Anchor Steam

近くのイトーヨーカ堂で、Anchor Steamを買う。Anchor Steamだけでなく、同じ会社のLeberty AleとAnchor Porterも売っていたので、勿論1瓶ずつ買う。Anchor Steamの味の特徴はラガーとエールの融合といえる。Leberty Aleはほんのりとした酸味が心地よい。Porterはプリミティヴなスタウトだが、普通のスタウトよりもクリーミィである。どの銘柄も泡が美しい。桑港のAnchor Brewing Companyについて、Wikipediaの記述を引いておく;


Anchor Brewing Company is an American alcoholic beverage producer, operating a microbrewery and distillery on Potrero Hill in San Francisco, California. The brewery was founded in 1896, and was purchased by its current owner, Frederick Louis Maytag III, in 1965. It moved to its current location in 1979. It is one of the last remaining breweries to produce California Common beer, also known as Steam Beer, a trademark owned by the company.
http://en.wikipedia.org/wiki/Anchor_Brewing_Company
Anchor Brewingは(あのバドワイザーの)Anheuser-BuschやMiller等の独占支配に対抗する米国に於ける地麦酒運動のモデル的存在でもある。
ところで、大江健三郎もAnchor Steamが好きだと知ったのはかなり前。『河馬に噛まれる』を読んだとき。
河馬に噛まれる (文春文庫)

河馬に噛まれる (文春文庫)

『黒衣の花嫁』

NHKのBS2で、フランソワ・トリュフォーの『黒衣の花嫁(La Mariee Etait En Noir)』を観る。
コーネル・ウーリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の原作。
ジャンヌ・モローが或る決意を固めて、家を出るところから始まる。結婚式のちょうどその時に悪戯のために殺された夫の敵を討つために。ジャンヌ・モローは終始圧倒的な存在感を見せる。ロングもクローズも自由自在なラウル・タクールのカメラ・ワークとともに、全編はタイトにリズミカルであり、だれることがない。ラウル・タクールの映像で、特に観るべきは、死ぬ寸前の男たちの悔悟と恐怖の表情。
NYTのRenata Adlerさん曰く、"The movie is technically a suspense and horror film?a tribute to Alfred Hitchcock, with whom Truffaut did a fascinating book of interviews last year?in which Jeanne Moreau murders a number of gentlemen. But Truffaut is such a poetic filmmaker that the film turns around and becomes, not at all Hitchcockian, but a gentle comedy and one of the few plausible and strange love stories in a long time."*1 ラヴ・ストーリーとして観れば、これは〈不在の恋人〉を恋うる話であり、或る意味でラヴ・ストーリーの極限ともいえる。また、〈一途な女〉ということでトリュフォーの後のフィルモグラフィを辿れば、例えば『アデルの恋の物語』のイザベル・アジャーニが思い浮かぶ。ところで、http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/La%20Mariee%20Etait%20En%20Noir.html では、「フランス版」の『五辧の椿』だと指摘されているが、思わず納得*2。さらに、http://homepage2.nifty.com/JYOKOTE/cinema/043.htmトリュフォーの「足フェチ」を指摘*3
なお、この映画で重要なのは、或る意味ベタであるかも知れない*4。しかし、音楽担当者については失念。

黒衣の花嫁 [VHS]

黒衣の花嫁 [VHS]

*1:http://movies2.nytimes.com/mem/movies/review.html?_r=1&title1=THE%20BRIDE%20WORE%20BLACK%20%28MOVIE%29&title2=&reviewer=Renata%20Adler&pdate=&v_id=7089&pagewanted=print

*2:このテクストはかなりネタばれなところがあるので、要注意。

*3:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050711

*4:何しろ、「結婚行進曲」のヴァリエーションですから。

久々のブックオフ

散歩を序でに近所のブックオフへ。あまり豊作とはいえなかったが;

 クラフト・エヴィング商會クラウド・コレクター 雲をつかむような話』筑摩書房、1998

クラウド・コレクター―雲をつかむような話

クラウド・コレクター―雲をつかむような話

 上野千鶴子 et al.編『変貌する家族1 家族の社会史』岩波書店、1991  ニック・ホーンビィ(森田義信訳)『アバウト・ア・ボーイ新潮文庫、2002
アバウト・ア・ボーイ (新潮文庫)

アバウト・ア・ボーイ (新潮文庫)

 塚本青*1史『呂后講談社文庫、2002
呂后 (講談社文庫)

呂后 (講談社文庫)

 鈴木透『性と暴力のアメリカ 理念先行国家の矛盾と苦悶』中公新書、2006
性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 (中公新書)

性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶 (中公新書)

 本村凌二多神教一神教−−古代地中海世界の宗教ドラマ−−』岩波新書、2005  愛敬浩二『改憲問題』ちくま新書、2006
改憲問題 (ちくま新書)

改憲問題 (ちくま新書)

また、別の古本屋にて、

 石垣綾子『回想のスメドレー』みすず書房、1967

 間瀬啓允、稲垣久和編『宗教多元主義の探究−−ジョン・ヒック考−−』大明堂、1995
宗教多元主義の探究―ジョン・ヒック考

宗教多元主義の探究―ジョン・ヒック考

 高橋統一『文化人類学−−展望と課題−−』敬文堂、1957
文化人類学―展望と課題 (1957年)

文化人類学―展望と課題 (1957年)


Mixiにコミュ*2もあるCafe PaPaにて休憩&読書。

エンプレスではなくてエンペラー?

東京ウォーカー』を見ていたら、『女帝 エンペラー』という映画が6月2日から公開されるらしい。『夜宴』。英語でもBanquetなので、???な題名だ。また、「女帝」は英語でemperorではなくempress。
シェークスピアの『ハムレット』をベースにしたもの。私が観たところ、あまりに舞台劇としての『ハムレット』に呪縛されてしまい、映画としてのダイナミズムに欠けていた。何だか、歌舞伎と能と京劇と(少しの)カンフーのちぐはぐなアマルガムという感じ。
2006年の中国映画には、もう1本『ハムレット』がある。蒲巴甲主演のチベットハムレット『喜瑪拉雅王子』*1。こちらの方が映画としてのダイナミズムが確保されている。王子の留学先が「ペルシア」というのはチベット故か。