男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『機動警察パトレイバー アーリーデイズ』を観ました。

1988年はすごかったんだなと改めて

よく言われることですが、1988年というのはアニメが豊作な年でした。ボクは高校二年生。

逆襲のシャア』『トトロ』(火垂るの墓)『AKIRA』が公開され、この『機動警察パトレイバー』が始まった年でもあります。

メディアミックスの先駆けだったりするので、ゆうきまさみのコミック版(傑作)が週刊少年サンデーで始まり、少し遅れてOAV版のリリースが始まりました。

4800円という当時(グルっと回って今でも)画期的な低価格でリリースされたんですが、ビデオを購入するという概念が殆どなかったボクはレンタルビデオ頼りですよ。ただ、これが近所のビデオ屋さんには置いてない。なかなか見つからず、ほうぼうに電話をして、結局かなり遠いレンタルビデオ店に借りに行きました。この時の電話でも「パトレイバー」という単語をなかなか向こうが聞き取ってくれず、何度も「レイバー! パト、レイ、バー!!」と大声を出していたのを、一緒にいた友人といまでも語りぐさのように話しますw

果たしてやっと借りてきた『パト、レイ、バー』

ボクの中ではやはり押井守の新作という期待だったと思います。御多分にもれず『ビューティフル・ドリーマー』の大ファンでしたからね。


期待以上の面白さに大満足でした。ただ、今では微笑ましく苦笑できますが、80年代アニメ特有の(今でもそれはありますが)いわゆる「オタク臭さ」満点のセリフ回しや作画なんかには若干引いていましたねw

そんなこんなで、2ヶ月毎ぐらいに発売されるビデオを借りていったんですが、やはり最後の5,6話である『二課の一番長い日』が壮絶に面白くて。

パトレイバー』の特徴はなんといってもその「リアリティ」にあることは明白なんですが、アニメ特有のコミカルな部分やデフォルメの部分とキチンと融和していたのが魅力なんですよね。一見するとただのオチャラケたアニメにも見えるんですが、その実警察機構が「会社」であったり、隊員たちが「地方公務員」であることなどなどがキッチリと描写されている。派手派手なロボットアニメを期待していれば当然肩透かしをくらうような方向性なんですが、何と言ってもそのあたりが最大のポイントであり、後の作品に与えた影響も多大であったはずです。

その、じわじわと積み重ねてきた「リアリティ」が、「クーデター」という子どもが泣いて喜ぶモチーフで唐突とも言えるタイミングで爆発するあの展開には随喜の涙を流しましたよ。

ある世代のアニメファンにとっては、あれがいつまでもまとわりついて、つねに「ああいうのが観たい」という妄執になっているかもしれません。

その後1993年。その願いは劇場版の2で叶えられるんですけどね。


久々にコミックを読みなおしたり、現在展開している実写版も観ちゃおうかなあとか思ってきましたよ。まともに観ていないテレビ版も観たいなあ。