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August 22(Wed), 2018

読書記録『ろまん燈籠』(太宰治)26-2018

ろまん燈籠 (新潮文庫)

ろまん燈籠 (新潮文庫)

再読。前回読んだことをほぼ覚えていない。若い頃読んでも思うことのなかった感想だが、太宰治はかわいい。またひととおり読んでみようかしら。この短編集の各編は戦争の時に書かれているとのことなので、その時の雰囲気を伝えるものとして読んでもおもしろい。

February 17(Sat), 2018

読書日記『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)08-2018

再読。過去にも未来にも縛られることなく、「いま、ここ」に集中することな可能だろうか。そもそもアドラーの考えでは、この「可能だろうか」と問うことも否定しているような気がする。なんか原始仏教みたいだ。まあ、こういう考えかたがある、と思えるだけで、誰か味方がいてくれるような気になる。

February 03(Sat), 2018

雑感 ランと糖質と映画と

ひさびさに長めの距離30kmを走った。ラスト5kmくらいでやや心拍が上がりだしたものの脚が終わるようなこともなく気分は上々。ラスト1kmの登りからのスプリントもできたので状態は悪くない。去年の末にランのフォームを客観的に診察してもらって以降、調子がいい。やはり重心の真下で着地することが重要。それによって12月から改めて使いだした多少厚みのあるソールの靴も生きる。おそらく体の前で着地するような走りかた(ブレーキを膝で受ける)で話題の厚底シューズ(ちなみにナイキではない)を履いたら、膝を壊す。着地と足が地面を離れるタイミングの間のタイムラグが、相対的に大きくなり、感覚と実際の物理的な動きに差が生まれて体に負担がかかるからだと思う。できるだけ重心の真下で踏み切り、地面からの反発を受けるほうが、タイムラグがない。ここでいう重心というのは骨盤から背骨の、自然な弓なりのカーブを作った姿勢における水月から胸にかけての部分。そこを中心としてボールが前にバウンドしているイメージで、かつ、脚で蹴らないフォーム。

30km走ったあとに糖質をがっつり補給すべくパスタを茹でたのだが、水切りでミスって半分か2/5の分量を流しに落として台無しにした関係で、やや糖質不足に陥った。1週間の出張明けから、割と今週はタイトだったので家に食料がない。独身貴族の弱みである。18時から映画「デトロイト」を観ることにしていたので、その前に川崎で補給(というとそっけないので「食事」)。いきなりステーキでも行こうかなと思ったが、なんか面倒で、横浜家系のラーメン屋に。

その川崎駅前の某店は、1年くらい前にリニューアルなのか経営者が変わったのか、急に混み出したので並ぶとか面倒で足が遠のいていた。あと去年の初頭は、5月のフルマラソンに向けて体重を落とし始めていたので、糖質制限とまではいかないがラーメン屋にはいかないようにしていたので、ますますその傾向は強くなっていた(いまはウルトラマラソンとかウルトラトレイルに照準を絞っているので、糖質を制限するとかいってられない)。きょうは混雑前の17時台であったし、いってみようという気になった。店内はとてもキレイになって味はどうなのか、某チェーンのようなマズさに陥落していないか気になったのだが、味はほぼ変わらず安堵。以前の自分のその店の定番、「麺硬めの脂少なめ」も再現できた。

「デトロイト」は長尺だが飽きることなく、よい映画、といったら語弊があるが、満足度は高い。同じ黒人差別の実話に基づいた映画という意味では、少なくとも絶賛された去年の「ドリーム」よりも作品としては断然気に入った。「ドリーム」は黒人で女性が主人公だったので、「マイノリティ差別とそれを克服するアメリカ」みたいなテンプレートが商業ルートで乱発されることにやや嫌悪を覚える自分には、ドキュメンタリータッチの「デトロイト」のほうが肌に合った。デトロイトの「狂った」警官を演じたウィル・ポールターの演技は、半ばステロタイプとなったヤバい白人(差別的な意図はありません)を堂々と完璧に演じており、演技であることを感じさせない。彼が出ていた「レヴェナント」の印象は個人的には薄いが、「なんちゃって家族」はよく覚えている。あれはよいコメディだった。

April 23(Sun), 2017

読書記録『私という病』(中村うさぎ)010-2017

私という病 (新潮文庫)

私という病 (新潮文庫)

ハイデガーの『ニーチェ』を読んでるのだが、なかなか停滞しているので、読みやすそうなものをと思いアマゾンのカートに入れていたリストから。もちろん、「読みやすい」=「内容がライト」ということではない。自分が普通に生きていたら全く話を聞くことなどないであろうひとの考え方に触れることができるのは、読書の醍醐味。

January 08(Sun), 2017

読書記録『帝王学 「貞観政要」の読み方』(山本七平)003-2017

帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫)

「貞観の治」で知られる中国唐代のリーダー論。こういう(とくに仕事におけるような)プラグマティックなものは、ふだんはほぼ読まないジャンルではあるが、去年いっぱいで転職した勉強家の先輩が去りぎわに紹介してくれたので。どんな本にせよ、「あなたに読んでほしい」というスタンスで本を紹介されるって、なんかいい経験だと思う。

まあ簡単にいうと、リーダー(この本のばあいは為政者)のあるべき姿を説いているわけだが、贅沢に走らないとか、臣下の意見に傾聴せよとか、全能感を捨てよとか、当たり前といえば当たり前のことなのだが、言う(たんに知っている)のと実際にそのように行動することとの間には、地球と冥王星とのあいだの距離くらいの差がある。なのでおりに触れてリーダーたるもの、「貞観政要」のエッセンスを意識し実行すべきなのだろう。

そう言う自分は組織のリーダーとしてひとのうえに立つべき人間ではないが、「部下論」としてもこの本は読めるので、この社会をサバイヴしていくために定期的に読み返す価値のあるものとは思う。ご紹介ありがとうございました。

July 17(Sun), 2016

読書記録『マチネの終わりに』(平野啓一郎)

マチネの終わりに

マチネの終わりに

平野さんのファンですが、恋愛小説が好きではないので読んでませんでした(前に読んだ『かたちだけの愛』(中央公論社)もピンとこなかったし)。ネットなんかでなんとなく評価が高い感じだったのと、さいきんドストエフスキーばかりだったので少しリフレッシュしたくなり、思いっきり現代的なしかも普段読まない恋愛モノにがっつり振ってみたのです。まあドストエフスキーの問題も現代的といえはするのですが。

毎日新聞に連載されていたということで、展開はテンポよく、飽きない。たびたび出てくる、作者特有のテーマが硬質のダイアローグ(ときにモノローグ)も、チープさに陥ることなく緊張感をたもって「理解可能」な描きかたになっている。現代の人間にまつわるもろもろの問題に積極的にコミットする近年の筆者のスタンスはそのままで、それらがより自然に(物語との破綻をきたすことなく)統合されているように思います。なので、これまでの作品を読んできた読者をして「集大成」といわしめる(Amazonのレヴューにありました)のも充分に理解できます。まあ、個人的には『葬送』とか『決壊』(ともに新潮社)みたいな重苦しいものが好きですが、ぜひ書き続けてほしい作家のひとりです。

July 03(Fri), 2015

読書記録『晴子情歌・上』(高村薫)

晴子情歌(上) (新潮文庫)

晴子情歌(上) (新潮文庫)

とりあえず記録のみ。宮崎哲弥の『仏教教理問答』(サンガ文庫)で、オウム真理教との絡みで高村薫の『太陽を曳く馬』(新潮社)が言及されており、この『晴子情歌』が3部作のひとつめだということなので。

March 27(Fri), 2015

読書記録『続・泥流地帯』(三浦綾子)

続 泥流地帯 (新潮文庫)

続 泥流地帯 (新潮文庫)

『泥流地帯』の続編。十勝岳大噴火後の拓一、耕作兄弟を描く。前編よりも非常にキリスト教色の強い物語になっている。噴火時の泥流によって硫黄にまみれた土地に向き合い、ひたすら復興にかける拓一と、そんな土地に手間をかけるなど「税金のムダ」と妨害する復興反対派との対立がストーリー展開の軸。拓一のひたむきさはそのままそっくりキリスト教道徳的な趣を呈するが、そんな拓一に疑問を持ちつつ応援していく弟・耕作の視点を間に入れることで、説教臭さをギリギリで回避している。耕作の自問自答・葛藤はそのまま読者のそれなので、耕作の心理描写を濃密にすることで読者への余計な説明がない。少なくとも自分は最後までしらけることなく読んだ。拓一のように生きてみたいものだと単純に思える。

October 01(Tue), 2013

読書記録『オー!ファーザー』(伊坂幸太郎)

オー!ファーザー (新潮文庫)

オー!ファーザー (新潮文庫)

「あのな、大人の役割は、生意気なガキの前に立ち塞がることなんだよ。煩わしいくらいに、進路を邪魔することなんだよ」
(p.165)

June 13(Thu), 2013

読書記録『破獄』(吉村昭)

破獄 (新潮文庫)

破獄 (新潮文庫)

4度脱獄した男の話。事実に基づいたフィクション。日米開戦から終戦前後の時代が舞台で、人間の「自由」への渇望が大きなテーマなんじゃないかと思う。その時代背景と、脱獄を繰り返す佐久間清太郎の大胆な破獄、看守たちとの精神的なせめぎ合い。途中、繰り返しが多くて(4度も脱獄してるのだからしょうがないか)やや疲れるが、戦中戦後の緊張感のある世界観が、物語をダレさせることなく進行させる。善悪の彼岸を描く、とても文学的な作品。