「市場原理」には市場競争力が無い

GM倒産から発生する悪夢」にトラックバックをいただいた。

  • その部品や車が本当に必要なものであれば、体力の残った企業がそれなりの価格で買収すればよいだけでは?

残念ながら、それではうまくいかない。個々の完成車メーカにとって必要なのは、自分たちのクルマの部品の生産能力だけであって、他所のメーカのクルマの部品の生産能力は不要である。したがって、長期的に部品の供給を確保できれば、一時的に完成車の生産ラインを閉鎖することが、その完成車メーカにとっては合理的ということになりかねない。そして、個々の完成車メーカにとっては合理的でも、多くの完成車メーカがそうすることにより、部品メーカは倒産してしまう。

  • 「生産ラインの停止は、売り上げの低下に直結」するのは確かだけど、もう既に充分売上は落ちているわけですよ。
  • 日本車や欧州車も既に大幅売上減。
  • 前年同月比で-30%とか-40%とかいう数字が数ヶ月続いている。

売上が落ちている、そこからさらに売上が大幅に落ちる、そう言っているのだけど……。

  • 資本主義なら、市場に任せるべき。

「市場原理」が常にうまく作用するものなら、ウォーターフォール型のソフトウェア開発なんて生き残っているはずが無い。皮肉なことに、「市場原理」は条件の良い環境でないと作用できない「温室育ち」であって、悪条件に耐えられない市場競争力の無い代物である。