元ヤンキーのホストの元に、存在すら知らなかった息子が転がり込んで・・・、というドタバタユーモア家族小説(兼お仕事小説)。
ヤンキー上がりの沖田大和は直情径行の正義漢である。つい客に説教してついでに愛の平手打ちまで食らわしてしまい解雇されるが、経営者のジャスミンが手がける別事業への転職を勧められ、親子ともども新たな生活を始める。
型破りの親に律儀な子供というのは児童文学に出てくる親子のパターンでありがちだが、本作でもそうで、マメで料理が上手で妙に小母さんくさい進少年が笑える。非常識な父親に眉をひそめながらも、大和を徐々に父親として認めていくのだが、和製クレーマークレーマーと言った感。痛快な父子小説である。
ひとつ間違えば滑稽さ丸出しになるはずなのに常にかっこいい王道ホスト雪夜や、大柄なニューハーフの経営者ジャスミン(ミッツ・マングローブを彷彿)など脇役もいい感じだ。続編もあるので楽しみ。