新場

 上海の周辺の水路が張り巡らされた古い街並みを「古鎮」或いは「水郷」としてリノヴェートして、観光地として売り出すというのはいつ頃から始まったのかはわからない。少なくとも、2003年に私が上海に滞在したときには、それらの「古鎮」は観光地として活気を呈していた。但し、私が訪ねたことがあるのは、その時に行った朱家角と周荘(これは蘇州市に属する)だけなのだが。


 余夢「上海唯一未開発古鎮投2000万治水」『東方早報』2006年2月28日


 上海市内で未だに観光地として開発されない「古鎮」(「水郷」)があったという。それが「新場」。名前に反して、聚落としての歴史は1000年を越えるという。この度観光地として再開発するにあたって、2000万元を投じて、水路の水質を改善するという。聚落内を流れる「水」は「水郷」の「魂」であるが、遺憾ながら現状は汚染されまくっている。計画では、ポンプを用いて水を流動化させることと、下水道を整備して汚水の流入を食い止めることが行われる。これらは「上海新場古鎮建設開発有限公司」という企業が全て請け負うというのが〈社会主義市場経済〉の中国らしいか。
なお、(開発前の)「新場」については、山之内淳「新場」*1を参照されたい。
上海にいながら、浦東にも行かないという生活をしているが、今度の週末には浦東の「高橋」*2へ行ってようかと思っている。清朝以来の街並みと新しく開発されたテーマ・パーク風高級マンションが隣り合っているようだ。