Hatena::ブログ(Diary)

Blog

September 16(Sun), 2018

読書記録『奉教人の死』(芥川龍之介)30-2018

奉教人の死 (新潮文庫)

奉教人の死 (新潮文庫)

芥川龍之介の「切支丹物」を集めたもの。大人になって読む芥川作品感想は、単純に「かっこいい」。過度になりすぎない美的な追求、文体バリエーションと、それでいて破綻させない筆力。内容はかなり湿っぽいのに、そう読ませないスパルタンかつストイックな筆致。

「されば恐らく、えるされむは広しと云え、御主を辱めた罪を知っているものは、それがしひとりでござろう。罪を知ればこそ、呪もかかったのでござる。罪を罪とも思わぬものに、天の罰が下ろうようはござらぬ。云わば、御主を磔柱にかけた罪は、それがしひとりが負うたようなものでござる。但し罰をうければこそ、贖いもあると云う次第ゆえ、やがて御主の救抜を蒙るのも、それがしひとりにきわまりました。罪を罪と知るものには、総じて罰と贖いとが、ひとつに天から下るものでござる」p.32-33「さまよえる猶太人」

September 15(Sat), 2018

読書記録『黒部の山賊 アルプスの怪』(伊藤正一)29-2018

定本 黒部の山賊 アルプスの怪

定本 黒部の山賊 アルプスの怪

から読もうと思っていたところ、プレゼントしてもらうことができた。こういう当然教科書に載らないような地方誌みたいなものはひじょうにおもしろい。秘境に潜む「山賊」が近代存在していたという、貴重なでかつ、後世に残すべき本と思える。10月北アに行きたいな。

September 08(Sat), 2018

読書記録『地獄篇・偸盗』(芥川龍之介)28-2018

地獄変・偸盗 (新潮文庫)

地獄変・偸盗 (新潮文庫)

地獄変」は、一般的には芸術道徳倫理相克ということだが、どちらも人間の欲ではあるわけだから、「道徳」とかいうとちょっと弱い感じがする。道徳的なものに従うのも、なんらかの生的な欲求によるものであろうから。ちなみに「偸盗」は芥川自身、納得がいっていない作品らしい(つまりあまり表に出したくない)。こういうものは読むべきか迷う。死人の墓を暴くような気がして。

September 04(Tue), 2018

読書記録『河童・或阿呆の一生』(芥川龍之介)27-2018

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

再読。まったく記憶になかったが、「河童」の舞台上高地だった!10月登山で河童に遭遇できるといいな。

August 22(Wed), 2018

読書記録『ろまん燈籠』(太宰治)26-2018

ろまん燈籠 (新潮文庫)

ろまん燈籠 (新潮文庫)

再読。前回読んだことをほぼ覚えていない。若い頃読んでも思うことのなかった感想だが、太宰治はかわいい。またひととおり読んでみようかしら。この短編集の各編は戦争の時に書かれているとのことなので、その時の雰囲気を伝えるものとして読んでもおもしろい。

August 17(Fri), 2018

読書記録『五分後の世界』(村上龍)25-2018

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

村上龍はほとんど読んだことのない作家だ。たぶん『限りなく透明に近いブルー』だけ。テレビ司会者をやっている氏の印象には好感を持っているが。『コインロッカー・ベイビーズ』とか、『半島を出よ』とか、読もうと思ったこともあったがなぜ読むまでに至らなかったのだろう。村上龍が怖そうだから? 笑

August 16(Thu), 2018

読書記録『生きる理由を探している人へ』(大谷ノブ彦・平野啓一郎)24-2018

ちょっと内容として雑談というか、あまり突き詰められておらず浅い印象。平野氏の一連の「分人主義」の著作を読んでいる人には目新しい内容はない。はじめて触れるひとにはいいかもしれない。平野啓一郎は小説がいい。

July 31(Tue), 2018

読書記録『白鯨 モービィ・ディック 下』(メルヴィル、千石英世訳)23-2018

白鯨 モービィ・ディック 下 (講談社文芸文庫)

白鯨 モービィ・ディック 下 (講談社文芸文庫)

上巻に続き。仕事に心を持って行かれていたので、だいぶ時間がかかった。

July 29(Sun), 2018

雑感

プラスチック問題は深刻だ。かなり前から言われていたのに、見ないようにしていた。中国が輸入を禁止した今(日本が輸出していた事実を知らなかった)、世間的にも自分でもあらためてクローズアップされる。できるだけ使わない生活目標。汚れたプラスチックを洗って捨てるのと、洗うことによる浄水への負荷を比較した学者はいるのか。

やはり仕事を家に持ち帰ってはいけない。最低でも休日出勤申請をしてちゃんと働くべし。喪失感が大迫よりハンパない。二兎を追いかけてどちらも捕獲できず、谷に滑落する感じ。

分水嶺DNFのあと休んでランを再開したら、左足首の外側を痛めた。ジョグをしただけなのに。去年は故障がなかっただけにガッカリ感がひどい。負け癖、逃げ癖がつきそう。9月武尊山レースまで自転車でつなぐか。でもそれだけでは下りの脚が鍛えられない。

社会人になって13年だが、やはり自分は社会不適合者と思う。悲観的になっているのではなく、これは選択の問題である。

きのう観た映画ウィンド・リバー」はなかなか良かった。実話に基づいたアメリカ大陸先住民差別の話。黒人差別女性差別など、アメリカはこの手の「暗部をえぐる」映画が多くて自分はさいきん食傷気味(それぞれの映画を否定することには直結しないが......「デトロイト」は最高だったし)。エマ・ストーンの「バトル・オブ・セクシーズ」の「セクシーズ」というダブル(以上?)ミーニングもよかったが、「エンタテイメント」たる映画としては、ちょっと飽きる。でもこれは小市民論理、かも。今年はまだ自分のなかで「デトロイト」を超えるものは出ていない。死ぬほどバカくさくて笑えるやつを期待している。

さいきん川崎駅クラフトビールを飲める店ができたので、カウンターが外から見えやすく空いているとひとりでも入りやすいということもあり、たまに使う。俗物たる自分ははやりのインディアンペール・エールを(IPA)よく飲むが、家で飲むよりも外で飲むほうがうまい。とくに香りが。高いがそれだけの価値があると思う独身

今年の夏は帰省できない。岩ガキが猛烈に恋しい。

宇多田ヒカルの新作「初恋」がよい。前作は自分としては技巧的で好きになれないが、今作は中原中也的でよい(個人の感想)。変な日本語もだいぶ落ち着いてきた。さいきんは、ハイレゾで日本語の良質な女性ボーカル聴くのがとても楽しい

5月阿蘇ラウンドトレイルの直後に健康診断を受けたら肝臓に異常値が出たので再検査(血液と、エコー)したが、正常値に戻っていた。でもさいきんは仕事に自分のキャパが追いつかなくて、飲む時は肝臓を悪くするくらい飲みたい気分だ。こういうのを破滅願望というのだろうか。むしろ「逃避」だろう。

June 16(Sat), 2018

読書記録『白鯨 モービィ・ディック 上』(メルヴィル、千石英世訳)22-2018

白鯨 モービィ・ディック 上 (講談社文芸文庫)

白鯨 モービィ・ディック 上 (講談社文芸文庫)

『白鯨』は前に新潮文庫田中訳を読んでいて、次は岩波八木訳をいつか読もうと思っていたのだが、先に読んだ高橋源一郎柴田元幸の対談本で、この千石訳が絶賛されていた(柴田氏が自分で再訳したいと思っていたが、千石役が出たのでもう必要いかな……みたいな内容)ので。

ひさびさに読んだが、この小説の「なんだかよく分からないし、全体もなかなか捉えがたいが、とてつもなくすごい感じ」はたまらない(解説にも言及されている)。こういう小説が世界にあること自体に、ありがたみを感じる。本を読んでいてよかったと心から思える読書体験