AKB総選挙

 何気なく見たAKB総選挙が興味深かったので、ちょいとメモ。

・雨天のため、ファンがいない中でのスピーチだった。同じ所属の仲間が呼ばれると、NGTやHKTなどの地方の子達が歓声を送る一方で、AKBのメンバーはあまり歓声をもらえなかった。AKBの「もっと上を狙えたはず」という悔しい空気感と、地方の「先輩や仲間が上位でうれしい」というなかなかに面白い対比があった。

・前者の空気感はモーニング娘。の空気感で、後者の空気感はジャニーズジュニアの空気感である。もっと言うとジャイアンツとカープの違い。

・AKBメンバーより、地方の無名な子や地方へ移籍した子が順位を上げている。仲間達の歓声といい、ファンの投票といい本当にもりあがっているのはAKB(東京)ではなく、地方だという事。上位3人は票数こそ多いものの順位的には横ばいで盛り上がっているようには見えない。例えるならばジャンプにおけるONEPIECEのようなもの。

・1位になることより(2位と10万票も差をつけているのだから、そもそも無理)、無名な子が応援で順位を上げる事にみんなの盛り上がりは移行しているのではないか。他人との横の比較ではなく、前年の自分との縦の比較の世界になっていっている。つまり、ナンバーワンにもう価値はないという事を証明しつつある。(関連:ナンバーワンはオンリーワンに勝てない - 鈴木君の海、その中

・今の時代、どの都道府県にもご当地アイドルがいる。誰もがアイドルになりたい、あるいは欲しい時代。AKBはそもそも劇場で行けば会えるアイドルとしてスタートしたのだから、むしろ地方へ行った子たちの方が原点に近い。

・打ち合わせをしていないからこそ起こるぐだぐだ感と、突然の結婚発表。結婚します!の字幕に見ている方はポカーン。

・いろんな意味でやばいやつが多い。アイドルらしさのような型のようなものはもう存在せず、その人の持つ人間性のような形がポイントとなっているように見える。だから指原が1位である事にも納得できる。

・1位になった指原の考えが面白い。彼女にとって恐ろしいのは誰かに負ける事ではなく、ファンがAKBに興味を持たなくなる事。(関連:ゲハがゲーム業界を救えないワケ - 鈴木君の海、その中