春を待つ季節

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 今日は桃の節句、雛祭り。
 右の写真のお雛様は、先日湯布院を旅行した際に、旅館「亀の井別荘」のショップ「鍵屋」で購入したもの。なんとも素朴で愛らしい表情と、2人寄り添った雰囲気がとても気に入っている(この写真自体は、2月9日に撮影)。
 3月に入るのを待っていたかのように、寒さが緩み始めて気候が少し穏やかになったような気がするし、空気が少し湿気を含んで暖かくなってきたようにも感じる。梅や沈丁花など、花の香りが少しずつ空気の中に混じってきている。
 春の到来を予感させるような、ここ数日だ。
 寒い冬も好きなのだが、この少しずつ空気が緩んで春へと向かってゆく季節も、何か新しい始まりを迎える前のような、ちょっとワクワクさせるような気分になってきて、これはこれでとても好きだ(幸い花粉症とはまだ縁がないし)。
 春を待つ季節、である。

雛祭りの食卓

 雛祭りの、食卓のしつらい。
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 食卓も、リネンのテーブルクロスの上にリネンのマットを敷いて、ちょっと改まった装いで。
 「しつらい」はもともと「室礼」と書く(当て字という説もある)。室内での礼儀、でもあるのだ。季節の節目でもある「節句」には、改まった気持ちの礼儀を示し、襟を正す。季節の移ろいを形に表す、日本の文化ならではの「作法」のようなもの。
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 本日の夕食のメインは「あなごのちらし寿司」。高山なおみさんの「おかずとご飯の本」に載っていた、うなぎちらしの作り方を妻がアレンジ。
 スーパーで安かったとのことで、うなぎの代わりにあなごを使用。寿司飯に「ゆかり」がまぶしてあるのがポイントで、紫蘇の香りがかぐわしい。さらに実山椒の佃煮も混ぜてあるので、山椒の香りや味が、全体のいいアクセントになっており、飽きずに食べられる。とても美味しくて、いくらでもいただけそうなちらし寿司だ。
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 ちらし寿司に添えられたお吸い物は、鰹と昆布の出汁。さらにクレソンが入っているので、非常に複雑かつ奥深い香りが素晴らしい。
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 食後には、番茶と甘味「柚子煉り」を少々。心穏やかな、食後のひととき。
 このあと、残っていた妻の手作りティラミスも、もちろんいただきました。