最近の仕事(ミステリ批評×3+上田岳弘『塔と重力』書評)



 三つのミステリ批評がたまたま、ほとんど同じ時期に世に出ることになりました。高校生の時に人生上の影響を受けた法月氏や笠井氏の小説をこの夏、まとめてゆっくりと読み返したのは、幸せな時間でした。昨年の「本格ミステリー・ワールド」鼎談を読んだ法月氏から指名があり、解説を書かせてもらったのも嬉しかった(『ラトウィッジ機関』のバートルビーのくだりには『無能力批評』も若干影響していると聞きました)。「ジャーロ」の原稿はタイトルを「『君の名は』殺人事件」にすればよかったかも。
 賛否両論あるらしい上田氏の新作は、彼の最高傑作だと僕は思っています。


 ◆「バベルの塔を再建し続けろ、その足元の瓦礫から――上田岳弘『塔と重力』書評」(「すばる」2017年10月号)
 ◆「迷子猫【ストレイ・キャット】的な脱構築のために――法月綸太郎『怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関』解説」(22枚、講談社文庫、9月14日)
 ◆「ミステリと君――The Japanese KIMI MarderCase」(20枚、「ジャーロ」2017年秋号、講談社、9月22日)
 ◆「笠井潔入門、一歩前」(22枚、笠井潔『転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿』解説、講談社、10月10日)


転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿

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