ごめんね青春!9話その2(9話分その2までです〜)

 前回の続きです〜。



 文化祭・前夜。ガールズバーの平太・平助父子。




 「好きなんだろ?」と節子さんのことを認めた平ちゃん。「だったら帰れよ。こんな店で飲んだくれてないで」「こんな店?」「そうだな。一緒に帰ろ」と平太パパが平ちゃんに抱きついて「待てよ。何、気持ち悪いな」とか、二人でじゃれている辺りは、微笑ましくてラブリーだったんだけど。(また風間パパと共演してほしいわ〜)




 その後から怒涛の切なさに突入して、胸が苦しくなりました。




 「あ、そうだ、なんかユウコがあやまってたよ」「ユウコ?」「すいませんでしたって。何、なんかあったの?」「あぁ、あ、こっちも悪かったって、そう伝えてくれ」「え、何なに?」「あ〜、お前は知らなくていいんだよ」「な、なんだよ、教えろよ」「たいしたことじゃねぇって。例の火事のこと、蒸し返したからさ」「例の火事?」「礼拝堂の、何だ?現場に花火が落ちてたとか言ってさ。3、4年前に警察とかに取材して嗅ぎまわってたらしい。だから水差すなって言ってやった。それだけだ」




 14年間一人の胸に秘めてきたつもりが、平太パパから、そんなトラウマのど真ん中を突くワードがいきなりポンポン出てきたら、そりゃあ愕然としますわね。




 風間パパが素晴らしいのはもちろんですが。平助さんの、この辺りの表情の変化も見事だったと思います。最初の何心ない感じから、「ん?」と怪訝そうになって、衝撃を受けていく様子が上手すぎて、見ているこちらも本当に切なくなりました。花火が落ちてた、付近では一気に大きな垂れ目が潤んで目尻に涙の粒がぽっちりついていましたわね。




 「どういうことだよ」と平太パパに掴み寄る平助さん。「何で親父がユウコにそんなこと言うんだよ」(絶妙な声のトーン、表情はもちろん、細かいけど、ここの平ちゃんの手の動きもナイス)。




 そこで平助さんは、三女の火事の時、みゆきママが平ちゃんの様子がおかしかったと心配しつつ、息子を信じていたこと、それを聞いた平太パパも、事件の後自分が留守の間に来た警察からも「嘘はついていない」と高校生の息子を守っていたことを知るのですわね。





 そして、「平助、もう高校生じゃねぇぞ。お前は教師だ。文化祭を楽しみにしてる生徒がいる。信頼する先生がいる。あと母ちゃんのことも、ちゃんと考えて、どうするか自分で決めなさい」と告げる平太パパ。




 衝撃で、頭ん中ぐるぐるして、わぁ〜っと叫んで涙目でトンコーに走る平助さんに、14年前の平ちゃんの姿が重なります。ここで、交互に見たら、錦戸さん、見事に高校生と31の先生に見える!と改めて感じましたけれども。




 若くてキュートな高校生平ちゃんも、髭剃り跡も大人な(お顔立ちは)精悍な平助さんも、どちらも素敵!そして錦戸さんの場合、涙目でわぁ〜〜っと叫んで走るような姿も絵になるし、切なく胸に迫るのですわね。




 演技のセンスが良いというのが一番の強みなのだろうけど、カッコつけず、激情に端整なお顔を容赦なく歪めた表情も人を惹きつけるのも強みよね〜なんて思います。ちなみに、走って風で前髪が上がっても、やっぱりカッコいいのも良いわね。前髪に頼る必要のない真正・男前だから。(てか、おデコ出し好き!あ、知ってた?)




 そして明日の開催を待つトンコー・青春祭の門の下に立つ平助先生。生徒達の顔を思い浮かべる綺麗な涙目のお顔がこれまた切なくも麗しい。それから、ひょいと一度眉を上げた後、電話をかけて、絞り出すように「あ、もしもし、俺。こんばんは。ちょっと、大事な話があるんだけど」と言うのですが。この辺りも、細部まで演技が素晴らしいわ〜。




 最後「大事な話があるんだけど」と言って、潤んだ瞳に哀しい決意が見える、みたいなお顔も良いのよ〜。




 続いて、ラジオネーム・住職の平太パパが、みゆきママに「ごめんね」するシーン。「あ〜面白かった」と逝ったみゆきママと、それって最高だろ?とカバさんに涙で語る平太パパのクダリは、年齢の関係で共感度が高くて、低体温・朔さんも、すっかり泣いちまったけれども。




 回想シーンの「あ、平ちゃん、お弁当」「あんの?」と平助さんが特大目を見開く表情も、「ないよ〜」「なんだよもう〜」と肩を揺するようなしぐさも、とってもラブリーでしたわ。




 そして、良い塩梅に3年前な感じのコートを着た平助先生が、学校で3D校長に「すぐにお家に帰って下さい!お母様、急に倒れたって」と言われた時の様子も見事なのよ。「えっ?」っていう前に、最初、まさか、みたいに一瞬笑みが浮かんで消えて、くるっと振り向いて必死で駆けていく、そんな平助さんの有様が実にリアルで素晴らしかったと思います。




 それから、病室のお別れのシーン。夫婦二人にしてあげようと「兄貴、出てようぜ」と言う次男ったら、良い子だわ〜。「なんでだよ」という兄に「いいから行こ?」と言う平助さんの涙声も胸を打ちました。大ベテラン・一平たんも、もちろん最高だったけど。




 そして、そのラジオを聞いて「良いご主人ですね。私にはもったいないわ。お返しします」と涙目で菩薩像に向かって言って、去っていく節子さんは、聡明で素敵な人でしたけれども。再婚して、その先もずっと、何かにつけ、みゆきちゃんを思い出されたら、それはシンドイかもね。(関係ないけど、麻生さん見ると、おサルの泰輔さんを思い出すわ)




 続く屋上でのリサさんへの真相と愛の告白については、特に涙については、もう前回書いたしぶたにさんのナイスな感想、



 「あの芝居はすごいんですよ。あの、泣かないんですよ。目に涙溜めてるのに泣かないんですよ。すごいんですよ、この人。(倉:溜めてるのに流さないんです)それ見てこっちは泣くんですよ」




 でいいかな〜と思うのですけど。




 てか、何て書いていいかよく分からないのよ。「どっちですか?学校ですけど。敬語で?友達のほうで?」とお茶目にやってきて、(ドンマイ先生のアドバイスに従って、節子さんに習って)「ご飯作りました」なんて可愛いことを言っているリサさんに、




 「俺、文化祭終わったら、教師辞めます。だから、この話は文化祭が無事終わるまで誰にも言わないつもりです」なんていきなり言って、「色々おかしい、まず教師辞めちゃダメだし、絶対、それから」と動揺するリサさんをさえぎるように、




 「あの晩、お姉さんを誘いました。一緒に花火しよぅって。お姉さんは来なかった。何時間も待ったけど。俺はサトシに電話した…」と、ちょっと唐突に話し出して、激情に流されないよう、何とか言葉を紡いでいく平助さんが切なすぎて。




 重い内容なんだけど、シンプルに事実を並べていくのが、一層切なさを増すというか。泣くのを堪えているような、話し方というか、息継ぎとか、間とかも、切なすぎて。




 自分が一杯いっぱいな中でも、時々、立ち止まって、ここまでいいですか?と確認するのも、学校の先生らしいし、平ちゃんらしいかも、なんて思ってそれも切なかったりして。(リサさんが「よくない!」って言うための振りかもしれないけど)




 「何で黙ってたんですか?ばれなきゃいいって思ってたの?何で今になって言うの?明日、文化祭!ここで!」となじるリサさんを見つめる哀しい目も良かった!




 「好きだから」「好きだから、何?これくらい、これくらいのことでは嫌われないって思ったんですか?」「違います。俺が好きなんです。蜂谷先生のことが、好きです。嘘じゃないです。火事の事を、言い訳しません。正当化もしません。何を言われてもその通りです」




 「だから、正直に話して、何もかも失う自分を想像しました。一人ずつ大切な人を思い浮かべて『ごめんね』と『さよなら』を言いました」



も堪らなくて、そんなん言わんでくれ!と思いました。




 「そん時に、一番悲しくなったのが蜂谷先生だったんです。蜂谷先生にさよなら言うのが一番キツかった」



も切なかった!




 セリフの言い方も、「キツかった」の辺りで、ちょっと哀しい笑みを浮かべるのも素晴らしい。みゆきママが倒れた時もそうだけど、彼の場合、衝撃を受けた時や、哀しい時、苦しい時に、絶妙なさじ加減で表情に笑みが混ざるのが、リアルで、すごく上手いと思います。




 「だから電話しちゃいました」とちょっと開き直ったように言うのもナイスでしたわ。




 「いや、これも文化祭の前日に言うようなことじゃないと思いますけど、言いますね。蜂谷先生、あなたのことが好きです。大好きです。理由はまだ分かりません」




 と懸命かつキュートに言うのも。その後、「今はまだ許しませんけど、乗り越えましょう」と(ややフォークダンス風に)両手を取って(握手の進化版?)、ハートの吊革、イズッパコなめんなモードに入るリサさんにちょっと「?」となる表情も、




 振り返って「ちゃんとご飯、食べて下さい」と言うリサさんに「はい!」と答える風情も、最高でした。リサさんもスーパー素晴らしかった。素敵なお相手で良かったわ〜。





 そして、ラスト、前回書いた、文化祭当日、青春祭の門に立つシーンとなる訳ですが。最終回まで、いよいよあと3日。ドラマHPにあったけど、TBSでは青春祭で使った美術品が展示され、明日金曜は「いっぷく」「ひるおび」土曜は「ブランチ」で番宣、ビルちゃんが司会をされる有線大賞でもちょっと触れて下さるのですって?会社をあげてごめんね青春!を応援して下さるということで、感激です。新しい予告は、心騒ぐ感じだけれど、いったいどんな風に平ちゃんが青春を卒業するのか、皆さんで確と見届けましょう。瞬き禁止!(無茶言うな)