第10回キツネの社mf使用構築〜ボルトガッサ〜
ポケモン | 持ち物 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|
ボルトロス | 命の珠 | 10万ボルト | 目覚めるパワー氷 | 馬鹿力 | 身代わり | 悪戯心 |
キノガッサ | 気合の襷 | 種マシンガン | マッハパンチ | ストーンエッジ | キノコの胞子 | テクニシャン |
クレセリア | 食べ残し | サイコショック | 目覚めるパワー炎 | 身代わり | 瞑想 | 浮遊 |
ヒードラン | 風船 | オーバーヒート | 目覚めるパワー氷 | ステルスロック | 吠える | 貰い火 |
カイリュー | ドラゴンジュエル | 逆鱗 | 神速 | 地震 | 竜の舞 | マルチスケイル |
ハッサム | 鋼のジュエル | バレットパンチ | 虫食い | アクロバット | 剣の舞 | テクニシャン |
【概要】
10月6日に行われた第10回キツネの社mfで使用した構築です。今回は化身ボルトロス入りのスタンダードな構築です。
化身ボルトロスが味方のサポートや相手の展開妨害だけでなく広い範囲に打点が持てることからその攻撃性能の高さに着目し、ボルトロスが勝てない相手に対し強いポケモンを取り巻きとして採用する形で構築しました。
まずボルトロスがドリュウズを強く呼ぶため、ドリュウズを処理できるようキノガッサを採用、またこの2体で相手をするのが厳しいウルガモスや相手の化身ボルトロスに強いカイリューを採用しました。次に、カイリューが起点になってしまうパルシェンに対するストッパーとして、氷に対し耐性があり高火力先制技で処理できるハッサムを採用しました。竜技等で拘った相手もハッサムで起点にできます。カイリューハッサムという相性の良い並びを自然と作ることができ、また高火力先制技により安定した勝ち筋を作ることが可能です。
カイリューとハッサムを採用したことで、改めて構築のコンセプトを「複数のポケモンの技を連携させたダメージレースで勝つ構築」としました。そのためのサポート要員としてステルスロックを撒きながら相手を削る駒として、また相手のハッサムに対するストッパーとしてヒードランを採用しました。
最後の枠には最初は確実にハッサムの起点を作ることができ場合によっては単体で相手を処理できるスカーフトリックゴチルゼルを採用しましたが、耐久の低さから繰り出す場面を上手く見つけることができなかったためより耐久が高く単体で積んで相手を詰ませるクレセリアに変更しました。これによりクレセドランカイリューという別の強力な並びを作ることで選出段階で相手に択を迫ることも可能になりました。
今回はスタン構築ということで構築全体で汎用性を維持しつつ出来る限り火力を伸ばした構成にするように意識し、選出や立ち回りでより多くの相手に不利にならないようにしました。
【個別解説】
■ボルトロス(化身)
【持ち物】命の珠
【技構成】10万ボルト/目覚めるパワー氷/馬鹿力/身代わり
【性格】臆病
【実数値】155-121-90-177-100-179
【努力値】4-0-0-252-0-252
今回の構築はこのボルトロスを使いたいと思って組みました。
スタン系構築の化身ボルトロスは自身の高いSと広い攻撃範囲を活かした削り、悪戯心による電磁波や挑発により味方のサポートおよび相手の展開妨害が基本となりますが、このボルトロスは攻撃性能に特化しており中〜終盤での削りおよびフィニッシャーとしての役目を担います。そのため初手から出すよりも死に出しから有利対面を作って抜いていく動きが基本となります。もちろん初手から範囲の広さを活かして殴っていく場面もあります。
技構成は、メイン技で安定した打点となる10万ボルト、電気と攻撃面での補完に優れた目覚めるパワー氷、主にバンギラスへの打点となる馬鹿力、有利対面での安定択となる身代わり。電気+氷+格闘の組み合わせは非常に広い範囲に打点を持つことができることに加え、身代わりを採用することで有利対面での安定択ができ、身代わりを残せれば身代わりを盾に確実に相手を削ることができます。バンギラスと対面した場合も身代わりから入ることで拘りであれば相手の技を確認した後有利なポケモンを後出しすることが可能です。鉢巻かスカーフかを判別できない場合は基本的にスカーフを想定して動きます。
持ち物は全ての技の火力を常時強化できる命の珠。身代わり→馬鹿力の流れでバンギラスを落とすためには達人の帯でも十分なのですが、等倍で押し切ったり、他のポケモンの先制技と合わせて突破できる可能性のある相手が増えることを考慮し命の珠としています。この「仮想敵に対し必要なダメージ+αの火力」という考え方は今回の構築全体で意識していることです。
配分は純粋に攻撃性能を高めるためにCS。Hを157にすれば身代わりのHPが1増えますが、基本的に身代わりが何かの攻撃を耐える必要がないため、火力を落とさないためにもCSに振りきりました。臆病個体しか持っていなかったため臆病で採用していますが、命の珠のダメージもあり耐久を重視しないためBに厚いバンギラスや襷の潰れたマンムーを処理するために無邪気で採用しても良かったと思います。
■キノガッサ
【持ち物】気合の襷
【技構成】種マシンガン/マッハパンチ/ストーンエッジ/キノコの胞子
【性格】意地っ張り
【実数値】135-200-101-*-80-122
【努力値】0-252-4-*-0-252
ボルトロスを使用する以上、ドリュウズを強く呼ぶため確実に処理できるキノガッサを採用しました。
最初は対カバドリを強く意識し気合パンチ+マッハパンチのポイズンヒールキノガッサを考えていたのですが、嵌めをサポートできるポケモンが構築内におらず選出できる場面が非常に限られていると感じたため、単体での選出しやすさを重視し気合の襷持ちのテクニシャン個体に変更しました。構築全体で水タイプへの打点がやや不足していたこと、初手に安定して出せるポケモンが少なかったこともありこの変更は正解だったと思います。
技構成は、採用理由からドリュウズに上からの打点を持てるマッハパンチ、水タイプ等への打点となりメイン技の種マシンガン、初手ボルトロスやウルガモスに対し襷を盾に勝てるストーンエッジ、有利対面を作った際に様子見としても撃てるキノコの胞子。キノコの胞子はローキックにすることも考えましたが、構築全体で相手のSを下げることで受ける恩恵がそれほど多くなく、キノコの胞子であれば眠りターン次第では2回以上行動する隙を作れることからキノコの胞子を選択しました。
配分はマッハパンチや種マシンガンのダメージを少しでも増やしカバドリに有利にするため、またストーンエッジでボルトロス等に勝てる可能性を高めるために意地っ張りAS。
■クレセリア
【持ち物】食べ残し
【技構成】サイコショック/目覚めるパワー炎/身代わり/瞑想
【性格】臆病
【実数値】209-*-141-113-151-149
【努力値】108-*-4-144-4-248
低火力特殊を起点にしたり、構築単位で薄い雨や受けループに対して他のポケモンと合わせることで有る程度動けるポケモンとして身代わり瞑想クレセリアを採用しました。
もともとこの枠はスカーフトリックゴチルゼルで、スカーフトリックからハッサムの起点を作ったり、トリック→いちゃもんにより高耐久ポケモンを潰しカイリューやハッサムの一貫を作ろうと考えていたのですが、扱い辛かったため耐久力の高さにより低火力な相手を強引に起点に出来るクレセリアに変更しました。ハッサムの起点を作る動きは出来なくなりましたが、単体で出していける相手が多いため選出しやすく、薄かった雨に対してもある程度戦えるようになりました。
ゴチルゼルを身代わり瞑想影分身のような構成で使おうとも思ったのですが、この2体を比較した際、
・クレセリア:耐久が高く起点にできる範囲が広い代わりに決定力の高いポケモンを後出しされやすい
・ゴチルゼル:有利な相手を逃がさず確実に起点にできるが耐久が低く起点にできる範囲が狭い
といった違いがありますが、今回は選出の自由度を高めるため耐久力が高く選出しやすいクレセリアを採用しました。
技構成は一般的な身代わり瞑想クレセリアの4つ。吠えるのないスイクンを突破するためにサイコショックと、ハッサムに打点を持てる目覚めるパワー炎。
配分はHPを食べ残しの効率を意識し16n+1かつ身代わりが地球投げを耐えるようにし、先制で身代わりを張ることで起点にできる範囲を広げるためにSを最大に、残りをCに配分し少しでも決定力を出せるようにしました。
■ヒードラン
【持ち物】風船
【技構成】オーバーヒート/目覚めるパワー氷/ステルスロック/吠える
【性格】臆病
【実数値】191-*-126-157-127-141
【努力値】196-*-0-52-4-252
初手で出して対面の相手を削る、ステルスロック+吠えるで後続の圏内に入れるヒードラン。初手での補助以外にも、ユキノオー入りへの駒、初手でカイリューやキノガッサを出して不利対面を作られた際の逃げ先、パルシェン等に対するストッパー的な役割も持ちます。
技構成は、ボルトロス等を削って後続で処理できるよう火力を重視しオーバーヒート、ガブリアスやカイリューを確実に削る目覚めるパワー氷、後続のカイリューやハッサムをサポートするステルスロック、起点になるのを回避できステルスロックのダメージを稼げる吠える。
配分はHPを16n-1で最大の191まで伸ばし、Sはヒードランミラー等まで考慮し最速、残りをCに振り少しでも多く相手を削れるようにしました。ここまで耐久を伸ばせばラティオスの眼鏡波乗り等ほとんどの不一致弱点技を耐えることができます。オフ直前まで耐久を削ってCに振ろうか考えたのですが、パルシェンに対し急所を引かなければ破り珠ロックブラストを5発耐えられることや、ステルスロックを撒いたり初手で出して相手を削る際に一回行動できるかどうかが非常に重要になるため耐久を優先しました。
持ち物は地面技により何も出来ずに落ちることを防ぐことができ、初手で動かしやすくなる風船。ガブリアスやマンムーと対面しても確実に相手を削れる等行動できる場面が格段に多くなります。
このポケモンの動かし方として重要なのはステルスロックを撒くことよりも目の前の相手を削ることを重視することだと思っています。基本的に対面から削って後続で確実に処理する動きが多くなるため、ステルスロックを撒くよりその1ターンを使って目の前の相手、あるいは後出ししてくる相手を削ることを重視します。この構築においてステルスロックは本当に必須な場合や他にやることがないときに使用するものという感覚です。
■カイリュー
【持ち物】ドラゴンジュエル
【技構成】逆鱗/神速/地震/竜の舞
【性格】意地っ張り
【実数値】167-204-115-*-120-132
【努力値】4-252-0-*-0-252
相手の化身ボルトロスに強いポケモンとして採用。削れた相手を神速で処理し、竜舞ジュエル逆鱗により圧力をかけていきます。ヒードランやハッサムと相性が良く、この3体で相手を削りきって勝つというのがこの構築の基本戦術となります。必ずしもどれか1体で全抜きを狙う必要はなく、先制技を上手く絡めて相手を削りきれるようにします。
技構成は、削れた相手を処理したり逆に後続の圏内に入れるために削ったりと他のポケモンと連携してダメージレースで勝つための神速、メイン技で相手に圧力をかけるための逆鱗、隙があれば全抜きを狙える竜の舞、ガブリアスやウルガモスに触れずに殴れたりヒードランへの打点として地震。
持ち物はドラゴンジュエル。竜の舞と合わせて突破力を高めたり、瞬間火力を高めて初手から負担を掛けたりしていきます。神速で削りきる範囲を広げるためにノーマルジュエルも考えたのですが、初手ローブシンが重い構築のためしっかり負担を掛けたいと思いドラゴンジュエルを選択しました。
配分は決定力を最大まで高めるよう意地っ張りAS。キノガッサを意識するなら陽気にするべきですが、他のポケモンの技と合わせて相手を削りきる際意地っ張りの火力が必要になる場面があるため意地っ張りで採用しています。ただ相手のヒードランの処理が難しい構築なので陽気で採用した方が良かったかもしれません。
■ハッサム
【持ち物】鋼のジュエル
【技構成】バレットパンチ/虫食い/アクロバット/剣の舞
【性格】意地っ張り
【実数値】165-199-120-*-100-99
【努力値】156-244-0-*-0-108
カイリューが止まるパルシェンやマンムーを先制技で処理できることからハッサムを採用しました。トリックルーム下でのローブシンやバンギラスと打ち合う駒でもあります。前述の通り、ヒードランのステルスロックやカイリューと合わせて相手を処理します。ジュエルバレットパンチの火力が高く、積まなくても一度だけ鉢巻ハッサムのような使い方が可能であり柔軟な動きが可能です。
技構成は、高火力先制技でジュエルと合わせて高い決定力を出せるバレットパンチ、タイプ一致の安定した打点となる虫食い、主にローブシンやハッサムへの打点でウルガモス等の起点にならないようアクロバット、竜技等を起点に決定力を伸ばせる剣の舞。アクロバットは小さくなる等への対策として燕返しでも良いかもしれませんが、ハッサムミラーになった際に2倍アクロバットの火力が役に立つ場面があると聞きアクロバットを採用しました。ローブシン等へのダメージだけを考慮するなら燕返しで十分かもしれませんが、他の相手に耐えられて負けるのでは意味が無いため小さくなる系統への勝率を多少落としてでも火力を優先したいと自分は考えています。実際今回のオフでアクロバットがあったおかげで相手のハッサムに勝つことができた試合があったため今回はアクロバットで正解でした。虫食いは対カバドリ等を意識するなら蜻蛉返りの方が良いかもしれませんが、剣の舞使用後に居座りたい場合の安定技として虫食いを採用しました。ただジュエルハッサムは虫技自体撃ちたい場面がそこまで多くないことを考えると蜻蛉返りの方が良かったかもしれません。
配分はローブシンを確実に抜けてSに振らない零度スイクンも抜けるSを確保、Aに全振りした残りをHに振った後、Aを1だけSに回し同じような調整のハッサムを抜けるようにしました。
【選出】
1. ヒードラン カイリュー ハッサム
基本選出その1。ヒードランでステルスロックを撒きつつカイリューハッサムで積んでいきます。重要なのはヒードランはステルスロックよりも目の前の相手を削り後続の先制技の圏内に入れること、カイリューハッサムは必ずしも積んで全抜きを狙う必要はなくジュエルによる瞬間火力で負担をかけ後続で処理する動きをする場合もあるということです。また、初手にローブシンを出されそうな場合はカイリューを初手に出しジュエル逆鱗で圧力を掛けていきます。ローブシンの処理が難しい構築のため、ローブシンに対してはドレインパンチを撃たせないようにしつつ後続の圏内に入れる立ち回りをするよう心がけます。
2. ヒードラン ボルトロス カイリューorハッサムorキノガッサ
基本選出その2。ボルトロスが刺さっていると感じた場合の選出。有利対面から身代わりを盾に範囲の広さを活かして削っていき、先制技と合わせて相手を削りきります。
3. キノガッサ カイリュー ハッサム
基本選出その3。初手キノガッサから1対1交換以上を狙います。
4. キノガッサ ヒードラン ハッサム
カバドリに対する選出。ボルトロスやカイリューがいることからカバドリ選出をされやすいため初手カバルドンを倒せるようキノガッサを初手に。カバルドンと対面した場合ラムラティオス等も考慮し種マシンガンで削り、ラティオスが来た場合はヒードランで受けつつハッサムに展開し、ドリュウズに対してはハッサムとキノガッサの先制技を組み合わせて処理します。
5. キノガッサ クレセリア カイリュー
雨に対する選出。クレセリアの瞑想を絡めて削りつつカイリューの神速で処理します。
6. ヒードラン クレセリアorボルトロス ハッサム
受けループ相手の選出。ラッキーに対してはクレセリアで、バンギラスに対してはボルトロスで崩していきます。
7. ボルトロス キノガッサ ハッサム
バンドリ等に対する選出。ドリュウズ以外に馬鹿力ボルトロスが刺さる場面が多く、ドリュウズは先制技で処理します。
他にも相手に合わせて選出は変えていきます。特定のギミックに頼らないスタンダードな構築のため選出パターンは多く選出次第で多くの相手に勝てる可能性がありますが裏を返せばどんな相手にも負ける可能性があるため選出は慎重に行う必要があります。
ローブシンを一撃で処理できるポケモンがいないため、どの選出パターンに関してもローブシン入りの構築に対してはできるだけカイリューボルトロスクレセリアのいずれかを初手に出しドレインパンチを撃たせないようにすることが重要です。
【オフでの雑感】
この構築を使用した第10回キツネの社mfの結果は予選スイスドローを5勝3敗の38位で予選落ちでした。最初の2戦を落とし0-2スタートとなったことがOpp%に響きました。ただ勝った試合も選出が完璧に噛み合っていたりプレイングのミスを相手の技外しで取り返す等運が非常に良かった試合が多く、これだけ運が良かったにも関わらず予選を抜けられないのは自分の実力がその程度でしかないということの表れなのだと思いました。それでも2連敗でスタートした時は全敗も覚悟したので、最後のオフを勝ち越して終えることができたのは嬉しかったです。
対戦ではハッサムが大活躍しました。ジュエルバレットパンチの瞬間火力が素晴らしく、積む動きだけでなく一度だけ鉢巻ハッサムに近い使い方ができるのが非常に便利でした。カバドリに対してもキノガッサとハッサムを組み合わせて戦うことができ2戦2勝と健闘できました。
負けた試合は構築段階で厳しかった相手が多く、特にキノガッサに対しては起点になってからでも嵌めを抜けだす手段を用意するべきだと実感しました。対面から倒せるというだけではキノガッサ側は周りでサポートすることでいくらでも嵌めのパターンに持っていくことができてしまいます。やはり如何にして自分の勝ちパターンを相手に押し付けるかが重要であると感じました。
選出まとめ(○:選出して勝ち ×:選出して負け ☆:初手で選出して勝ち ★:初手で選出して負け)
ポケモン | 1R | 2R | 3R | 4R | 5R | 6R | 7R | 8R | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ボルトロス | ☆ | 1/8 | |||||||
キノガッサ | ★ | ☆ | ○ | ☆ | ○ | 5/8 | |||
クレセリア | × | 1/8 | |||||||
ヒードラン | ★ | ○ | ○ | ○ | × | 5/8 | |||
カイリュー | × | × | ☆ | ☆ | ★ | 5/8 | |||
ハッサム | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | 7/8 |
ボルトロス軸とは何だったのか…。カイリューハッサムキノガッサの対面性能が高く、特にハッサムは勝った試合全てで選出しており今回のMVPとも言える活躍をしてくれました。鋼ジュエルハッサムはオフでは初めて使いましたが非常に扱いやすかったです。
初手ヒードランでステルスロックを撒きつつ削りながらカイリューとハッサムに展開していく動きを考えていましたが、オフではヒードランをクッションにしつつカイリューやハッサム、キノガッサの単体性能を活かして戦う場面が多かったように思いました。クレセリアも出したい相手とあまり当たらなかったこともありましたがより広い範囲に打ち分けられる型でも良かったかもしれません。
【総括】
今回の構築は化身ボルトロスを中心に組み、キノガッサやカイリュー、ハッサムの先制技を組み合わせて勝つ構築をしたため並びは所謂対面構築に近いものとなりました。スタンダードな構築のため目立って強力なギミックが無く、選出や立ち回りが非常に重要になるため扱いは難しいものの使っていて楽しい構築になったと思います。
構築全体で技構成や持ち物、配分は火力をかなり重視しています。これは個別解説で何度か触れていますが、仮想敵へのダメージを考慮するとそこまで伸ばす必要はは無いが仮想敵以外の相手に対ししっかりと押し切れるようにと考えたためです。スタン系の構築は複数のポケモンの技を連携させダメージレースで勝つという立ち回りをすることが多く、その際に火力を伸ばすことで倒せる範囲が広がり有利に立ち回れる場面があると考えました。
また構築内に電気を無効化するポケモンがおらず唯一半減できるキノガッサも耐久が低く後出しはできないことから電気が非常に一貫しているように見えますが、相手の化身ボルトロスに対してはカイリューやハッサムの先制技やヒードランのオーバーヒート+ステルスロック、キノガッサのストーンエッジというように処理できるルートをいくつか用意しています。このように特定の相手に対して複数の処理パターンを用意することで相手の構築に応じて柔軟に対処できることがスタン系構築の魅力でもあると思います。電磁波を通してしまうのは痛いですが先制技を多く採用していることからSダウン自体はそこまで影響しないと思います。ただ霊獣ボルトロスやロトム等に容易にボルトチェンジを許してしまうので、カイリューやキノガッサでしっかりと圧力を掛けられるようにする必要があります。
キノガッサに対しては並びから選出されない、選出されても起点にされないあるいは1対1交換で済ませられるようにしたつもりでしたが、今回のオフの優勝構築にも採用されていた凍える風襷ニョロトノ+ビルドアップキノガッサの組み合わせに勝てないという致命的な欠陥があるため対キノガッサの考え方を改める必要があると感じました(と言ってももう5世代環境は終わりですが;)。
他にもSの高いハイドロポンプスイクンや小さくなるシャンデラに薄いなど欠陥は少なくなく、また立ち回りに依存している部分が多い構築になってしまっています。ただ複数のポケモンで連携して相手を倒すという戦い方は先制技を多く採用していることもあり慣れれば安定して相手を倒すことができ使っていて楽しかったです。
同じような並びの構築は既に多くの方が考案し使用されており、それらに比べると完成度は低く、もっと煮詰めることでまだまだ強い構築にすることができるかもしれません。それだけにBW2環境が終わってしまうのが本当に名残惜しいです。
最後になりましたが、主催のキツネさんをはじめ運営スタッフの皆さん、対戦してくださった方々、そしてオフに参加された皆さんお疲れ様でした。5世代最後のオフで非常に楽しい時間を過ごすことができました。
長くなりましたが今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。