ミクロ経済学は需要や供給を理解しているのか?

ミクロ経済学の基礎は怪しい

ミクロ経済学においては、需要や供給という基礎的なものすら適切に理解されているか怪しいです。例えば、需要量や供給量は、普通に足し合わせていいのでしょうか?

足し合わせることができないものはいろいろあります。温度は足し合わせることができません。100度の湯と100度の湯を一緒にしても200度になったりはしません。力の大きさや速さも一般に足し合わせることができません(より正確には足し合わせても意味がありません)。需要量や供給量を足し合わせることができるか否かは自明ではありません。もちろん、単なる物理的な量としてなら足し合わせることに問題はないでしょう。しかし、経済における量としての需要量や供給量が足し合わせることができるか否かは自明ではありません。

需要量や供給量は絶対的ではない

需要量や供給量は、誰にとっても同じ、絶対的な量とは言えません。
例えば、北海道の店で売られている商品は、九州にいる人にとって供給されているとは言えないでしょう。九州にいる人にとっても北海道にいる人にとっても、同じ供給量として扱えというのは、いささか以上に無理があります。

無差別的に扱うと、需要量や供給量を多重に計算することになる

九州にいる人にとっても北海道にいる人にとっても需要量や供給量を無差別的に扱えと言うことはできます。しかし、そのように無差別的に扱うと、今度は、流通・小売業者のように、買い手でも売り手でもあるような場合を適切に扱えません。流通・小売業者の需要量や供給量を計算にいれると、需要量や供給量を多重に計算することになってしまいます。