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Nardis

June, 21, 2018 TAMALA2010、逃猫ジュレ、あるいは名前のないパンクキャットについて

TAMALA2010、逃猫ジュレ、あるいは名前のないパンクキャットについて


ファッキンな一日が始まりますね」



2002年、私が京都で学生をしていた頃、妙ちくりんなネコキャラクター・TAMALAに出会った。
セレクトショップに置かれた映画『TAMALA2010 -a punk cat in space-』のフライヤーを見て、広大な世界観と深遠な哲学をもった次世代アニメーションにちがいないと感じた私(単なるネコ好き)と当時の恋人は劇場公開を待ち望んだものだった。

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しかし、興行が芳しくなかったのか、そもそも杜撰計画だったのか、当初3部作とされていた劇場版や他媒体でのシリーズ展開はまんまと頓挫し、熱狂するまでもなくTAMALAは私の前から姿を消した。

一般にどれほどのインパクトがあったのか私には判断がつかないが、公式には「北米フランスベルギースイスでの海外配給決定」と記載がある。またwikiによれば、受賞歴として2003年ファンタジア国際映画祭(モントリオール)の審査員部門最優秀アニメ賞・観客部門最優秀アニメ賞と記載されている。アジア圏のジャンル系映画(アクション、ホラー、アニメ、SF、B級など)の紹介をメインとした映画祭の特色からして、「国際的な評価を得た」とは一概には言い難く、一部のコアなファンを獲得した、というレベルかもしれない。



TAMALAプロジェクトは、hide(元X JAPAN)が音楽レーベルLEMONed設立時に参加したクリエイターユニットt.o.L(久野真喜子・齊藤慶)、アニメーター根本健太郎による企画作品。
2007年8月、新たにOVA作品としてリリースされている。


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↓『TAMALA'S WILD PARTY』では、t.o.Lが監督・脚本を離れ、小原秀一が監督・絵コンテを務めている。
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2010年10月、名古屋で開かれた第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)およびNHKによる環境特番『SAVE THE FUTURE』において、『Wake up!! TAMALA』と題した短編作品が公開。同月の第23回東京国際映画祭にも公式出品・公開されている。

しかしタバコをふかしながらファッキンと毒づくパンクキャットの姿は見る影もなく、特別協力WWF JAPANへの忖度なのか、「共に生きる」とか言い出しかねない自然愛護使者へと変貌した。時流に乗る、という意味ではTAMALAのファッション性は評価せざるを得ないし、人の期待を裏切る、という面では、まさに“ネコ的”としか形容しえないパンクキャットなのである。

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そして2016年、歌手・大森靖子声優に迎え、TAMALA2020としてWEBアニメ『逃猫ジュレ』が公開された。
尚、大森靖子アレルギーな私には、もはや最期まで看取る気さえ起きない。
ジュレTwitter ポールダンス猫Twitter
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世事に疎い私にとってTAMALAやt.o.Lに関する情報は常に不足しており、更新頻度はいつだって「忘れたころに」だ。



しかしTAMALAの未来に関して、一縷の希望があるとすれば、『逃猫ジュレ』の事業に株式会社DLE(Dream Link Entertainment)が関わっているという点である。
DLEのコンテンツ事業は映像・音楽・ファッション・アプリ開発など多岐にわたり、知られたところでは、「東京ガールズコレクション」ブランドを傘下に加え、『秘密結社 鷹の爪』等で人気のクリエイター・FROGMAN(小野 亮、蛙男商会)らアニメーション部門も活発であり、音楽レーベル「術ノ穴」にはMCのDOTAMAら個性的な若手アーティストも多い。
椎木隆太CEOは、DLE設立以前、SONYで海外ライセンス事業に携わった人物であり、現地でソフト開発し世界に向けて発信するビジネスモデルを提唱している。



もしかすると2020年ごろには他の国でTAMALAの皮を被った全く新しい別のネコが誕生しているかもしれない。




[参考]
asian beat マタギキ volume 04 DLE CEO椎木隆太氏インタビュー