たこわさ

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舟を編む 第七話「信頼」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

西岡が宣伝部に異動となる日が近付いていた。そんな中、とある大学教授から上がってきた原稿が執筆要項を全く満たしておらず、修正作業が必要になった。馬締と西岡は協力して原稿を修正し、その様は傍から見ても良いコンビ振りであった。
それから数日が経ち、件の大学教授から自分の原稿が大幅に修正されたことに対するクレーム同然の電話がかかってくる。主な修正作業をしたのは馬締だったが、思う所のあった西岡は自らが教授のもとへ赴き――。

感想

西岡が相変わらず有能過ぎる。それだけに、彼が編集部から去ってしまうことが残念でならないが、例え直接的に手伝うことは出来なくとも、何らかの形でサポートすることは出来る。もちろん、他の仕事を抱える中では出来ることは限られるだろうが、それでも西岡の言葉が馬締にとっては何よりの励みになったのではないだろうか?
西岡が教授を「脅す」くだりは、少々危なっかしい所こそあったが基本的には痛快な展開だった。そもそも、執筆要項にすら目を通してない上に言動に難ありなあの教授が本当に大渡海にとってプラスになるのか、少々疑問には思ったが(笑)。西岡が多少強引な手を使ってまで、教授を大渡海に関わらせ続けようとした所を見るに、ちゃんと意味はあったのだろうが。

色々と吹っ切れた西岡が、些細なメールのやり取りから彼女とのなあなあな関係を卒業したくだりも実に秀逸。彼女の方のメールの返信が、一つ前の軽いノリではなく実に真面目な、西岡の意図を汲み取ったものである点も実に良い。むしろあそこまでお互いを理解しあっている二人が、今の今までいい加減な同棲関係を続けていたという方が驚きだが(苦笑)。

舟を編む (光文社文庫)

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