「ノリ」の外部

http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/12/happy_christmas.html


中原淳という方のblogで、浅田彰の言い方を捩った「シラケつつノリを創り、ノリを創りつつシラケル」というフレーズあり。オリジナルはたしか、「シラけつつノり、ノりつつシラける」だったか。不図思ったのだが、


 シラケル
 ノリを創る


どちらも〈ノリ〉の外部に自身が置かれている。というか、「ノリを創」る者自身はノることはないだろう。また、ノるとは既に構成されたノリにノることであり、また「創」られるというよりも、結果として(それも別のノリの変形として)在ってしまうというものではないか。

『在這里 張愛玲城市地図』

先週買った本;

 淳子『在這里 張愛玲城市地図』人民文学出版社、2006


一個墓穴   江蘇路二八五弄二十八号
康楽村    延安中路七四〇弄十号
白爾登公寓  陝西南路二一三号
聖瑪麗亜女中 長寧路一一八七号
偉達飯店   淮海中路九九三号
旧的家    康定東路八十七弄
開納公寓   武定西路一三七五号
聖約翰大学  萬航渡路一五七五号
愛丁頓公寓  常徳路一九五号
竇婦橋    温洲城
美麗園    延安西路三七九弄二十八号
重華公寓   南京西路一〇八一弄十一号
Ka爾登公寓  黄河路六十五号
曹七巧的家  威海路五九八号
蘇青的家   自忠路二四四弄七号
擇隣処    常徳路七七一至七八一弄
《半生縁》  虹橋路
後記
張愛玲のライフ・ヒストリーに沿って、その生の場所を訪ねる。カラー写真多数。ここにいう「城市」とは何よりも上海(そして温洲)のことである。1950年代以降の「張愛玲城市地図」(それは〈香港篇〉〈米国篇〉となるのだろうけれど)があってもいいような気がする。
張愛玲といえば、彼女の60年間知られていなかった中編小説「鬱金香」が今年1月1日発売の『張愛玲集』第1巻(北京十月文藝出版社)に収録されている。「鬱金香」は中国大陸の学者である李楠氏が2005年に発見したもの。上海で発行されていた『小日報』という新聞に1947年5月に半月間連載されていた*1
また、李安(Ang LEE)が張愛玲原作の『色、戒』を制作しているが、去年のクリスマス前に或る方から李安が日本人エキストラを募集しているから出演しないかという話があった。ロケ地は外灘で、夜7時から翌朝まで拘束されて、ギャラは400元。私はオファーされた仕事は原則としてお断りはしないのだが、その頃私は法律上オーヴァー・ステイ状態であり、自宅で開くクリスマス・パーティの準備で忙しかったので、やむなくお断り申し上げ、俳優としてのデビューを逃したのであった。

*1:陳怡「張愛玲中篇小説《鬱金香》首度出版」『東方早報』2006年12月20日

「女白領」その他

戴錚「女白領独得芥川奨」『東方早報』2007年1月18日


青山七恵さんの芥川賞受賞を報じる。彼女は「個標准的女白領」であること。また、石原慎太郎村上龍が特に強く推したこと。また、


《一個人的日子》描述了20歳的女主人公知寿輿71歳的遠房親戚吟子共同生活的一段日子、両代人対感情和事業等問題展開了対方内心深処最柔軟的地方、知寿最終決定告別男友和自由職業生活、開始去公司工作、過一個人的日子。
この記事で、日本文学の「カラオケ化」という斎藤美奈子の言葉が紹介されている――「随着文学新人奨的人気日漸高漲、以及獲奨者的年齢越来越低、在純文学領域已経呈現出写的人比読的人多的態勢、似乎人人都能拿起“麦克風*1”、高歌一曲“文学ka拉OK”」。ただ、斎藤さんの肩書きが「芥川奨評委」となっているのは違うでしょう。

それから、牧村健一郎「近現代日本小説の翻訳・普及が本格化 「文学発信」に文化庁が本腰」という「文化庁による日本文学の翻訳プロジェクト」に関する記事*2。今度露西亜語に訳されたという大佛次郎の『赤穂浪士』なんて、現在日本で版が続いているのだろうか。大昔に角川文庫に入っていたことは知ってはいるが。この「プロジェクト」には、ほかに長谷川伸川口松太郎獅子文六もラインナップされているが、これらの作家の作品も現在の日本では容易に手に入れて読むことはできないんじゃないかと思った。

2月のCSF

村井さんからのお知らせ;


ワークショップ 「雇用流動化を生きる―労働・場所・アート―」
◇日時:2月3日(土) 15: 30〜
◇場所:神奈川大学横浜キャンパス 20号館201
 最寄り駅(東急東横線白楽徒歩13分、または横浜駅からバス)
 ※会場へのアクセス詳細はこちら→〈http://www.kanagawa-u.ac.jp/02/accessmap/index.html


◇報告①:原口剛さん (大阪市立大学大学院・同大学都市研究プラザ・リサーチアシスタント
 「フォーディズム-ケインズ義体制下における日雇労働市場の編成と労働運動の動態――大阪・「釜ヶ崎」を事例として――」
◇報告②:櫻田和也さん (大阪市立大学大学院、NPO法人・記録と表現とメディアのための組織 [remo])
 「ポスト・フォーディズム-シュンペーター主義的ワークフェア時代の失業運動とアート」

  ディスカッサント:今野晴貴さん (POSSE代表)
              POSSEについては→〈http://www.npoposse.jp/

  司会:五十嵐泰正さん (学術振興会〔一橋大学〕)

                      
Cultural Studies Forum(CSF)・神奈川大学人文学会・共催

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◇報告者の御二人について
★原口剛さん
 大阪市立大学文学研究科後期博士課程 / 大阪市立大学都市研究プラザ・リサーチアシスタント

【関連著作】
・「集客都市の暴力」『VOL 01』, 2006, p152〜p158.
・「公共空間の変容―ジェントリフィケーションから報復の都市へ」
  『現代思想』33(5), 2005, p142〜p155.
・「「寄せ場」の生産過程における場所の構築と制度的実践―大阪・「釜ヶ崎」を事例として」『人文地理』55(2), 2003, p17〜p27.

櫻田和也さん
 大阪市立大学創造都市研究科後期博士課程 / NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 [remo] 技術係
       remoについては→〈http://www.remo.or.jp/

【関連著作】
・「失業のメーデー」(2006:修士論文
・「プレカリアート共謀ノート」 『インパクション』151号(2006.4:インパクト出版会
 「労働としての芸術」(2007:予定)
・鼎談(×金友子×小野俊彦):「場所を生み出す」 『インパクション』153号(2006.8:インパクト出版会

Cultures of Popular Music/Cinema and Cultural Modernity

先週買った本;

Andy BENNETT Cultures of Popular Music, McGraw Hill, 2001

Cultures of Popular Music (Issues in Cultural and Media Studies)

Cultures of Popular Music (Issues in Cultural and Media Studies)


Gill BRANSTON Cinema and Cultural Modernity, McGraw Hill, 2000

Cinema and Cultural Modernity (Issues in Cultural & Media Studies)

Cinema and Cultural Modernity (Issues in Cultural & Media Studies)

但し、何れも北京大学出版社による影印本。