男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『スティーブ・ジョブス』★★★★

アーロン・ソーキンの新たな傑作

アーロン・ソーキンはわたしのなかで現役最高の脚本家のひとりとして、常に期待を抱いてその作品に接する人間です。

テレビの『ホワイトハウス』(シーズン4まで)『ニュースルーム』
映画では『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』などなど。

極力説明セリフを廃して、圧巻のセリフ量で観るものを圧倒する、極めて「劇作家」的なアプローチを使いながらも、時系列を縦横無尽にパズルのように組み直す「橋本忍」的な作劇も特徴的な人です。

今回の作品も、「ジョブズの節目節目のプレゼンの開始40分前」というヨダレが出そうなシチュエーションドラマとして構成されており、なおかつその最中にも回想がパズルのように挿入されるトリッキーな作りを見せてくれます。

監督のダニー・ボイルは基本的に肌の合わない作家なんですが、今回はシナリオに素直に殉じている姿勢が功を奏して、結果的に純度の高いアンサンブルドラマとして傑作をモノにしました。

ジョブズを演じるミヒャエル・ファスベンダー、ウォズニアックを演じたセス・ローゲン、スカリーを演じたジェフ・ダニエルズ、広報担当のジョアンナを演じたケイト・ウィンスレット、その他脇役の一人ひとりに至るまで、すべての役者が糸のように絡み合いながら見事なタペストリーを作り上げていく122分は至福のひと時。

特に、ジェフ・ダニエルズセス・ローゲンそれぞれとの「怪獣戦争」と形容してもいい「バトル」の燃えっぷりは、ドニーのカンフーに負けず劣らずの凄まじさ。ただの会話であれだけテンションを上げてどうする!


もう毎日浴びるほど観ていたい傑作でした。


強くオススメします!

ぶったまげるほど面白いテレビシリーズ。ほぼ全話をアーロン・ソーキンがシナリオを書いており、どれもこれもずっと延々面白いという奇跡のようなシリーズ。これが降板するシーズン4まで続くんだから、どんだけの腕力なんだよと。