくらでもあります。

自分がCSS Niteのイベントに出たのは、CSS Nite Shuffleの1回だけで、今回の「Web標準の日々」のことは全く分かりません。なので認識がズレている部分があるかも知れませんが誤解を恐れずにあえて感じたことを書きたいと思います。ちょうどその時にamachangもいたことだし。

あの日、彼が参加しているのを見て僕の率直な印象は「エンジニアが敵地に乗り込んでくるなんて勇気あるな」というものでした。自分の中ではデザイン系・おしゃれ系のイベントというのはエンジニアにとってそれぐらい違う土俵だという意識があるので、違う世界のイベントに積極的に参加していろいろなものを見ようという姿勢は立派だなと思いました。

CSS Nite Shuffleは開幕いきなり室内楽の演奏が入ったりして、僕自身「何だこりゃ。俺のいる世界じゃねぇ」って感じだったのですが。「そんなのいいから早く始めてくれよ。これで帰るの遅くなるのは嫌だよ」とか思いましたが、勉強会だと思って参加したのが間違いだったなと。あれはそういう物も含めて「僕たちWebデザイナー、イェーイ」みたいな空気感を楽しむイベントでしたね。それが悪いというのではなく、そういうイベントもありだと思います。業界の裾野を広げたり、企業の広報部門とWeb制作の距離を近付けるという意味では有意義だと考えています。

そんな別の世界にあえて乗り込んでくれた彼が、そこで打ちのめされるような思いをしてしまったことは非常に残念でなりません。僕は常日頃から、もっとエンジニアリングとデザインの連携がうまくいけばWebというメディアはもっともっと発展すると考えているので、「CSS Niteにamachangがやってきた」ということには大きな期待を寄せていたのですが…

■逆のケースも経験してきた

ここからは具体的に今回の件で誰が何を言ったという話から少し風呂敷を広げたいと思います。自分の印象論になってしまいますが、この際なので日頃感じていることを書き連ねたいと思います。

今回は「オサレ系の人々にエンジニアがバカにされた」ということが取沙汰されています。何度も繰り返しますが本当かは自分には分かりません。が、そこに大きな説得力を感じている人が少なくないのは、そういう空気を経験した人がそれだけいるということもあるのでしょう。

ただ、逆に「エンジニアの輪の中でデザイナー(コーダー)が蔑まれる」ということも同じぐらい、むしろそれ以上にあるのではないかと僕は感じています。単に今まで自分がいた環境が悪かっただけという可能性もありますが、何だかんだで7年ほどこの仕事をしてきて、その間にエンジニアデザイナーの両方とも中途半端とも言えるポジションでやってきた印象としてはそうです。「あいつらシステムのこと(あるいはサーバのこと)なんて何も分かっちゃいないくせに、表面だけ整えていい気になりやがって」みたいな空気を感じたことは少なくありません。本当に自分の周りだけだったらそれはそれでショックなんですが。

■総括

今まで、「エンジニア界」と「デザイナー界」というのはブログの上で交わることはほとんど無かったように思います。まさに平行に存在する別の世界という感じで、相容れない印象がありました。今回、こういう争うような形ではあるけど2つの世界が交わったということを契機に、相互理解はできないまでも、何年か後に「あの時あれがあったから世界が広がった」という振り返り方ができればいいなと思います。…まぁ、こんな形では難しいかも知れませんが。

ただ、自分としてはこのまま「あいつら気に食わない」でお互いが物別れになってしまうのはすごくもったいないし、Web全体で考えた時にとてつもない損失になってしまうような気がしています。個人レベルでのどうこうはさておき、別の世界の違う価値観ということをお互いがもっと意識できるようになれば、この論争も大きな意味を残せるのではないでしょうか。

何だかまとまってないけど、これでひとまずまとめとさせてください。

参加費とかの是非についても、この問題について書きたいことを書いたので、改めて書きたいと思います。スキル高い人があまり安く安くやっちゃうと、業界自体が先細りすることにつながると思うので、そのへんを。

ポトフポトフ 2007/07/19 09:48 最近、ウェブの業界で仕事をしはじめていて、「エンジニア界」と「デザイナー界」のどっちでもない気がするんですが、どっちの領域もある程度理解できる微妙な立場なんですが、もったいないですね。海外ではどうなんだろ。ここが上手く手を組まないと面白いサービスができないのになぁ。なんて思いました。

RintaRinta 2007/07/19 11:18 なんとなくなんですが「あいつらシステムのこと(あるいはサーバのこと)なんて何も分かっちゃいないくせに、表面だけ整えていい気になりやがって」という部分には「嫉妬」を感じるんですよね。嫉妬は相手の価値を認めたくないのに、認めざるを得ないから生じるけど、オサレ系→技術系にあるのは侮蔑なのでは? 相手を認めないという点では共通点があるけど、背景にある感情は、また違うものじゃないかなと。

yoh596yoh596 2007/07/19 14:34 webの世界は疎いのですが外野から一連の騒動を見て、キャメラマンと監督の関係に似てるなーと感じました。
なので”オサレ系”というより”指示側・マスに露出側系”なのかな、と解釈しています。
そういった人々-監督-は本来、”より職人”である方々に敬意を持ちますし、
”より職人”である方々-キャメラマン-は、意義が薄い(と思われる)事柄への理解(もしくは無関心)があると思います。
両者のより良い関係は(戦友にはなり得ないから)盟友であると思うのです。

若い我武者羅な職人さんの憤りは痛いほど判ります。
特にこの場合、敬意の無い言葉が彼の信念を傷つけたと考えると、
悲しく思います。

ChaborinChaborin 2007/07/19 15:17 このへんは大昔に言及した覚えがあります。結局のところ、本当にすごい人は両者の垣根なんてあっさり跳び越えていっちゃう。片方の世界に固執しちゃうのはもったいないです。
http://tinyurl.com/yrdgxy

studio-mstudio-m 2007/07/20 00:55 コメント、トラックバックを下さった皆さん、ありがとうございます。
こんな零細ブログに人がたくさん来るのは初めてなので若干浮き足だっています。

>ポトフさん
海外の状況は自分も全く知らない、というかそもそも思い至りませんでした。
確かに気にはなりますね。開発系の話題は目にしても海外のWeb制作事情は
ほとんど伝わってこないので、興味のあるところです。

>Rintaさん
自分の過去の経験では、「デザインやJavaScriptのように外から見える部分が
多いと簡単なことをしても凄く見える」という部分でバックエンドの担当から
「おいしいところを持って行かれるから悔しいw」と言われたことはありますね。
あくまで自分の印象ですけど、そういう「おいしいとこ取り」に対する嫉妬は
わりとあるような気がします。
オサレ系→技術系はいろんなパターンがあると思うので難しいですね。
そのあたりについては別のエントリをまとめるつもりです。

>yoh596さん
そうですね。今回の件に関しては、監督−カメラマンという関係に通ずるところが
あるのかも知れません。Web業界はまだ明確な職制が引かれておらず、業界内でも
お互いの関係を手探りしている段階だと思います。特に、今回のケースでは
制作の人間なのか広報の人間なのかも分からないぐらいの混乱があったのかも
知れません。恐らく今後もこういった不幸な出来事はいろいろなところで起こると
思われますが、そうした混沌も含めてこの業界の面白さだと自分は考えています。

>Chaborinさん
消えてしまっていたリンクが多かったのですが、自分の考えに近いものもあり、
興味深く読ませて頂きました。自分も片方の世界に固執するのはもったいない、
と長い間考えていましたが、近頃は一極への集中による圧倒的な力に
感服することも多いです。

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