男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ランボー [DVD]

ランボー [DVD]

デビット・マレルの音声解説を字幕で、ささきいさおの吹替えで鑑賞。

原作者のデビッド・マレルの解説が非常に良かったです。自身の原作についてのエピソードや映画化に際しての変更点を客観的に冷静に話し、裏話やスタローンに対してのコメントも非常に楽しかったです。また、自身相当の映画ファンのようで、コッチェフの抑えた演出や、ワイドスクリーンに対するカメラワークの素晴らしさにも言及してくれて嬉しいです。中でもジェリー・ゴールドスミスの音楽に対する評価が非常に高かったのが印象的で、ボクがこの映画で一番好きなシーンである、警察署からランボーが飛び出すと同時にゴールドスミスの名テーマがかかるところを絶賛して嬉しかったです。同様にトラックで防衛線を突破するときも同じテーマが流れるのを賞賛していました。加えて、カーチェイスのシークエンスで音楽がかからなくなる演出にもキチンと評価を与えているのが素晴らしかったです。ランボーのアクションは冬と言う季節設定も手伝って大変クールでストイックなんですが、今のアクション映画の基準からすると大変地味なものになるのでしょう。ただ、それが逆にドラマとしてのこの映画の評価を高めてくれているような気もします。

そして、ジョージ・ルーカススター・ウォーズの脚本作成で参考にした事で有名になった、『千の顔を持つ英雄』を同様に参考にしている話も面白かったです。
”山に入って不思議な体験をして力を得た青年が英雄になる”と言うプロットが、ランボーにも活かされているそうで、そう考えると洞窟のプロットも非常に意味深いシチュエーションで、最後に竪穴にたどり着いたランボーがはしごを上る場面につけたゴールドスミスの音楽の崇高さも更に理解が深まりました。

それにしてもラストのランボーの独白から、「イッツ・ア・ロング・ロード」が流れるクレジットまでは何度観ても泣けますねえ。スタローンを過小評価する人は大抵ここの部分で「原作にない台詞を入れたエゴだ」的な批判をしますが、ちゃんと映画を観ろって感じですよ。

オリジナル・サウンドトラック「ランボー」

オリジナル・サウンドトラック「ランボー」

↑ゴールドスミスの傑作サントラは再販されていて今でも簡単に手に入ります。