佐藤毅編『コミュニケーション社会学』

コミュニケーション社会学 (ライブラリ社会学 (7))

コミュニケーション社会学 (ライブラリ社会学 (7))

今から30年近く前に出された佐藤毅編『コミュニケーション社会学』(サイエンス社、1985)をぱらぱらと捲っている。内容は、


はしがき(佐藤毅)


1章 コミュニケーションの論理と構造(塚本三夫)
序 コミュニケーションにおける現代
1-1 コミュニケーションへのアプローチ
1-2 コミュニケーションへの人間論的視野
1-3 コミュニケーションの社会・歴史的性格
むすびにかえて コミュニケーションの今日的位相

2章 社会変動とコミュニケーション−−日本近代化過程におけるコミュニケーションの展開−−(吉原功
はじめに
2-1 明治維新とコミュニケーション−−幕藩的コミュニケーション構造の崩壊と「近代的」コミュニケーションへの模索−−
2-2 天皇制国家体制の確立とコミュニケーション−−「近代的絶対主義」下のコミュニケーション構造−−
2-3 「大正デモクラシー」から「昭和ファシズムへ」
まとめにかえて

3章 情報操作社会の理論序説(松尾博文)
3-1 問題の所在と伝統的パラダイム
3-2 新たな理論の胎動
3-3 現代社会における操作の諸問題

4章 コミュニケーション主体の現代的状況(佐藤毅)
4-1 人間における自律
4-2 私的世界の肥大化
4-3 行為としてのコミュニケーション


人名索引
事項索引

4章最後の註で、佐藤先生が「(前略)「異安心とたたり信仰」と題して日本人の庶民信仰−−伝統的な宗教観−−をさぐり日本人の「超自我」としての「たたり」と「大衆的倫理」とのかかわりで自律性の問題を考察した一節を書き終えたのであったが、枚数の制約があって割愛せざるを得なかった」と書いているのが気になった(p.211、註116)。これが何処か別の場所に発表されたのかどうかはわからない。
その佐藤先生は1997年に亡くなっている(川浦康至「素・ボク・日記1997」*1。また検索していたら、筒井淳也氏のエントリーも見つかった。ゼミにおける佐藤毅*2
そういえば、川浦さんも著者のひとりになっている、川上善郎、川浦康至、池田謙一、古川良治『電子ネットワーキングの社会心理』(誠信書房)が刊行されたのは1993年で、ここで謂う「電子ネットワーキング」もインターネットではなくて「パソコン通信」における「ネットワーキング」なのだが、この年はきゃりーぱみゅぱみゅが生まれた年だ。