みどりたち

昨年末のものではあるが、


亀井静香みどりの風に合流したとニュースで知り、そういえば緑の党というのがあったのではなかったかと検索してみると、あった。先の衆院選には候補者を出していなかったが、来夏の参院選には出るようだ。

緑の党http://greens.gr.jp/

みどりの風http://mikaze.jp/

それにしても、まぎらわしい名前。漢字の「緑」と、ひらがな表記の「みどり」では、見た目の字面はずいぶん異なるが、読みの音が同じだし、まあ党と風がぜんぜんちがうから、いいのかな。
http://d.hatena.ne.jp/nessko/20121230/p1

また、

緑の党(Green Party)http://www.greenparty.gr.jp/

先に紹介したところは英語名が Greens Japan なんで、ちがってるんです。どうしてこうなった?

緑の党(Green Party)」については、「様々なサイトで泡沫扱いされ嘲笑の対象になっていますが、私が以前住んでいた大田区では結構メジャーな存在だったので、ネタサイトを見る度にギャップを感じていました」というコメントが*1。「大田区」云々というのは、

日本新聞2011年4月25日付3898号より
 
緑の党・のろけいこ大田区議、4選果たす
板橋区・わたなべちづるも善戦。脱原発・命を守る政治を訴える緑の党へのご支持に感謝します。区民生活第一の区政のため尽力します
 
 17日告示24日投票の統一地方選後半、緑の党大田区議会議員選挙で、のろけいこが4428票で4選を果たした。
 3期12年の大田区議としての実績が高く評価された結果である。選挙戦の宣伝中にもたくさんの方が駆け寄り、「もう20年も前から支持しています。本当によくがんばってくれていますね」「区議になる前から知っている。駅頭に立って、よく宣伝していた。初当選した時、区議会の傍聴に行った。初めてなのに頑張っていた。今ではベテランの区議になった。これからも頑張ってほしい」と激励の声が寄せられた。
 選挙戦最終日の23日、雨の降る中、蒲田駅西口広場で切々と訴えた。「3月30日、被災した岩手県緑の党を代表して救援物資を届けてきました。その時、一緒にお父さんを捜しに行った娘が今、ここに来ています。お父さんは大槌町にいて被災しました。ようやくインターネットでお父さんの名をみつけたのです。あちこち避難所を捜し回って、お父さんの名をみつけた時、彼女が一目散に駆け出すのを見て、家族はいいものだなあと思いました。彼女が今日ここに来てくれて、東京で頑張って被災地の復興とつながっていくだろう姿を誇らしく思います。今、高校生達が救援のあしなが募金をしています。私も10歳の時に父親を交通事故でひき逃げされました。それ以来、母親の背中を見て育ち、26歳の時には母も亡くなりました。両親ともいない中、こうして仕事をしてこられたのは、地域で支えて下さっている皆様のおかげだと思っています。すべての政策は命をつなぐということを基本に仕事をしてきました。子どもや高齢者、障がいを持っている方に安心の町は、すべての人にとって安心につながる、命を支えることが私たち69万区民の自治体の責任だと考えてきました。安心して暮らせる町をつくるため、一人の区民として、みなさんの声を議会に届けていきます」
 雨の中、多くの区民の方がかけつけてくれ、“すべての政策は命をつなぐ”と実践してきた活動が支持を広げている。地元の方も「選挙が終わった次の日から選挙が始まるというが、のろさんがまさにそうだ。一生懸命やってくれている。区議は区のために一生懸命やってくれる人でなければ」と支持し続けてくれている。
 
緑の党脱原発、すべての原発廃炉にと活動を続けます
 板橋区議会議員選挙では緑の党中央委員・わたなべちづるが善戦し、1107票の支持を得た。地元・大山西町では「わたなべさんは本当によく町内の仕事をしてくれている。ぜひ区議になって頑張ってほしい」と支持が高まっている。
 緑の党は“原発ではなく自然エネルギーへの転換を”と訴え続けてきた。福島第一原発が大事故を起こし、放射能汚染が大きな問題となっている。政府も東電も正しい情報を出さない中だが、この問題を重要な問題だと見抜いている人は多い。「脱原発だから、渡辺さんを支持する」という声も寄せられた。「ヘルパーをして福祉に関心が強いのがいい。介護・医療・リハビリなど連携をとってケアできる新しい施設が必要だ。共に頑張りましょう」という激励もあった。
 緑の党は、儲け第一の政治ではなく命を大事にする政治への転換を訴えてきた。戦争反対、差別反対、脱原発、すべての主張が命を大事にするという基本に貫かれている。福島第一原発大事故は、もうけ第一の政治が引き起こした人災である。事故の後も、世界の国々が“原子力時代の終わりだ”“日本は崩壊する”と指摘しているのに、日本では“大丈夫、大丈夫”と真実を何も知らせない。それによって避難も遅れ、更に被害を拡大している。いまだに正しい情報が流されていない。政府は早急に、福島原発事故の正しい情報を提示すべきである。特に被災地・福島では緊急を要している。
 緑の党は、みなさまの一票一票を大切に、脱原発、命を守る政治を訴えていきます。 (沢)
http://www.greenparty.gr.jp/jnews/t3898.html
「様々なサイトで泡沫扱いされ嘲笑の対象」ということだけど、東京周辺の人にとっては、変な街頭募金をやってる人たちというイメージが強いのでは?*2 『日本新聞』という機関紙のタイトルはエコロジストの新聞というより右翼チックな匂いがする。今では(上に引用した記事のように)「脱原発」を掲げているようだが、1980年代にこの機関紙を最初に見たとき、「緑の党」と名乗っているのに原発を初めとする環境問題の記事は殆ど見えず、とにかく印象に残ったのは、日本共産党を罵倒しているなということだった。新左翼は一般的に共産党を罵倒するものだが、その罵倒というのは自らの主張の序でというか、その帰結として出てくるもので、罵倒それ自体が目的というわけではない。『日本新聞』から感じたのはその自己目的化された共産党への罵倒ということだった。ところで、Wikipediaでは「緑の党 (三橋派)」としていますね*3。因みに、「地球温暖化」問題については陰謀説に立っているようだ*4
そういえば、1980年代にあの太田竜*5が「日本みどりの党」というのを結成していたのだった*6。それで、晩年太田が『週刊日本新聞』というのを出していて、「緑の党」の『日本新聞』と話がこんがらがって困るという人もいた*7
さて、Green PartyなのかGreensなのかということですが、「緑の党」の元祖である独逸に遡って検討してみると、日本で「緑の党」と言われているのはDie Grünenで*8、英訳すればThe Greens、そこには「党」を表す言葉(Partei)は入っていない。ここでは詳しく論じられないけど、「党」が入っていないことの政治思想史的な意味は大きいのだと思う。ともかく日本語にするとすれば、緑たちとか緑な人たちとすべきだろう。何故原語にはない「党」が入って「緑の党」になったのかといえば、1980年代には政党について、「たちあがれ日本」だとか政党助成金もとい「国民の生活が第一」というようなキラキラした名前*9への許容度が低かったということがあるのではないか。Greens Japan はエコロジスト政党の世界的なネットワークGlobal Greens*10の会員であるけど、世界各国の加盟組織を見ても、PartyがあるのもあればPartyがないのもあるという感じで、これに関しては統一はない。
緑の党」についての歴史的考察ということだと、1983年に出された永井清彦『緑の党』は未だ参考書としての価値を保っているかどうか。
緑の党 (講談社現代新書 (694))

緑の党 (講談社現代新書 (694))

おまけ;

nessko 2013/01/08 14:35
政党ではありませんが、グリーンアクティブという団体がありますね。
http://green-active.jp/
環境問題に関心を寄せる人たちのネットワークを形成したいという意図で組織された運動体、だということです。
組織概要では、発起人が、中沢新一(代表)、いとうせいこう宮台真司、マエキタミヤコということになってます。
マエキタミヤコという人ですが、調べてみると、例のホワイトバンドの仕掛け人だった。
原発事故をきっかけに、エネルギーや環境問題に関心を持つ人は増えただろうし、そういう人達が自分の知りたいことがわかる場所やサイトを運営することには意味があるでしょう。でも、政治家にとっては、一種の逃げ場になっているように見えてしまう。他の政治課題を避ける口実に脱原発が使われているようなところがあるんじゃないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130108/1357603948#c1357623300


tonybenn1973*11 2013/01/08 18:20
マエキタミヤコ胡散臭いですねぇ。河村たかしと昵懇らしく、例の「南京大虐殺はなかった」発言の時は、愛川欣也の番組で必死に河村を擁護(「発言の本当の意図が伝わっていない」云々)してました。昨今騒がれている脱原発運動がこういう「右も左もない(政治的イデオロギーとは無縁な)脱原発」を地でいく人々に先導された運動なら、そんなものどうでもいいなって思います。私なら、河村たかしとはいかなる目的があろうが絶対に共闘なんてしませんからね。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130108/1357603948#c1357636858