5匹の猫

『スポーツ報知』の記事;


千葉の30代高校教諭、子猫4匹を校内に生き埋め

スポーツ報知 3月23日(月)18時13分配信


 千葉県船橋市の県立高校で、30代半ばの男性教諭が校内で見つけた子猫5匹を敷地内に埋めていたことが23日、高校への取材で分かった。少なくとも4匹は生きた状態だったとみられるという。県警が動物愛護法違反の疑いで調べている。

 高校の教頭によると、男性教諭は6日午前、巡回中に学校の敷地内にある農業実習用ビニールハウス内で野良猫が生んだとみられる子猫5匹を発見。放課後の午後4時ごろ、担任するクラスの男子生徒3人に目的は説明せずに「スコップを持ってこい」と指示し、敷地内の畑の脇に穴を掘るのを手伝わせた。直径1メートル前後、深さ約70センチ程度の穴を掘ると、生徒を解散させ、1人で猫を埋めた。生徒たちは、その様子を遠目に見ていたという。

 9日に保護者から高校に連絡が入って発覚。10日に高校が教諭から聞き取り調査をしたところ、教諭は「親猫が見あたらないので、死んでしまうと思った。どう対処すればいいか分からなかった」と話したという。教諭は一度埋めた後で「このままではまずいのでお墓を作ろう」と一度掘り起こして敷地内に埋め直している。

 17日に県警が、埋めた場所と埋め直した場所の2か所を掘り起こし、埋め直した場所から1匹の死体を発見した。残りの4匹の行方は分かっていない。教諭には10年以上の勤務歴があるという。県教委は県警の捜査終了を待って教諭を処分する方針。教頭は「市役所に相談して判断をするべきだった。非常に一生懸命に仕事をしていたので残念。埋めた現場は警察が調べが終わったら猫を供養したい」と話している。24日に臨時の全校生徒の保護者を対象に経緯を説明するという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150323-00000120-sph-soci

校名を明らかにしているところと伏せているところに分かれているようだ。『報知』のほか、『毎日』も校名を伏せていた。まあ「敷地内」に「農業実習用ビニールハウス」がある船橋市の高校といえば、非常に話が限定されてくるわけだけど。
千葉日報』の記事;

男性教諭が子猫生き埋め 生徒に穴掘り命じる 船橋の県立高

ちばとぴ by 千葉日報 3月24日(火)11時58分配信


 千葉県立薬園台高校(船橋市)で、30代の男性教諭が生まれたばかりの子猫を少なくとも4匹、同校敷地内に生き埋めにしていたことが23日、同校への取材で分かった。教諭は目的を告げず生徒に埋めるための穴掘りを手伝わせていたとみられる。教諭は学校の調査に「親猫が見つからず死んでしまうと思った。どのように対処していいか分からずに埋めたが、配慮を欠いた行為で申し訳ない」と話しているという。船橋東署が動物愛護法違反の疑いで調べている。


 同校によると、教諭は今月6日午前に校内施設内で野良猫が産んだとみられる子猫5匹を発見。

 同日午後に、実習中の男子生徒3人に目的を告げずに、スコップを持ってこさせ、穴を掘らせた。教諭はその後一人で、生徒が掘った穴に子猫5匹を移して土をかぶせ、生き埋めにした。当時4匹は生きており、1匹の生死は不明だったという。

 週明けの9日、実習を受けた別の生徒の保護者から同校に「猫が生き埋めにされたようだ」と問い合わせがあった。同校が10日に教諭に確認したところ認めたため、同教諭に担任するクラスの生徒の前で謝罪させ、担任クラスに入らせない措置を取った。

 同校は13日になって、生き埋めにした場所から掘り起こし、同校敷地内の別の場所に埋葬した。

 保護者から14日に連絡を受けていた同署は16日、同校に事実確認を行い、翌17日に埋められた2カ所を掘り起こしたが、1匹分の死骸しか発見できなかった。

 同校教頭は「命の大切さを教える学校現場で、このようなことが起こったのは残念で悲しい。事態を厳粛に受け止め、二度と起こさないようする」と述べた。

 同校は24日に臨時の保護者会を開いて説明する。

 県教委は「まずは警察の判断を待つが、道徳的な面からも(教諭の処遇など)対応を検討したい」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150324-00010000-chibatopi-l12

時事通信の記事;

子猫生き埋め、校長が謝罪=「安易な判断、生徒にショック」―千葉

時事通信 3月24日(火)19時54分配信


 千葉県船橋市の県立薬園台高校園芸科で30代男性教諭が猫を敷地内に生き埋めにしたとして、大輪茂利校長は24日、同校で記者会見し、「生徒に命の大切さを学ばせる学校という場で、安易な判断と行動により生徒が大変なショックを受けた。あってはならないことで、おわびする」と謝罪した。
 校長によると、この教諭は3月6日午前、敷地内の農場にある温室内で野良猫が産んだとみられる子猫5匹を発見。同日午後、理由を言わずに男子生徒に直径約50センチ、深さ約70センチの穴を掘らせ、1人で猫を埋めたという。このうち少なくとも4匹は生きたままだった。
 保護者から9日、学校に問い合わせがあり発覚。教諭は「放置すると作業に支障が生じるため、深く考えず処分してしまったが、後悔している」と話しているという。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150324-00000146-jij-soci

「放置すると作業に支障が生じるため、深く考えず処分してしまった」という動機が空虚すぎて凄いと思った。でも、〈悪〉の自覚はあったわけだ。だからこそ、「実習中の男子生徒3人に目的を告げずに、スコップを持ってこさせ、穴を掘らせた」わけだ。しかし、その生徒たちはことの一部始終を「遠目に見ていた」。どうせ〈悪〉をするなら、誰もいない夜中に一人でこっそりとやれよと言いたくなってしまう。ところで、いちばんショックを受けたのは母猫だったかも知れない。食物探しの旅から帰ってきたら赤ん坊たちが消えていたということで。生徒の「ショック」よりも母猫の落胆に思いを馳せてしまった*1
ところで、薬園台高校というと、個人的には色々とあるのだが、今は言わない。

「新文化運動」は反儒家だったか

徐䔥「”新文化運動反倒促進了儒学発展” 学術界反思新文化運動 称運動宗旨併”反孔非儒”」『東方早報』2015年3月19日


1915年9月に陳独秀*1主宰の『青年雑誌』(後に『新青年』に改題)の発刊の辞「敬告青年」を契機に開始された中国の「新文化運動」はほんとうに反儒家的だったのか。最近の中国における儒学復興の中で、「新文化運動」を否定する意見も多くなってきている。しかし、「新文化運動」を否定することは現代中国を否定することであり、陳独秀中国共産党の初代の総書記であるように、中国共産党自体が「新文化運動」の産物なのだった。
上掲の記事は「山東大学儒学高等研究院」の黄玉順氏の見解を紹介している。
たしかに陳独秀「本誌罪案之答辯書」(『新青年』1919年1月号)というテクストの中でも「孔教」、「礼法」、「貞節」、「旧倫理」、「旧政治」は「徳先生」(Democracy=民主)に反する、「反対」の対象として挙げられている。「孔教」という言葉に着目しなければならない。陳独秀は「我們反対孔教、併不是反対孔子個人」と述べている。また、もっと後の1935年に魯迅は「在現代中国的孔夫子」というテクストを発表しているが、問題なのは「現代中国」における孔子であって、そもそも孔子が生きた古代に於ける孔子ではないということを意味している。陳独秀らが反対した「孔教」、その実際のターゲットは康有為*2だった。康は当時「孔教」を「国教」(state religion)とする主張を行っていたが、それは袁世凱復辟の策動と連動するものだった。「新文化運動」の人々が「孔教」に反対したのは政治的な挙動だったわけだ。曰く、


黄玉順認為、新文化運動興起的時期、正是康有為等倡立孔教活動的活躍期、二者之間是存在直接聯繫的。由於康有為等人主張把孔教奉為国教、列入民国的憲法、擁護袁世凱復辟、才引起新一代知識分子的憂慮和深思。1913年、袁世凱”天壇憲法”草案第19条規定”国民教育以孔子之道為修身大事”、在国会上引起争論:後来這一争論由国会発展到思想文化界、成為新文化運動的導火索。
また、

黄玉順注意到、新文化運動批判的”孔教”、基本上集中在儒学的”礼”的層面、就是社会規範及制度的層面、而不怎麼渉及”仁””義”等概念。更具体地説、新文化運動的矛頭所向、基本上是秦漢以後的帝国時代、亦即家族皇権時代的制度規範。
また、「新文化運動」による批判を潜ることによって、儒家は「民権時代」に適合した政治哲学や倫理学を発展させること、また近代哲学としての形而上学を発展することが可能になったという。

ところで、英語のConfucianismは直訳すると、孔夫子主義(孔夫子教)。或いは孔子主義(孔子教)。もしかして、Confucianismの起源は康有為にあるのでは? 康有為は儒家思想を、孔子を教祖とする宗教、「孔教」として再編成しようとしたのだった。

『ホットロード』など

DVDを3枚。

三木孝浩『ホットロード

ホットロード [DVD]

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許鞍華『黄金時代(The Golden Era)』
See eg.

Boyd van Hoeij “'The Golden Era' ('Huangjin shidai'): Venice Review” http://www.hollywoodreporter.com/review/golden-era-huangjin-shidai-venice-730671
Mark Jenkins “'The Golden Era' Follows A Path From Northern China To Tokyo” http://www.npr.org/2014/10/16/356136458/the-golden-era-follows-a-path-from-northern-china-to-tokyo
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Golden_Era_%28film%29
http://fr.wikipedia.org/wiki/The_Golden_Era
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%83%E9%87%91%E6%99%82%E4%BB%A3_%282014%E5%B9%B4%E9%9B%BB%E5%BD%B1%29

Warwick Ross and David Roach Red Obsesssion

Red Obsession [DVD] [Import]

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先週買った本。

唐諾*1『重読 在咖啡館遇見14個作家』廣西師範大学出版社、2015


簡体版説明
前言


渡過這条河、到樹林子裏死去
神説、只有我能今日頭停止――有関庫斯勒的《正午的黒暗》
大海・作為一個史詩舞台
一本没読過的契訶夫小説和小説的無限之夢
大麻・鴉片・人造天堂
普寧・以及納博科夫
《八月之光》、以及約克帕塔法小説
被思想扭曲的小説霊魂――論果戈理
有関認識博爾赫斯的補充
《一個焼毀的麻風病例》以及格林自己
我想、也可以這様読《波多里諾》
関於《巫言》
走過神迹之門――有関美国聯邦大法官
集体性暴力迫害的秘密及其終結


附録一 自由的核心
附録二 在天命使者和君王策士之間――像以賽亜・伯林這様的知識分子


本書各篇文章出処

 

Black Sabbath to turn black for good

Guardian Music “Black Sabbath announce farewell concert” http://www.theguardian.com/music/2015/mar/24/black-sabbath-announces-farewell-concert


ブラック・サバス*1は今年11月に幕張メッセで行われるオズフェスト・ジャパン*2を最後に永久に解散することを発表した。今注目されているのは、オリジナル・ドラマーのビル・ワード*3が参加するかどうかということ。2012年にブラック・サバスが再結成ライヴを行ったときには、 ビル・ワードは参加しなかった*4 。また、ブラック・サバスはその最終アルバム(プロデュースはリック・ルービン)の制作を昨年秋から開始している*5

まあ、プロレスラーの引退とロック・バンドの解散と政治家の公約は信じてはいけないという諺もあるのだった。

No relation to Friedrich

Mark Sweney “Salma Hayek praises social media's 'peaceful revolution' for women” http://www.theguardian.com/media/2015/mar/23/salma-hayek-facebook-twitter-selfie


女優 Salma Hayek*1がソーシャル・メディア(インスタグラムとツィッター)デビューをしたという話。
曰く、


Hayek used her Advertising Week Europe session with senior Facebook executive Nicola Mendelsohn to announce her debut on the social network, with her arrival on Instagram and Twitter to follow on Tuesday.

“I’m a rebel and I don’t want to do what everyone else does,” she said, speaking to about 300 attendees at the session held at St James’s Church in Piccadilly. “I did resist [social media]. I have this idea that I [like to be personally] present, I’m not always calling, texting. When I am with you, I am with you. And I feel sometimes people are not so present because of social media.”

「平和的革命」としてのソーシャル・メディア;

Hayek said that the rise of social media has given consumers a voice which has enabled a “peaceful revolution”.

“This is the strength of technology, everybody gets to have a voice,” she said. “People have regained some power, there is a lot of hope in that. I feel many times people in power, in big corporations, dictate which way we go. It is like a peaceful revolution.”

女性の「身体」や「年齢」に関するステレオタイプへの抵抗として;

Responding to a question from the floor, the Frida actor said that people power has enabled the stereotypes of women used by the advertising and marketing industry to be challenged.
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“I think [advertisers and agencies] are making an effort [to change female representation] but not because they are saints,” she said. “It is beginning to dawn on them, and probably social media has something to do with it ... that they are beginning to realise many things.

“First, women in their 50s have a lot more of the means to buy things, it is not like before [when advertising] people said OK if you are 50 you are finished. You are supposed to be ugly not work and stay at home, you are done. No, that isn’t happening any more. You sort of surrendered to what they told you you were supposed to be. I am hot and I am smart.”

She said that female consumers of all ages have become empowered, opening up a rethink on the traditional use of young, very thin models to advertise products.

“Women are also saying ‘I don’t want to be a stick, I want curves, I don’t want to starve myself to death,’” she said. “I want to eat, I want to be healthy. I think [the ad industry] is beginning to discover women and women are saying this is who we are and what we want. I think we are empowering ourselves and more and more consumers are changing the advertising world.”

何故か気になったのは、『フリーダ』で主役フリーダ・カーロを演じた女優とオーストリア学派の経済学者*2の間に、何らかの親戚関係とか同族関係とかが存在するのかどうかということ。片やレバノン墨西哥人、片やボヘミア貴族の子孫。接点を見つけるのはきわめて困難なわけだけど。
フリーダ [DVD]

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